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1本200ml入りの500円ペットボトル本格高級茶が売り切れ続出
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140113-00000000-pseven-bus_all
週刊ポスト 2014年1月17 日号
いまや最もポピュラーなペットボトル入り飲料ともいえるお茶。大手メーカーが続々と新製品を投入するこの激戦区で、売り切れ続出の商品がある。
価格は200ml入りでなんと1本500円のジャテックス社の『遥香(はるか)』。キャップをひと捻りすることで香り高い本格的なお茶が飲めるのがウリだ。この仕組みを考えだしたのは、名古屋のメーカー、株式会社ジャテックスである。だが、その開発と販売の道のりは決して“ひと捻り”というわけではなかった。
まるで高級化粧品のようなボトル。キャップを捻るとキャップ内に密封された粉末状の茶が中の水に降り注ぐ。あとはボトルをよく振れば、まるで淹(い)れ立てのような豊かな風味の高級茶・遥香の完成だ。
「茶葉にはカテキンやビタミンC・Eなど、豊富な栄養素が含まれています。粉末にして水に溶かして飲めば、茶殻に残ってしまう栄養素まで無駄なく取り込むことができます」
そう教えてくれたのは、『遥香』を支える画期的なキャップの仕組みを開発した、生産グループ課長の寄田(よりた)勝彦だ。
寄田が勤務するジャテックスは、名古屋にある従業員20人の会社。社長は稀代のアイデアマンとして知られ、これまで家庭用の臼式お茶粉末器や電気式香炉などを開発、ヒットさせてきた人物である。
ある日、寄田はその社長から1枚のメモを手渡された。そこには、ペットボトルのキャップから粉末状のお茶がふき出したイラストが描かれていた。社長のメッセージはこうだ。
「世の中の人が健康になるよう、手軽に楽しめる緑茶飲料を考えたい。そのために、キャップに茶の粉末を入れる仕組みを考えろ!」
泡を喰ったのは寄田である。そもそも自分は一介の営業マンであり、これまで開発の仕事とは無縁なのだ。いったいどうすれば……。
そんなときに立ち寄った近所のホームセンターで、寄田はある物に目がくぎ付けになった。それは灰皿だ。真ん中に突起があって、そこを押すと灰受けの部分が回転して載っている吸い殻や灰が遠心力で飛ばされて下に落ちる、「回転式灰皿」などと呼ばれるものだ。寄田は閃いた。
「回転させて、落とす──これだ!」
すぐさま図面の制作に取りかかった。キャップを捻ると、キャップ内部の突起が、お茶の粉末を収納している容器の底を突き破って、粉末茶をペットボトルの中の水に振り落とす──。
寄田が考え出したこのアイデアは、同社初のペットボトル緑茶飲料『本茶』(330ml入り200円)に採用され、後に「フレシエ(FRESH!e)・キャップシステム」と名付けられた。
保存料・香料不使用の『本茶』の味には自信があった。だが、大手メーカーがひしめく緑茶市場で大きなシェアを獲得することはできなかった。
「悔しかったですよ。でも、キャップの開発にこんなに苦労したのだから、決して諦めたくなかった」
社長も同じ思いだった。自らの指示を必死の思いで実現させた寄田の画期的なアイデアを、このまま埋もれさせてしまうのは、あまりにも忍びない……。
同社が出した答えは、「高級化」だった。一般のペットボトル飲料とは一線を画した高品質でデザインコンシャスなボトルを使用。キャップには、八女(やめ)・星野村伝統の本玉露(ぎょくろ)製法で作られた玉露や抹茶の粉末を密封する。それを可能にしているのは、寄田が開発した「フレシエ・キャップシステム」である。
2013年4月、高級化路線第一弾の『遥香 抹茶』が、新装した東京・歌舞伎座で限定販売された。1本500円という価格にもかかわらず、連日完売を記録。続いて販売された老舗百貨店でも完売が続いた。
10月には第二弾『遥香 玉露』も発売され、こちらも好調に売り上げを伸ばし、半年間で計6万本のヒット商品となったのである。この冬は、お歳暮ギフトとしてもひっぱりだこだった。
(文中敬称略)
■取材・構成/中沢雄二
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