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予備軍3000万人 口臭の原因「ドライマウス」の怖さ
http://gendai.net/articles/view/life/148015
2014年2月15日 日刊ゲンダイ
中年に多い/(C)日刊ゲンダイ
口の中が乾く「ドライマウス」の原因は人によってさまざま。50歳以上の中年族に多いが、冬で空気が乾燥しているせいなどと侮ってはいけない。歯周病など深刻な口のトラブルを引き起こすケースがあるからだ。
「ドライマウスとは、何らかの原因で唾液の分泌量が減り、口の中が乾く病気です。唾液には口の中を潤わせ、殺菌して清潔に保つ役割があります。これが不足すると口臭、虫歯、歯周病など、口の病気を中心にさまざまな不具合を引き起こします」
こう警鐘を鳴らすのは、日本では珍しい「ドライマウス外来」がある大阪歯科大学の小正裕(こまさゆたか)教授だ。
日本のドライマウス人口は年々増加し、現在約800万人。自覚していない予備群は3000万人に及ぶと推定されている。
命に関わる病気ではないものの、デリケートな場所だけに、かかってしまったら厄介だ。
代表的な自覚症状は、「水をよく飲む」「夜中に乾きで目が覚める」など。
別表の「ドライマウスの自己診断」のような症状がひとつでもあれば、歯科医や専門病院を受診して“唾液の量”を量ってみるといい。検査で簡単に分かる。
■薬の副作用やストレス
そもそも、なぜ、口の中が乾くのか?
「加齢による唾液腺の衰えや、口呼吸による口腔内の乾燥もありますが、一般的には、特定の病気や薬の副作用、精神的ストレスが原因です。年を取ると病気になったり、薬の服用が増えるので、結果的に50歳以上の患者が多くなりますね」
ドライマウスを引き起こす病気としては糖尿病や腎臓病、そして「シェーグレン症候群」が挙げられる。
この聞き慣れない病気は、免疫細胞が唾液腺や涙腺を攻撃するため、目や口が乾燥する。
また、薬の副作用が原因の場合も多い。降圧剤や交感神経抑制剤、あるいは血管拡張作用剤などの循環器用薬や、抗不安薬や抗うつ薬などの精神科用薬の使用によるものがそれだ。
精神的なストレスは、自律神経のバランスを崩し、唾液の分泌をうまくいかなくする。会議などで緊張すると口が乾くのと一緒だ。まさに現代病なのだ。
■画期的な特効薬はない
どう治療するのか?
「薬の副作用が原因なら内科医と相談しながら減薬したり、シェーグレン症候群なら治療薬があります。しかし、他に画期的な治療法や特効薬はありません。原因となる病気を治すか、口中の唾液量を増やす“対症療法”が中心になります」
対症療法は唾液分泌薬や漢方薬の服用、乾燥した粘膜を保護する保湿剤の使用が挙げられる。ガムを噛んで唾液腺を刺激したり、“ベロ出し”運動で唾液腺の周囲の筋肉を鍛え、唾液を出しやすくする方法もあるが、いずれも効果は出にくい。
「中高年世代なら“死ぬまでの付き合い”になることを覚悟すべきです。体質や生活習慣の影響も大きいので、完治は簡単ではありません」
生き方を見直せというサインかもしれない。
【ドライマウスの自己診断】
●水をよく飲む
●夜中に乾きで目が覚める
●乾いた食物が噛みにくい
●食物がのみ込みにくい
●今までと味が違う
●口の中がネバネバする
●入れ歯で歯が傷つく
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