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哲学者ニーチェも苦しんだ 「梅毒」が若い男に急増のナゾ
http://gendai.net/articles/view/newsx/149324
2014年4月8日 日刊ゲンダイ
陰茎やリンパ腺が腫れても痛みなし
世界中で蔓延(まんえん)を繰り返した梅毒は、治療薬ペニシリンの開発で、“過去の病気”とみられてきたが、昨年まで3年連続で患者数が増加。現在の統計方法になった平成12年以降、初めて1000人を突破した。ベートーベンやニーチェが苦しんだころは、売春婦が病気を媒介し、男から女へ、女から男へと患者を広げていた。しかし、最近は事情が違うという。日本性感染症学会評議員で、「宮本町中央診療所」の尾上泰彦院長が言う。
「梅毒は男性同性愛者に多く、患者は8割が男性で、特に30代くらいまでの比較的若い人に目立ちます。男性同性愛者に多いのは、アナルセックスが原因。アナルセックスは、肛門の締め付けが膣より強く、ペニスにキズがつきやすい。その傷口から梅毒の細菌が感染しやすいのです。また、30代くらいまでは、恋愛感情が盛んで、交際が終わっても新しいパートナーを求めたがる。晴れてパートナーができると、相手に梅毒を感染させたり、相手から梅毒を感染されたりして、病気が広がっていくのです」
梅毒は、陰茎やリンパ腺が腫れたりするのが初期症状。ところが、腫れても痛みがないから放置されやすい。そういう症状の軽さも患者を増やすゆえんだ。
「感染を防ぐには、コンドームが効果的ですが、万全ではありません。フェラチオはじめオーラルセックスで、梅毒を起こす細菌が口に感染するのです」(尾上氏)
もちろん異性間セックスで感染するケースもあるが、そのルートは日本に出稼ぎにきたアジア人女性とセックスした男性が感染するのがほとんどだという。感染ルートがなんであれ、梅毒の人が注意しなければいけないことがある。
「梅毒の人は、HIVにも感染している可能性がとても高い。梅毒の診断を受けたら、念のためHIV検査も受けるべきです」(尾上氏)
梅毒単独なら、最大8週間抗生物質を服用すれば治る。しかし、HIVを合併していると、薬が効きにくく、治療が難しくなるという。
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