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頻繁な「足のつり」は消化器系疾患のサイン
http://gendai.net/articles/view/life/149128
2014年4月1日 日刊ゲンダイ
病気のサイン/(C)日刊ゲンダイ
気持ちよく寝ていたら、ふくらはぎに強烈な痛みが走って悶絶……。年をとってから足がつりやすくなったという人は少なくない。なんとかしたい。
ふくらはぎは「こむら」と呼ばれ、ふくらはぎのつりは「こむら返り」と言われている。〈つり〉は、土踏まず、太もも、首、肩などでも起こるが、ふくらはぎは特につりやすい。誰もが一度は経験したことがあるだろう。激しい運動をしたり、立ちっぱなしで仕事をするなど、足を酷使している状況でこむら返りが起こるのはなんとなく理解できる。しかし、寝ている最中に頻繁につるようになったのはなぜなのか。ひょっとしたら、よからぬ病気なのだろうか。
杏雲堂病院肝臓内科の小尾俊太郎部長はこう説明する。
「〈つる〉というのは筋肉の痙攣(けいれん)です。筋肉は体を動かすために伸びたり縮んだりしています。普段は、脳の指令=自分の意思によって伸縮しますが、指令とは関係なく筋肉が過剰に収縮して固まってしまう状態が〈つっている〉状態です。筋肉が縮こまって自分の意思では伸ばせないため、強烈な痛みを伴って動くことができません」
〈つり〉が起こるメカニズムは完全には解明されていない。筋肉を動かす際、脳から出される指令は神経を介して筋肉に伝えられるが、動かそうとしている箇所の異常興奮や、筋線維細胞膜の不安定化などが〈つり〉に影響していると考えられている。
「そうした異常興奮や不安定化は、脱水、疲労、冷え、体内の電解質異常などによって起こります。また、夜間、特に明け方は無意識に伸びをしているため、つりが誘発されやすい状態です。年をとってから夜間に足がつりやすくなるのは、(1)若い頃よりも体内の水分が少なくなって脱水状態になっている(2)筋肉が衰えて伸縮能力が低下し、固まっている(3)老廃物の処理能力が低下し、疲労物質が蓄積している ―― といった原因が考えられます」(小尾氏)
■肝硬変、腎不全、狭心症の可能性も
寝る前に、さゆなどを飲んでしっかり水分を補給する。ストレッチをして筋肉の柔軟性を維持する。入浴はぬるめの湯につかって体を中から温め、ふくらはぎをマッサージする。こうした予防法を心がければ、夜中に足がつって激痛に襲われることはガクンと減る。
それでも頻繁に足がつる人は、病気を疑ったほうがいい。
「肝硬変、腎不全、慢性腎臓病といった消化器系の疾患は、電解質のバランスを崩したり、脱水をきたす代表的な病気です。糖尿病や狭心症などが絡んでいるケースもあります。何度も繰り返し足がつる人は、早めにしっかり検査を受けるべきです」(小尾氏)
頻繁に足がつる場合、運動器ではなく消化器系の疾患が疑われる。診察を受けるなら、整形外科ではなく、内科や内分泌科にかかるべし。
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