02. 2014年5月11日 21:28:49
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http://www3.nhk.or.jp/news/ninchisho/2014_0511.html 取材中間報告・認知症行方不明1万人 (5月11日) twitterfacebookmixihelpnotice ほとんどの場合、事件でも事故でもないため情報が公開されず、埋もれ続けてきた認知症の行方不明者。5月11日放送のNHKスペシャルでは、全国各地の警察や自治体、家族などへの取材を基に、認知症の行方不明者の実態と全体像を明らかにします。この問題の取材を始めたきっかけや取材の手法、そして今後の展開などについて、取材統括にあたった社会部・矢野良知デスクが解説します。いったい何が起きているのか? 認知症の人やその疑いがある人が徘徊(はいかい)などで行方不明になったとして警察に届けられた件数について、警察庁は去年(平成25年)はじめて公表しました。その数は、おととし(平成24年)1年間で、のべ9607人、死亡は359人というものでした。 わたしは介護や医療の取材を続けてきたなかで、認知症の人が徘徊し行方不明人になったり死亡したりする人がいることは知っていたものの、年間1万人近くに上っていることに驚きました。そこで去年11月から、記者とディレクター1名ずつで取材を始めました。 最初は関東近県で行方不明になったことがある人の家族の方からお話を聞いていきました。この中で、行方不明にならないよう24時間気が休まることがないご家族の大変さや、行方不明になり亡くなったご家族の思い、それに行方不明になったまま家族を探し続けている人がいることを多くの方から聞くことができました。 全国の警察本部にも改めて取材を行い、おととし1年間に行方不明になった人は9607人。大半はすぐに見つかるものの、このうち、死亡が確認された人は351人。その年の末の時点でも行方が分からないままの人は208人に上ることが分かりました。 私たちが気づかないところで、大変なことが起きているのではないか。取材態勢を、東京、大阪、名古屋から記者4人、ディレクター3人に増強しました。 ニュース画像 すべての市町村・家族や遺族へ取材 行政への取材も進めました。全国のすべての市区町村1741カ所にアンケートを実施し、66%に当たる1146から回答をいただきました。 こうした取材を続け、最終的に、ここ数年の間に、行方不明になったことがある人を介護するおよそ400の家族から貴重な声をお聞きすることができました。このうち139の家族からはアンケートにお答えいただきました。その後、死亡が確認された116人について、ご遺族や自治体から取材しました。 こうしたなかで、徘徊で保護したものの、認知症のため名前や住所が分からず、身元が分からないまま施設で暮らしている人がいることも分かりました。こうした人は、全国で少なくとも4人いました。 放送を機に家族と再会した男性 NHKスペシャルには、身元不明で、その後家族と再開した男性が登場します。大阪市は、2年前に保護したその男性を、老人福祉法の「やむをえない措置」として市内の介護施設に保護していました。介護保険や生活保護の手続きに必要だとして、大阪市は男性に「太郎」という名前を付けていました。 男性には、大阪市が家庭裁判所に申し立て、成年後見人が選任されていました。わたしたちは成年後見人や介護施設に取材を重ね「身元の判明につながってほしい」として男性の顔や生活の様子などについて、ニュースでお伝えしました。 幸い、ニュースを見た御家族が名乗り出て、身元の確認につながりました。 自宅と保護された場所は、数キロしか離れておらず、この問題の根深さを改めて感じました。 情報求む・身元不明の「ヤナギダクミコ」さん こうしたなかで、群馬県館林市でも同じように身元が分からない寝たきりの女性がいることが分かり、市や施設の協力を得て取材しました。 女性の靴下にはカタカナで「ヤナギダ」、下着にはカタカナで「ミエコ」と書かれていたものの、本人は警察に対して「クミコ」と名乗ったため、「柳田久美子」という仮名で保護されていました。 生年月日も、外見から推測して「昭和20年1月1日」として、住民票が作られていました。女性は、このほかにも指輪などの手がかりがあったものの、7年間、身元が分からないままです。保護当時の写真も残っていて、にこやかな表情で、上品な雰囲気で、その後ずっと身元がわからないことに驚きを感じました。 身元の確認につながる情報が得られることを祈るしかありません。 (身元の確認につながる情報提供の申し出は、この特集サイトでもお受けしています。どんな小さな情報でも、お寄せください) 始まっている新たな対策 対策についても取材しました。警察や行政、民間などがネットワークを組んで、地域ぐるみで行方不明者を捜す「SOSネットワーク」。 