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夏休みに車で出かけるのは楽しいが、大渋滞でロングドライブを強いられることも少なくない。目的地に着いたころはヘロヘロでグッタリ。思いもよらぬ不調で、行楽どころじゃないといったつらい思いをした人もいるだろう。
東京脳神経センター・松井孝嘉理事長が言う。
「ハンドルを長時間握っていると、腕だけでなく首から肩にかけて、筋肉が凝る。この凝りが、さまざまな不調を引き起こすのです」
たまに運転すると、目は疲れるし、肩も凝る。長時間運転で帰省なんてしようものなら、疲労から食欲がダウンし、すぐ休みたいのに、気が張って寝つけない……。事故の重大な原因にもなる。そんな不調の数々の原因が凝りとは、一体、どういうことなのか？
「首の奥には、自律神経が通っています。自律神経の働きは、食事の消化・吸収や気分の安定、心拍や体温の調節、発汗、呼吸、睡眠、性欲など幅広い。肩から首にかけての筋肉が凝ると、自律神経が圧迫されるため、これらの働きに関係した不調が生じるのです。私のクリニックには、営業マンや運転手など、仕事で長時間の運転を余儀なくされている方がたくさんいらっしゃいます」（松井理事長）
長時間座りっぱなしだと、腰が痛くなるし、背中も張ってくる。そんなときに後部座席の子供に「ねぇ、お父さん」と呼びかけられ、振り向いた拍子に、ギックリ腰になった。子供やカミさんに笑われても、本人は笑えない。吐き気やめまい、ふらつきも、よくある症状だという。
ところが、ほとんどの人はそれらの症状が別々だと思い込んで、対応を誤る。吐き気には胃薬を飲んだり、眠れなければ寝酒を引っ掛けたりするだろう。
そうではなく、主に首凝りによる自律神経の圧迫が原因だから、首が凝らないようにすることが重要だ。
「両手でおでこを押し、頭は手を押し返そうとすると、首の体操に効果的です。おでこのほか、両耳の上や後頭部でもやると、首回りの筋肉をまんべんなく刺激することができる。赤信号で止まったり、インターチェンジで休憩したりしたときに、それぞれ１回１０秒ずつやるとよいでしょう」（松井理事長）
ピーター・アーツらが所属するドージョー・チャクリキ・ジャパン古河の相澤宏使師範は、トレーニング理論に詳しく、車の天井を使った方法を勧める。
「両手で車の天井を触りながら、後ろに引いて、〈もう限界〉というポイントでストップします。そこで、肩甲骨を刺激するイメージで、肩がじんわりするまで、天井を押しましょう。首から肩にかけての僧帽筋がほぐれます」
厄介な“ロングドライブ病”は、この２つでオサラバだ。
http://gendai.net/news/view/109618
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