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米雇用統計と労働の質
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52537810.html
2014年01月10日 在野のアナリスト
川崎の逃走事件で、容疑者が「強姦をやっていないから逃げた」と述べていますが、これは誤りです。強姦罪は、現場にいただけで罪になります。行為そのものではないのです。少なくとも、そんな理由だったら弁護士と話してから逃げるべきだったのでしょう。逃走そのものは罪に問えない、と警察も考えているようですが、心証の悪化による重罰は免れなくなったのですから。
米12月雇用統計、非農業部門の雇用者数が、7万人台にとどまりました。20万人予想でしたので、大幅に低い数字です。為替市場が動揺していますが、FRBの動きを含めて読みにくくなりました。これは12月の米小売売上高が2.7%増と極めて低く、さらに店舗での売上げが14%以上のマイナス、ということも影響するのでしょう。天候不順もありましたが、店舗で売れないので人を雇う必要がない。雇用にも当然マイナスです。米政府がFRBに緩和させないため、雇用統計を低く見積もった、という邪推すら喚起してしまいそうな、そんな数字となっています。
欧州でも、失業率は12%以上と、高止まりが続きます。しかも先進国で起きている問題は、労働の質の悪化です。技能をもつ人でも職に就けず、より厳しい環境におかれる。日本は駆け込み需要をさばくため、一時的に労働市場が改善していますが、世界全体では失業率の高止まりのため、賃金をあげなくても優秀な人材が確保できる、雇用側が有利の状況が起きているのです。
中所得の罠、という言葉があります。新興国で、高付加価値の職種へと移れず、いつまでも付加価値のない軽作業へと従事し、成長が止まってしまう現象です。しかしこれは止むを得ない面があり、今の労働者層は教育水準が低い時代に育っており、研究開発などの高付加価値のつく職種にはつけない。また先進国でも労働の質が低下している昨今、新興国に高付加価値の労働を移す、という動きにもなり難い。総じてまだ先進国の方が、教育水準も高いためです。
キャノンが国内生産の比率を42%から50%に引き上げます。こうした動きが広がり、国内の労働市場が活況になれば良いのですが、今はまだ海外に生産拠点を移した企業の減価償却も終わっておらず、こうした動きは少数です。今はまだ、国外の価格を据え置いていたから、これから円安効果で価格を引き下げ、数量効果がでる、という人もいます。しかし米家電メーカーが10万円で4Kテレビを発表するなど、円安分の値下げをしても、価格競争力があるかはまったく不明です。
世界で起きている労働の質の低下、停滞。この流れがいずれ消費にも、大きな影響を及ぼしてくるでしょう。日本は賃上げ、賃上げと政府が煽りますが、そんなことをしている国は世界で日本だけ、ということを忘れてはいけません。日本は世界の将来を先どりして、少子高齢化、デフレという時代をすごしましたが、その結果、国家主義による政治が賃上げを要請、などという時代に世界がなるのか? 経済環境と賃金には今後も目が放せないことは間違いないのでしょうね。
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