http://www.asyura2.com/13/health16/msg/196.html
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植物性油に水素を添加することで生成されるトランス脂肪酸が含まれている主な食材は、マーガリン・ファットスプレッド・ショートニングである。(バターにも天然のトランス脂肪酸が少量含まれている)
今なおバターよりマーガリンのほうが身体に良いという“信仰”が残っている日本では“トーストにバター”という人も少なくない。
一昨年から昨年にかけてのバター供給不足時にも騒ぎが大きくならなかった背景には、そのような食生活の実態があったはずだ。
トランス脂肪酸を含む油脂は、常温でも液化せず酸化による劣化も遅いという特性から、コスト面だけでなく、食感と保存性を高める目的で、菓子類やフレンチフライなど揚げ物を中心に加工食品で広く使われている。
日本政府は、数年前に欧州諸国でマーガリンに含まれるトランス脂肪酸の規制が行われたときほぼ無視という態度を採ったが、今回はどうするのだろうか?
転載するNHKオンラインの記事の生ぬるさを見ると、政府は、今のところ禁止に動く気がないということだろう。
末尾に示す論考で、科学ジャーナリストの松永氏は、トランス脂肪酸摂取量が日本人と欧米人では大きく違うということを根拠に、トランス脂肪酸をそれほど気にすることはない考えを示している。
しかし、米国マグドナルドがフレンチフライの揚げ油をキャノーラ油に変えたり(日本マクドナルドは従来通りショートニング使用)、ニューヨーク市がレストランでのトランス脂肪酸の使用禁止を定めたりしたこともあって、「米国民のトランス脂肪酸摂取量は2003年の1日当たり4.6グラムから12年には1グラムに減った」(日経新聞)という。
日本は、トランス脂肪酸の規制がないまま、この10年間パン食やケーキなどの消費が増えていることから、逆に摂取量が増加しているはずだ。
摂取量の増減はともかく、転載する記事にはっきりとは書かれていないが、CNNやABCのニュースに拠れば、FDAは、トランス脂肪酸の摂取はごく少量でも危険という見解を示している。
レストランや総菜などでの材料偽装表示も問題だが、日本政府も、「不可欠な栄養ではないし健康効果も分からないため、その安全水準は現在ない状態」(WSJ)というトランス脂肪酸に関する見解を示すべきであろう。
※ トランス脂肪酸に対する突出した批判を批判した論考
科学無視のトランス脂肪酸批判
思わぬ弊害が表面化
日本人への影響は?
2012年06月01日(Fri) 松永和紀 (科学ジャーナリスト)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1932?page=4
この論考の締めくくりとして書かれている「食生活が乱れ、油ものたっぷり、お菓子パクパク、という生活を送っていたら、トランス脂肪酸も飽和脂肪酸も、摂取量が跳ね上がります。冠動脈疾患もですが、肥満による生活習慣病、がんリスクの上昇なども招きます。
トランス脂肪酸を注意する前に、適切な量を食べ、栄養バランスに気を配るのが先決。食生活全体に関心を持ち適度においしく食べて、健康な毎日を!」という意見には異論はない。
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トランス脂肪酸、米が使用禁止 「心臓発作を予防」 [日経新聞]
2013/11/8 9:54
米食品医薬品局(FDA)は7日、一部の菓子類やマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の使用を段階的に禁止すると発表した。この措置により「年間2万件の心臓発作を予防でき、心臓疾患による死者を7千人減らせる」としている。
FDAはトランス脂肪酸を「食用として安全と認められない」と暫定的に判断した。60日間の意見聴取期間を経てこの判断が最終的に確定すれば、許可を受けた場合を除き使用を原則禁止する。食品業界には激変緩和措置として一定の猶予期間を与える。
FDAによると、トランス脂肪酸は血中の悪玉コレステロールを増加させ、心臓疾患のリスクを高めるという。米国の食品業界や飲食店ではすでに使用をやめる動きが広がっており、米国民のトランス脂肪酸摂取量は2003年の1日当たり4.6グラムから12年には1グラムに減った。(ワシントン=芦塚智子)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0800L_Y3A101C1CR0000/
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米FDA、トランス脂肪酸の安全性否定へ転換―禁止に向かう公算 [WSJ]
米食品医薬品局(FDA)は7日、食品に含まれるトランス脂肪酸が一般的に安全とは考えられないとの決定を初めて下した。従来の姿勢を大きく転換するもので、心臓発作や脳卒中の一因と疑われるトランス脂肪酸が今後使用禁止となる可能性も出て来た。
ニューヨーク市やシアトルなどの地方自治体ではトランス脂肪酸使用禁止に向けた動きが相次いでいる。近年ではマクドナルドを始め大手食品メーカーやレストランチェーンで、トランス脂肪酸を含む焼き物や冷蔵パン生地、冷凍食品などを避ける動きが相次いでいる。
FDAのマーガレット・ハンバーグ局長は「潜在的有害性を持つ人工トランス脂肪酸の消費量は米国内で過去20年間減少してきたが、現在でも健康に対する大きな懸念を抱かせるものだ」と述べた。さらに同局長は、摂取量を一段と削減すれば年に2万件の心臓発作と7000人の死者を減らせる可能性があると指摘した。
部分硬化油などとも呼ばれるトランス脂肪酸は、植物性オイルを固めるために水素を添加して作られる。約1世紀前に初めて調理に使われたが、焼き物や揚げ物のパリッとした食感を保ち、日持ちを良くする効果がある。
FDAの食品部門トップのマイケル・テーラー氏は、トランス脂肪酸がケーキの糖衣などを作るのに特に便利な物質であると説明した。
