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中国「影の銀行」包括規制
ネット仲介にも網 金融システム危機を抑止
【上海=土居倫之】中国政府は規制が十分に行き届かないまま急拡大を続ける「影の銀行」(シャドーバンキング)の包括規制に乗り出す。実態の見えづらい資金融通が金融システム危機を引き起こしかねないと判断。銀行やノンバンクへの規制を強化するほか、監督・規制の枠組みが全くなかったインターネット金融仲介会社などにも監視の網を広げる。今後は監督・規制の具体策づくりを急ぐが、実効性には課題も残っている。
影の銀行の包括規制は、国務院(政府)がこのほど金融監督当局などの政府機関や地方政府に出した通知で明らかになった。具体的なスケジュールは明記していないが、早期に具体策を詰めて実行するとみられる。
通知はまず、影の銀行を(1)金融免許を持たないネット金融仲介会社や「理財商品」の販売会社など(2)金融免許を持たないノンバンクや信用保証会社など(3)金融免許を持つファンドや理財商品業務などを営む金融機関――の3分類に定義。ネット仲介会社や理財商品の販売会社に対する監督・規制の枠組みはこれまで全くなかったと認めた。
今後は国務院が主導し、ノンバンクやネット金融仲介会社なども含む包括的な監督体制を整備する。銀行やファンドに対しては従来規制を強化。銀行には理財商品の専任管理部門を置き、通常の資産と分けて管理することを求める。ノンバンクや信用保証会社は中央政府が全国統一の規制制度を確立し、地方政府が管理監督する。
規制の網からもれていた理財商品の販売会社やネット仲介会社は、中国人民銀行(中央銀行)が関係部門と協議し、規制制度や監督機関の枠組みをつくるとしている。
統計も整備する。現在金融当局が公表している統計は銀行の理財商品残高、信託融資残高、債券発行額などに限られ、金融当局も全容を把握できていなかった。影の銀行は人民銀の想定を超えるカネ余りの原因にもなっており、統計整備によって金融政策の実効性を回復させる狙いがある。
社会不安の火種 警戒 地方が監督、実効性に疑問
【上海=土居倫之】中国が影の銀行の包括規制に乗り出したのは、高利回りをうたって集めた資金が不動産開発などに流れ込む現状を放置すれば、銀行の取り付け騒ぎといった社会不安にもつながりかねないとの危機感がある。
「影の銀行は複雑で実態が見えづらく、容易に金融システム危機を誘発する」。国務院が今回の通知で明確に認めたように、影の銀行の問題は規制があいまいなまま急拡大を続けている現状にある。
金融当局によると、影の銀行の主要な資金ルートになっている「理財商品」のうち銀行の販売分だけで2013年6月の残高は9兆元(約150兆円)に達し、12年9月に比べ35%増えた。
理財商品の販売時には、投資先の事業や元本保証がない点などについて十分な説明がないことも多く、投資先が破綻した場合に誰が損失を負担するのかが明確になっていない場合もある。
影の銀行を通じて資金を調達する事業会社などが、信用保証や担保提供などを通じてお互いに複雑に絡み合っていることもあり、どこかで破綻が起きると連鎖的に危機が波及していくことにもなりかねない。
中国政府は影の銀行への規制を本格化するが、実効性には疑問も残る。中でもノンバンクや信用保証会社の規制は中央政府が全国統一の枠組みをつくるものの、実際の監督責任は地方政府が負うことになった。地元のインフラ整備の資金を集めるために地方政府が監督対象となるはずのノンバンクなどと癒着する可能性もある。地方には金融の専門家が少ないことも足かせになりそうだ。
中国の「影の銀行」
金融当局の厳しい規制下にある銀行の預貸業務を介さず、資金を融通する金融取引の総称。金融当局の直接の監視・監督の外にあるため、資金の流れが見えにくい。中国では高利回りの投資商品である「理財商品」を通じた資金調達や、企業が直接資金を貸し借りする委託融資などが代表的な存在となっている。
