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キャンディー好きの米国人は1人当たり年間約11キロを消費。総額は3兆円を超える。語源は、アラビア語で砂糖菓子を意味する「クァンディ」という説がある。(Robert Clark/National Geographic)
砂糖が太るのはカロリー過多ではなく「体力が奪われる」ため
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130802-00010000-nknatiogeo-sctch
ナショナル ジオグラフィック日本版 8月2日(金)15時17分配信
今から7年前のこと。米国南部ミシシッピ州の町、クラークスデールにあるカークパトリック小学校は、コーラやスナック菓子の自動販売機、そして揚げ物を作るフライヤーを一斉に撤去した。校内から運び出された機材は、ほかの不用品と一緒に校舎の裏に積み上げられた。
クラークスデールではこの年、肥満、糖尿病、高血圧、心臓病を抱える住民の割合が全米で群を抜いて高いことが発覚。かつて初期の黒人音楽「デルタ・ブルース」の黄金時代を築いた伝説の地は、米国の健康不安を象徴する町になった。
一部の専門家は、その元凶を砂糖とみている。砂糖はこの町と深い関係がある。住民の祖先の多くは、アフリカから連れてこられ、砂糖生産に従事した黒人奴隷なのだ。
米国は先進工業国のなかで一番の肥満大国。その国で肥満の割合が最も高いのが、このクラークスデールだ。水が入ったコップに砂糖をたっぷり入れても溶けきれず、コップの底に砂糖の結晶がたまるが、この町はまさに底にたまった砂糖だ。
太る原因は「砂糖依存症」?
現在、米国人の食事に含まれる脂肪の量は20年前に比べてずいぶん減ったが、肥満はひどくなる一方だ。その原因は糖、特に果糖にあると専門家は考えている。
果糖とは果物に多く含まれる種類の糖だ。砂糖の主成分、ショ糖はブドウ糖と果糖が半分ずつで構成され、果糖がおいしい甘さをもたらす(清涼飲料水によく使われる高果糖コーンシロップなどの異性化糖は、果糖55%、ブドウ糖45%といった割合で、健康に与える影響はショ糖と同様とみられる)。
米コロラド大学デンバー校の腎臓病学者リチャード・ジョンソンによると、ブドウ糖が全身の細胞で代謝されるのに対し、果糖は主に肝臓で分解される。
消化の速い清涼飲料水やキャンディーなどで大量に果糖を摂取すると、果糖は肝臓で分解されて中性脂肪が生成される。
だが、肝臓に中性脂肪がたまり過ぎると肝機能が低下する。また、血液中の中性脂肪が高い状態が長く続くと、血圧の上昇やインスリンへの反応の低下を招くことがある。すると膵臓は、血糖値を一定に保つため、ますますインスリンを分泌するようになる。
これがメタボリック・シンドロームの始まりだ。ウエスト周りの脂肪や高血圧といった代謝がらみの問題が発生して、放置すると糖尿病を発症し、心臓発作のリスクも増大するおそれがある。
米心臓協会は近年、砂糖はカロリーが高いだけで栄養がないことから、糖類の過剰摂取に警鐘を鳴らしている。だがジョンソンに言わせれば、その理由づけは甘すぎる。
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の内分泌学者ロバート・ラスティグも「カロリーの問題ではありません」と強調する。「大量に摂取すれば、砂糖は毒になるんです」
米国人が太るのは食べてばかりで運動しないからだと言われるが、これは砂糖依存に陥っているせいだとジョンソンは解説する。糖を摂取すると一時的に高揚感が得られるが、実際にはエネルギーが奪われて、ソファから起きられなくなる。
「テレビばかり見ているのは、番組がおもしろいからではなく、運動する体力がないからです。その原因が砂糖のとり過ぎなのです」
(ナショナル ジオグラフィック8月号特集「砂糖の誘惑、その甘くない現実」より)
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