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高齢者が個人消費の主力という不健全 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/news/147168
2014年1月10日 日刊ゲンダイ
雇用の安定がない現役世代
個人消費の高齢者頼みが鮮明になっているようだ。政府の家計調査によると、年間280兆円規模の個人消費のうち、60歳以上の世帯が占める割合は46.6%。個人消費のほぼ半分は高齢者という姿である。
数年前から「団塊の世代」が60歳を越えてきた。高度成長期に日本経済に参入し、追い風の中で高齢期を迎えた世代だ。
蓄えがある上に年金の受給も始まれば、買いたい物を買える。総人口が減り続けている中、頭数の多い世代がウエートを占めることも不思議ではない。
問題は、それより若い世代である。高齢者が主力になっている要因は、頭数だけではないだろう。リタイアした世代に比べて、現役世代の暮らしぶりは厳しい。小泉竹中構造改革によって、労働規制を次々と取り払い、なんでもかんでも合法化していった結果、ワーキングプアがあふれるようになった。期間雇用でも非正規労働でもいいから、とにかく仕事にありつきたい。そんな考えを強いられる人たちが市場にあふれている。30代後半までの社会人は、悪政の犠牲になってきたのだ。
安倍首相は、企業経営者に賃金アップを要請している。
経済3団体の新年祝賀パーティーでも、「賃上げをお願いしたい」と挨拶した。これに応じた企業もあるにはあるが、“そこそこ”というレベルだ。本腰を入れて賃上げに乗り出しているわけではない。
いくら首相が旗を振っても、中小以下の企業や地場の零細企業には余力がない。異次元の緩和による円安で輸入原材料は高騰し、コストは上昇している。むしろ賃下げしたいぐらいの状態だろう。
大企業も、儲かっているのは海外だけ。日本には向こうで稼いだカネが送られてきている。本来なら、利益を出している現地従業員の給与や株主への配当に回されるべきカネだ。国内で働く人たちの賃上げ原資とするのは筋が違う。
アベノミクスで景気は上向いたというが、非正規雇用は1964万人となり、政権発足した1年前に比べて111万人も増えている。正規雇用は逆に26万人減少した。状況は改善されていない。構造改革の弊害は今も続いている。
必要なのは、若者に雇用の安定を与え、世代間格差をなくすこと。現役でバリバリ働いている人たちが消費でも主力となる。それがあるべき経済の姿なのだ。
【高橋乗宣】
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