こうしたルートを通じて地方政府や不動産企業などに資金が流れている。預貸金利を規制している中国では、1年物定期預金の基準金利は3%に抑えられており、高利回りの金融商品に対する国民のニーズは強い。
[日経新聞1月10日朝刊P.7]
シャドーバンキングの管理強化、債務リスクを効果的に抑制
2014年01月07日16:43
複数の市場関係者は6日、監督管理層がシャドーバンキング(シャドーバンキング)に対する監督管理を強化していると表明した。シャドーバンキングの概念を定め、シャドーバンキングの監督管理責任の分担を明確にし、監督管理制度を改善する文書がこのほど発表された。監督管理層によるシャドーバンキングへの監督管理の強化は、経済全体の債務リスクの抑制を促し、機関のデレバレッジを促すことになる。中国証券報が伝えた。
◆概念と監督管理責任を明確に
市場関係者によると、監督管理層は中国のシャドーバンキングを、主に次の三つに分類した。(1)金融許可証を持たず、監督管理をまったく受けていない金融仲介機関。新型のネット金融企業、第3者資産管理機関など。(2)金融許可証を持たず、監督管理が不足している金融仲介機関。金融保証会社、小額ローン会社など。(3)機関が金融許可証を持つが、監督管理が不足している事業、もしくは監督管理を回避している事業。マネー・マーケット・ファンド、資産証券化、一部の資産管理事業など。
また金融機関に許可を与えた部門が、そのリスク管理の責任を負うという原則に基づき、各種のシャドーバンキングの主体に対する監督管理責任を徹底していく。そのうち第3者資産管理・非金融機関の資産証券化およびネット金融活動などについては、中央銀行が関連部門と共同で方法を検討・制定する。
シャドーバンキングの監督管理の強化には、情報の統計と共有の強化が求められる。中央銀行は基礎的な統計の枠組みとマニュアルを早急に作成する必要がある。関連業界の窓口となる部門は、統計の枠組みと関連会計制度に基づき、業界の特徴と結びつけ、統一的な統計項目と監督管理体制を制定し、全国的な業界情報統計システムを構築しなくてはならない。中央銀行は各種の社会資金調達活動の統計を担当し、シャドーバンキングに特化した統計を作成し、まとめた情報を国務院に対して定期報告し、各地区の窓口となる部門の統計状況を伝える。
業界関係者は、関連部門・委員会が監督管理の細則を相次いで発表すると予想している。
◆機関のデレバレッジを促す
国泰君安証券の固定収益部の担当者である周文淵氏は、「シャドーバンキングの監督管理の強化により、金融資産の負債構造が透明化する。これは経済全体の債務リスクの抑制にとって有利だ。シャドーバンキングの発展を規範化することで、金融機関のリスク選好を改善し、金融機関のデレバレッジを促し、資金に対する需要を減らし、資金調達コストをゆるやかな減少に導くことができる。また監督管理の強化は、シャドーバンキングの規範的な発展にとっても有利だ。シャドーバンキングの資本管理を強化し、その健全で秩序ある発展を促す。特に資産管理や信託などの機関の位置付けがより明確になる」と指摘した。
中国社会科学院金融重点実験室主任の劉U輝氏は、「監督管理の強化は、資金調達者の拡張をさらに制限する。将来的に、社会の資金調達規模の増加率が低下し、これに伴い固定資産投資も減少するだろう。債務再編などが実施されなければ、一部では資金チェーンの断裂、および信用リスクが発生する可能性がある。しかしその一方で、経済成長率は7%以上を維持しなければならず、資金の確かな需要が存在する。資金調達者が縮小する中、資金の需要が存在するため、金利上昇の圧力が生じることになる」と予想した。
これとは対照的に、「信託やその他のシャドーバンキングへの監督管理の強化は、市場の金利を引き下げ、株式市場と債券市場に利益を与える」と予想する専門家もいる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月7日
http://j.people.com.cn/94476/8505969.html
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