釧路で20年前に始まったこの取り組みは、国も後押ししましたが、今回取材してみると、導入しているのは全国の自治体の3分の1にとどまっていること、しかも、活発に稼働しているのはその半数以下にとどまっていることが分かりました。 ネットワークの稼働には、警察や行政だけでなく、地域の人たちの力を結集する必要があります。都会などでは、なかなか難しい面もあるかも知れないと感じました。さらに自治体へのアンケート調査からは、日ごろから稼働していないと形骸化してしまうことも分かりました。 一方、ネットワークで多くの命が救われていました。お住まいの地域に、SOSネットワークがあるかどうか、確認しておくことも大切ではないかと思いました。 またGPSを用いた対策や、徘徊そのものを防ぐケアについても取材しましたが、最も感じたのは、これだという対策がまだないことです。しかし、現場では新たな対策も始まっており、こうした内容について、今後、ニュースでお伝えできればと考えています。 深夜まで議論・続く取材 こうした取材と同時進行で、4月からは編集作業も始まりました。行方不明になった一人一人やその御家族には、それぞれのエピソードや苦悩があります。取材にご協力いただいた、どの人を撮影するのか、撮影したどの部分を編集でつなぎあわせるのか、深夜まで議論しました。 警察庁は、5月9日には、国会で去年の行方不明届けの件数を概算で公表しました。その数は、おととしより600人ほど増え、のべでおよそ1万300人。この「認知症行方不明1万人」の問題については、さらに取材を続けたいと考えています。 なかなか、これという対策がないなか、進む現状や、新たな対策などについても伝え続けたいと思います。 http://www3.nhk.or.jp/news/ninchisho/index.html “認知症”で行方不明 何度も繰り返す実態 5月11日 19時07分
“認知症”で行方不明 何度も繰り返す実態 認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人に上っている問題で、NHKが、行方が分からなくなったことがある120人余りの家族にアンケートした結果、行方不明になった回数は平均で6.3回に上り、何度も繰り返されている実態が明らかになりました。 認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして、警察に届けられた人は、おととし1年間に全国でおよそ1万人に上り、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。 NHKは詳しい実態を明らかにするため、行方が分からなくなったことがある全国の125人の家族にアンケートを行いました。 その結果、行方不明になり、警察に通報したり家族などで捜したりした回数は、平均で6.3回に上ることが分かりました。 また、全体の78%が行方不明を複数回経験していて、最も多いケースで70回あったと答えるなど、行方不明が何度も繰り返されている実態が明らかになりました。 また、捜す際、警察や周囲に協力を求めることに、ためらいがあるかどうか尋ねたところ、「大いにある」と「どちらかと言えばある」を合わせると74%に上りました。実際、警察のほかに誰に協力を求めたか複数回答で尋ねたところ、「家族・親戚」が68%と最も多くなっているのに対し、「ケアマネージャー」や「近所の人」といった家族以外はいずれも20%台にとどまっていました。 認知症に詳しい、認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は、「行方不明が繰り返されているにもかかわらず、SOSを出せず苦慮している家族の姿が浮き彫りになった。問題を家族だけに押しつけず、社会全体で解決を図っていく本格的な対策を、国や市町村は急ぐべきだ」と話しています。 [関連ニュース] 自動検索 ・ 行方不明者の捜索 福島でも一斉に (5月11日 12時57分) ・ 震災3年2か月で行方不明者の捜索 石巻 (5月11日 12時22分) ・ 認知症不明者早期発見の仕組みを 厚労相 (5月9日 14時40分) ・ 札幌 25歳女性が行方不明 写真公開し捜索 (5月7日 13時50分) ・ 雲取山で行方不明の男性は見つからず (5月6日 18時44分) 認知症で行方不明、届け出1万300人…昨年 2014年05月09日 15時14分 認知症が原因で行方不明になり、警察が届け出を受理した人数が、2013年に約1万300人に上ることが分かった。 警察庁は12年から認知症の行方不明者数を集計しており、同年は9607人だった。 9日午前の衆院厚生労働委員会で、民主党の長妻昭議員の質問に警察庁が答えた。受理人数は集計中のため概数で公表した。届け出後の状況は明らかにしていないが、12年に所在が確認された行方不明者の4%弱にあたる359人は発見時に死亡していた。 