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上がらない日本の長期金利、「不思議の国のアリス」は続くか
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2014-01-13 15:13:54 ひょう吉の疑問
ロイター より
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE97M04820130823?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
上がらない日本の長期金利、「不思議の国のアリス」は続くか
2013年 08月 23日 15:42 JST
[東京 23日 ロイター] - 田巻 一彦
米量的緩和政策の縮小観測や世界的な景気回復への期待感を背景に、米独の長期金利が上昇基調を鮮明にしている。
これに対し、日本の長期金利は0.7%台と超低水準で推移し、米独市場との連動性は完全に遮断されたかたちだ。
直接的には「黒田緩和」の手段として日銀が国債を大量に購入していることが効いているが、
その日銀は2年で2%の物価目標を掲げており、実現性が高まれば、長期金利は上昇を始めるだろう。
「その時」がいつ来るのか──。
どうやらすぐには来そうにないという声が、市場では多くなる気配がある。
<米長期金利に3%突破観測>
22日のNY市場では、量的緩和第3弾(QE3)の縮小が9月から始まるとの思惑とは別に、
利上げの時期がかなり先になるというこれまでの主流的な見方にも疑問符が付き、
5年米国債利回りが1.68%台と2年ぶりの水準に上昇した。
10年米国債利回りも2.89%台で取引を終え、いずれ3%を突破するのではないかとの見方が広がっている。
一方、欧州市場でも10年独連邦債利回りが一時、1.94%台と約1年半ぶりの高水準を記録した。
QE3縮小の思惑やユーロ圏の経済指標好転を材料に、安全資産として買われてきた独国債から資金が流出した。
<日銀の国債大量購入で異次元の債券市場に>
米独の長期金利がはっきりとした上昇傾向を示す中、日本の長期金利は0.7%台という超低水準で安定的に推移し、
世界の金融・資本市場で展開されている金利裁定機能が全く働いていないことを示している。
言い換えれば、マネーの流れが、米欧債券市場と円債市場との間で全く遮断された格好になっているということだ。
円債市場は、グローバルに俯瞰(ふかん)してみれば「異次元の債券市場」になっていると言えるだろう。
その最大の要因は、日銀が2年で2%の物価上昇という目標の達成に向けて、国債を大規模に買い入れていることだ。
長期国債の日銀保有残高が年間50兆円増加するペースで買い入れを進めており、クリーナーが吸引するように市場から国債を買い上げている。
<都銀は4─6月期に国債残高22兆円減>
日銀が23日に発表した6月分の民間金融機関の資産・負債によると、
都市銀行の国債保有残高は今年6月末に85兆8620億円となり、
4月からの3カ月間に22兆0980億円の残高減少となった。
普通なら長期金利が跳ね上がるところだが、日銀が大量に買い入れていることで、
長期金利は4月5日以降の乱高下を経て、足元では1%未満の水準での安定した動きとなっている。
<どこかで来る金利上昇の分水嶺>
ただ、「不思議の国のアリス」のような別世界が、このまま継続するのだろうか。
私は、どこかの時点で大きな分水嶺に到達するだろうと予測する。
なぜなら、大量に国債を購入している日銀自身が、2年で2%の物価上昇を達成するという目標を掲げているからだ。
消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率2%と0.7%台の長期金利は、教科書的には両立しないと思われるからだ。
物価上昇率が1%に接近しそうになった際に、日本の長期金利が上がり出す可能性が考えられる。
また、米独との連動性が遮断されていることで、上がり出したらテンポが急になるリスクもある。
<米国債の購入手控える日本勢>
ところが、足元の市場をみていると、メガバンクの国債売却の勢いはやや一服した感もある。
一つには、米国債の利回り上昇のテンポが国内銀行勢の予想を上回って速いため、米国債の購入を手控えていることがある。
米国債への資金シフトが思うように進まないのであれば、日本国債の売却をどんどん進めても、マネーをシフトさせる場所に困ってしまうということになりかねない。
また、ここにきて日経平均株価の足取りが、5月22日までの上昇基調から横ばい基調に転じていることも影響しているようだ。
日本の場合、期待インフレ率の代表的な指標であるブレークイーブン・インフレーションレート(BEI)が株価に連動しやすい傾向を示し、
株価が上昇しないと物価上昇への期待感が盛り上がらない可能性も出てきているためだ。
<市場でささやかれる追加緩和のシナリオ>
市場で密やかにささやかれているのは、あるシナリオだ。
株価が1万4000円台で上値を重くし、年末に1万8000円台まで上がることが難しくなってきた場合、
インフレ期待が盛り上がらず、日本経済の回復への「期待」がしぼむ可能性がある。
「期待」の強まりで前向きの循環を動かしてきたアベノミクスと「黒田緩和」にとって、「期待」の弱まりが明らかになれば、
戦力の逐次投入はしないとして、黒田東彦総裁が封印してきた追加緩和という手段も、選択肢として浮上するのではないか、
という思惑が一部の市場関係者の間で浮上している。
追加緩和があるような経済情勢なら、金利はしばらく上がらないだろう──。
そうした見方をする参加者が、少なからず金融機関の中にいるなら、
「不思議の国のアリス」という現象が、予想外に長続きする展開もゼロではない。
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【私のコメント】
金利の高さとは投資資産のリスクの高さでもある。
日本はこの金利が異常に低く0.7%である。
ではそれほど日本の資産が安全かと言えば、1000兆円もの負債を抱える日本政府の国債が0.7%の金利ですむかという疑問がある。
異常に低すぎるのである。
『異次元の金融緩和』の本当の意味はこのことではないかと思える。
日本では株価暴落の前に国債暴落が始まる可能性が高い。
国債の多くは銀行が持っている。
だから国債が暴落すれば、銀行の資産が暴落する。
とすると銀行は企業への貸し出しを行うことができないばかりか、今まで貸し付けていた資金の貸しはがしを行わなければならなくなる。
そうなると資金繰りに困った企業が倒産に追い込まれることになる。
企業の倒産が続けば、株価は低迷し暴落する。
そういう事態を防ぐために、日銀は金利を低く抑えているが、そのために行っていることが、政府が発行する国債を日銀が購入し続けることである。
こうやって日銀が国債を買い続けることにより、国債価格の暴落を防ぎ、金利の上昇をくい止めている。
このような経済ルールを無視した人為的な政策が一体いつまで維持できるのか。
上の記事は5ヶ月前の記事であるが、ことが異常になるにつれて、それを危ぶむ声は逆に聞かれなくなりつつある。
しかし声は聞かれなくとも、今の日本の金融政策が異常であることに変わりはない。
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