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原因不明の疲労が続く「慢性疲労症候群」の患者は脳内で広い範囲の炎症を起こしていると、大阪市立大や理化学研究所などの研究チームが4日、発表した。PET(陽電子放射断層撮影)で確認したという。慢性疲労症候群は従来の検査では異常を見つけられず、新たな診断法や治療法の開発に役立つ可能性がある。先月24日付で米科学誌「ジャーナル・オブ・ニュークリア・メディスン」電子版に掲載された。
チームによると、慢性疲労症候群は原因不明の極度の疲労が長期間続き、正常な生活が送れなくなる。患者は国内に約30万人いるとみられるが、治療法は確立していない。客観的な指標がないため疲労感、集中力低下など患者の訴えを基に診断し、病気が見過ごされることも少なくない。
大阪市立大疲労クリニカルセンターの中富康仁医師らは、炎症を起こすと増えるたんぱく質を目印に、脳内の炎症部分をPETで観察することに成功した。患者9人(平均38.4歳)と健康な人10人(同39.1歳)を調べると、患者は健康な人に比べ、痛みに関係する脳の部分の炎症の程度が重かった。認知機能低下や抑うつと関係する脳の各部位に炎症があると、その症状が重い傾向であることも分かった。
チームは今後、PETを使った診断法や治療法の開発を進める。中富医師は「患者は『怠けているだけ』などの偏見に悩むことが多い。今回、健康な人との違いがあると客観的に示せた。病気への理解が広がってほしい」と話している。【斎藤広子】
http://mainichi.jp/select/news/20140405k0000m040142000c.html
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