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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131014-00000006-sasahi-hlth
AERA 2013年10月14日号
イライラ、頻尿、不眠…。男性にもある更年期障害。その原因である男性ホルモンの減少は、認知症や動脈硬化のリスクを高める。単なる不調と片付けるのは危険だ。
「男性更年期」とは、何を指しているのだろうか。女性の場合、“更年期”は、閉経前5年間・閉経後5年間の約10年間と医学的に定義されている。女性は、閉経を機に変化する体の状況にだんだん慣れていくと、不快な諸症状も徐々に終息していく。
一方、男性の場合、女性の閉経に相当するような節目がない。そのために、自分が「更年期障害が出てもおかしくない年齢」だということをつい見過ごしてしまう。日々の仕事や生活に追われていると、多少の体調不良を感じたとしても、「更年期障害かもしれない」と考える男性は少ない。「もう年だから仕方がない、仕事が忙しいから疲れているんだ」と、やり過ごしてしまう。
男性ホルモンの総称はアンドロゲンだ。その中で主なものは、精巣でつくられるテストステロンと副腎皮質でつくられるDHEA。男性ホルモンは、男性の健康や生活の重要な部分に深く関わっている。
順天堂大学医学部泌尿器科学講座教授の堀江重郎さんによると、テストステロンは、「筋骨の強度の維持、血液をつくる働き、動脈硬化の予防、メタボの予防、脳の働き、チャレンジ精神、冒険心などに関わっている」という。
テストステロン減少が及ぼす影響の一つは、筋肉や骨の量の減少。そのため、筋骨はだんだん弱くなり、加齢とともに骨密度が低下して、やがて骨粗鬆症になりかねない。また、テストステロンには内臓脂肪をつきにくくする働きもある。これが低下すると内臓脂肪の増加、高血糖、高血圧の症状が現れ、その結果、心筋梗塞や脳卒中を引き起こしかねない。
アンドロゲンと男性の疾患との関係を研究している東京大学医学部附属病院老年病科教授の秋下雅弘さんは、生活習慣病をもっている人のテストステロン値を調べた。その結果、テストステロンの低いグループは、高いグループと比べて、心筋梗塞発症の確率が4倍だったという。研究結果から、テストステロンには血管を拡張して、それを維持する働きがあり、テストステロンが低下すると動脈硬化が進行することがわかったという。
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