FDAは今回の決定に対し、食品メーカーや関連企業・団体に60日間の意見表明する機会を与え、その後に安全性についての最終的な決定を下す。
この間にメーカーなどから寄せられる意見が、食品にトランス脂肪酸の使用を禁止するまでの時間的猶予についてのFDAの考え方に影響を与える可能性を持っているが、ハンバーグ局長もテーラー氏も、最終的に米国の食品にトランス脂肪酸の使用を禁止するという決意は強固とみられる。
ニューヨークに本拠を置くトゥーロ・カレッジの代表で心臓専門医のアラン・カディッシュ氏は「今回の決定は病気のリスクを低下させる合理的で、しかも大胆な決定だ」と評価した。さらに「このリスクについては、これまで有意義な議論がされており、大半の専門家が、(トランス脂肪酸摂取が)心臓病リスクを高めていると認識している」と述べた。
トランス脂肪酸は牛乳や肉などの動物性食品には天然に含まれるものもあるが、消費される大半のものは人工的に作られたものだ。この脂肪酸の摂取は、悪玉LDLコレステロールの増加と関連があるとされている。
数十年前までは不飽和脂肪であるトランス脂肪酸は多くのマーガリンに含有され、ラードやバターなど動物性飽和脂肪に比べ健康的であるとして奨励されていた。しかし1970年代以後、研究者はトランス脂肪酸と心臓病の関連に疑いを強め、調査を進めた。
こうした流れの中で大きな影響力を持ったのは、米国医学研究所が2002年に発表したリポートで、トランス脂肪酸の危険性を厳しく警告し、摂取量をできる限り少なくすべきと提言した。
リポートは「トランス脂肪酸は不可欠な栄養ではないし健康効果も分からないため、その安全水準は現在ない状態だ」と指摘、ただ、当時多くの食品に使用されていたため直ちに全面的に禁止することは「非現実的だ」としていた。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304218104579184331810559094.html
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トランス脂肪酸、米国で禁止へ−FDAが動脈硬化リスク指摘[ブルームバーグ]
11月7日(ブルームバーグ):米食品医薬品局(FDA)は7日、クッキーやクラッカーなどに使われているトランス脂肪酸には動脈硬化のリスクがあり、全般的に安全だと認識することができないとの暫定的な判断を示した。
FDAは判断は最終的なものではないとしながらも、トランス脂肪酸の事実上の禁止につながる可能性があると説明。1940年代から商業的に幅広く使われてきた食材が米国から段階的に締め出されることになる。
ハンバーグFDA局長は電話会見で、何も最終決定されていないが、「ほぼ確実にこの方向だ」と言明した。
マクドナルドなどの食品店チェーンは、心臓病につながるコレステロールに関係しているとしてトランス脂肪酸の使用をすでに取りやめているが、FDAは依然としてスナック食品や焼き菓子、植物性ショートニングなどに一般的に使われていると指摘している。
米食品メーカーのゼネラル・ミルズは、業界はここ数年トランス脂肪酸への依存を減らしていると説明。同社広報担当のクリスティー・フォスター氏は、「大きな展開だ。食品各社は迅速にFDAの要請を検討し対処しなければならなくなる」と指摘。米国で小売りされている同社の商品については、「すでに9割超で『トランス脂肪酸ゼログラム』との表示がなされている」と語った。
原題:Trans Fats Face U.S. Ban as FDA Deems Ingredients Unsafe(2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Anna Edney aedney@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Reg Gale rgale5@bloomberg.net
更新日時: 2013/11/08 14:56 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MVXHJW6K50YY01.html
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米 トランス脂肪酸使用規制へ [NHKオンライン]
11月8日 15時25分
マーガリンなどに含まれ、取りすぎると心筋梗塞などのリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」について、アメリカのFDA=食品医薬品局は、「安全とは認められない」として使用の規制に乗り出す方針を明らかにし、今後アメリカ国内の加工食品などで使用が禁止されることになりそうです。
トランス脂肪酸は、マーガリンや揚げ物などに使われる油に比較的多く含まれる脂肪分で、取りすぎると心筋梗塞や動脈硬化の危険性を高めると指摘されています。
このトランス脂肪酸についてアメリカのFDA=食品医薬品局は、7日、最新の科学的な証拠に基づいて検討した結果、「食品への使用が安全とは認められない」として規制に乗り出す方針を明らかにしました。
今後60日間、業界団体などから意見を募ったうえで規制の開始時期など具体的な内容を決めるとしていますが、アメリカ国内の加工食品などへの使用が原則として、禁止されることになりそうです。FDAは今回の規制で、年間2万件の心臓発作を防ぎ、心臓病による死者が7000人減ると見込んでいます。
アメリカでは、ニューヨーク市などですでにトランス脂肪酸の使用が禁止されているほか、自主的に使用を控える大手ファストフードチェーンなども出ていますが、冷凍の加工食品などには、まだ多く使われています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131108/k10015905131000.html
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