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生化学分野に精通し、サイエンス・コミュニケーターとしても活動するほか、教育機関で教鞭も執っているへるどくたークラレ氏が、薬局で買える医薬品や健康・栄養食品を分析! 配合成分に照らし合わせて、大げさに喧伝されている薬や、本当に使えるものをピックアップする。
普段何気なく使っているものが、慢性的な不満、体質だとあきらめていた症状の原因であったとしたら? シャンプーはそういったトラブルの原因になることが多い商品です。実際に皮膚科の専門医に聞いても、頭皮のトラブルの多くはシャンプーや整髪料による過敏症や炎症によるものが多いそうです。
今まで使っていたものが急に肌に合わなくなることもあり(慢性的な刺激によるアレルギー化であったり、紫外線刺激の複合作用であったり、老化に伴う免疫力の低下など、理由は様々)、毎日使ってきて問題なかったからと考えず、きちんと見直す必要があるわけです。
毎日使うものだからこそ、「シャンプーというのはなんぞや」というところを、今一度、頭髪の維持のためにも見直してみてはいかがでしょうか?
●シャンプーの成分は大きく分けると3種類
・高級アルコール系
500ml入りで300円程度のものから1000円程度のものまで、薬局でも最も多く安く売られているシャンプーの大半が、この高級アルコール系といわれるものです。高級アルコールと言うとよく分からないのですが、食器用洗剤の親戚のようなもので、泡立ちと洗浄力が非常に高く、皮脂分泌の盛んな若い子であれば、通常は肌トラブルを起こすことはありません。とはいえ、乾燥肌だととたんに皮脂不足や、肌荒れの原因になることもあり、加えて下水処理での分解性が非常に悪く、なにかと悪者にされている成分です。
成分欄を見ると、ラウリル硫酸なんとかやラウレス硫酸なんとか、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸なんとかかんとかという成分表示になるのですが、あまりに種類が多いので一概には言えません。とはいえ、わざわざパッケージにセッケン系やアミノ酸系と書かれていなければ、まずこの高級アルコール系だと思って間違いはないでしょう。
気になる場合は、ボトルなどに記載されている成分名を検索してみると、どういった種類なのかが分かります。
ただし、検索時に注意をしたいのが、この高級アルコール系洗浄成分を「経皮毒」と呼び、悪魔の成分のごとき大バッシングをネット上で演じているオカルトめいた人たちの存在です。彼らは、マウスやラットの実験で、信じられない量を服用させたり塗ったりして、わずかに見られた毒性のデータを、鬼の首を取ったかのように大騒ぎするエセ科学みたいなもの。その上、通常のアミノ酸系やセッケン系シャンプーを「当社の特別な云々……」とスペシャルぼったくりプライスで売りつけるマルチ商法につながっていたりして、マッドサイエンティストをやってる自分でさえ、閉口ものの暗愚魯鈍どもなので、信じてはいけません。見てはいけません。目が腐ります。
高級アルコール系シャンプーの洗浄力に関しては、食器洗い洗剤の親戚みたいなものですから万能です。皮脂の多い人にはとりわけ良くも悪くもないといえますが、皮膚の弱い人、25歳お肌の曲がり角を過ぎたあたりの女性は、後ほど紹介する商品を試してみてもよいかと思います。
また個人的に気をつけたいのが、高級アルコールシャンプーの中でも「弱酸性」と銘打たれたもの。
そもそも酸性の洗浄成分は逆性セッケンと言い、殺菌剤として病院のサニタリー消毒などに使われているもの。肌に対して強力にダメージを与えます。弱酸性のものはそこまでではないものの、肌の常在菌に対して強力な殺菌作用を及ぼす可能性があり、その場合、皮脂を正常に分解する常在菌不在が起こり、結果的に肌荒れが進行します。
やはり弱酸性シャンプーは、“弱”と銘打たれているのでなんだかお肌に良さそうですが、実はその逆で、肌への負担が高いと考える皮膚科医が大半です。その上、肌に優しいといいつつ、何がどう優しいのかはどこにも説明されておらず、電話で問い合わせたところでも、結局意味不明な回答だったりしてコンセプトから矛盾している商品なので、私は評価しません。
特に老人介護センターなどでは、弱酸性シャンプーはもとより弱酸性セッケンはまず使われないことからも、加齢などで免疫力の弱い人ほどよくないようです。(思いっきり弱酸性商品をdisってる気がするので一応フォローしておくと、これはあくまで一般論であり、肌質は人それぞれ、常在菌の種類も違うので、弱酸性系洗浄剤が肌に合う人もいるかもしれませんけどネ)
いずれにせよ、これらのシャンプーは、洗浄成分自体がある程度の殺菌性を持つことが多いので、継ぎ足し利用しても相当無茶なことをしない限り腐敗が起きにくいというメリットもあります。金工や土木作業といった土や油を多く浴び、汗をよくかく、肉体労働などをしている人の場合、この高級アルコール系シャンプーが、洗浄力という点では最も強く唯一の選択肢にもなるので、一概に悪者にするのもどうか、というところです。
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http://biz-journal.jp/2013/06/post_2363.html
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