認知症の行方不明者が増えている問題については、厚生労働省も実態調査や対策に乗り出している。この日の衆院厚労委でも、田村厚労相が「警察だけでなく、自治体や地域包括支援センター、タクシー会社など多様なネットワーク作りが重要」と発言。各地の先進的な取り組みを全国に発信するなど、対策を強化する考えを示した。 2014年05月09日 15時14分 Copyright © The Yomiuri Shimbun YOMIURI ONLINEホームへ 関連記事・情報Powered by popIn 【地域】GPS靴で徘徊防げ…認知症家族の負担軽減へ (2014年5月10日) 【社会】認知症男性事故、遺族側も監督義務巡り上告 (2014年5月9日 20:47) 【ジョブサーチ】シッター事件、田村厚労相「届け出制含め検討」 (2014年3月27日 10:05) 【地域】(下)高齢化 生活支援 地域と連携 (2013年3月26日 9:01) 【社会】ロッククライミング人気スポットで女性滑落死 (2014年5月11日 1:17) 【社会】パトカーに追跡され車ごと海に…無職男性死亡 (2014年5月11日 10:15) 【社会】食事もお酒もついつい…鴨川の納涼床始まる (2014年5月2日 8:07) 【社会】熊本の鳥インフル、搬出制限区域を解除 (2014年5月1日 18:42) 認知症の行方不明、やはり増加 昨年は1万300人で前年比7%増 2014年5月9日
DSC_0365.jpg 衆院・厚労委員会
警察庁は9日の衆議院・厚生労働委員会で、認知症が原因で行方不明になった高齢者が、昨年は1万300人にのぼったと報告した。民主党の長妻元厚労相から質問を受け、現時点でわかっている暫定値として明かした。 警察庁が開示したのは、これまでに寄せられている行方不明者の届け出のうち、主な原因・動機が認知症であるものの数。4月25日に開かれた委員会では、該当する届け出が2012年で9607人分あったと公表した。2013年は1万300人だったため、1年間で約7%増えていることになる。
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田村厚労相はすでに、こうした高齢者を救う対策を強化する方針を示しており、必要に応じて新たな法整備を検討するとも語っている。この日の委員会では、実態を詳しく把握するための調査を急ぐ姿勢を示すとともに、一部の自治体で行われている先進的な取り組みを共有し、広く展開されるようにしたい考えを示した。 過去記事スライドショー
30年後には半数の市区町村が消滅の危機、3割は回避困難に NextPrevious 【 関連記事! 】 LinkIcon空き部屋を持つ高齢者と学生を結ぶサービス開始、孤立の解消も狙う 2014.05.01 下宿らうど 高齢者と若者をつなぐ空き部屋マッチングサイト.jpg
スマートフォンアプリの開発などを行うバズー鰍ェ1日、空き部屋を持つ高齢者とそこに住みたい学生をマッチングするサービス「下宿らうど」を始めた。親元を離れた学生を支えるだけでなく、高齢者の孤立を解消したり・・・ LinkIcon財務省の審議会が将来の試算を公表、介護・医療費抑制の重要性を強調 2014.04.30 DSC_0283.JPG 財務省の審議会で28日、国の財政が長期的にどうなっていくのかを試算した結果が示された。今から46年後にあたる2060年度には、介護サービスの費用が国内総生産(GDP)の5.8%を占めるまでに膨らみ・・・ LinkIcon「介護の要支援外しに反対!!」 6.4万人分の署名を提出 2014.04.23 543245.jpg 介護サービスの利用者団体「認知症の人と家族の会」は22日、国会で審議されている介護保険制度の改革を見直すよう求める要望書を、賛同する6万4344人分の署名とともに提出した。 LinkIcon入院患者の食費を引き上げへ、厚労省「在宅患者との公平性に配慮」 2014.04.22 347.jpg 厚生労働省は21日、医療保険の改革を議論する社会保障審議会・医療保険部会で、入院患者が支払う食費の引き上げに向けた検討を開始した。年末までに引き上げ幅などの詳細を固め、来年の通常国会に必要な法案を提出する。 LinkIcon老施協、地域貢献の義務化へ介護職員の配置基準の緩和を提案 2014.04.21 IMG_5961.jpg 社会福祉法人の改革に向けた検討を行っている厚生労働省の有識者会議は21日、特別養護老人ホームなどの運営を担っている全国老人福祉施設協議会を招き、改革についての意見をヒアリングした。 LinkIconスウェーデンの介護保険制度ってどんな内容? LinkIcon世界の認知症患者数、2050年には1億3500万人に
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