http://www.asyura2.com/13/hasan84/msg/834.html
Tweet |
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140109/dms1401090727003-n1.htm
2014.01.09
2014年最初のリポートは、米国経済の危機について書きたい。
米国では、オバマ政権のバブル経済が限度ぎりぎりの状態になっている。大きな政治変動があれば、ウォール街の株価や住宅の値上がりが頓挫し、回復中の景気が大きな打撃を受ける恐れがある。
「米国人の多くは、金融緩和政策が当分続き、金利が上がっても、資産価値を大きく落とさないかたちで、処理できると思っている。だが、先行きはそれほど楽観できるものではない」
米国の評論家で、政治に最も詳しい私の知り合いは、こう述べている。
ウォール街の株価が昨年、何十年ぶりかで上がり続けたのは、多くの米国人が「株価の暴落はない」と考えたからだろう。だが、楽観的になれず、“オバマバブル”が崩壊するときの保険として、金を買い続けている人も大勢いる。金の価格が、専門家の予測に反して暴落しなかったのは、そのためだ。
「金相場は昨年、30%近く下がったが、大暴落はしなかった。オバマ経済の将来を不安に思っている人がたくさんいるからだ」。ウォール街の専門家もこう言っている。
私は、今の米国の景気は財政政策の成功と政治に基づくもので、経済の実体を反映したものではないと思っている。
「オバマ大統領は、12兆ドルの借金を作りながら、経済構造を変えることができなかった。日本の安倍晋三政権を笑うことはできない」
私が顧問をしている全米商工会議所のトム・ドナヒュー会長はこう言っている。
経済改革が行われないまま政治的に回復している米経済は、政治の変動という衝撃を受ければ一挙に崩れる危険がある。その変動とは、11月に行われる中間選挙だ。オバマ大統領の与党・民主党が大敗し、財政赤字やインフレを恐れる共和党が勝つことである。
今の状況からすると、民主党は上院選挙でノースダコタ、ミシガン、ルイジアナ、アーカンソー、ノースカロライナの5州で負けることが確実だろう。ニューハンプシャーも「民主党の現職が危ない」と言われている。このため、「民主党は上院100議席の過半数を割り込む」と予想されている。下院は共和党が現状、つまり過半数を維持するとみられる。
中間選挙で、共和党が上下両院で多数を占めると、どうなるのか。米議会は緊縮財政に向かって動き出し、医療費や社会保障費などの増額を狙っているオバマ政権と鋭く対立する。
今年は、米財政の総本山、連邦準備制度理事会(FRB)の12人の理事のうち10人が新しく選ばれるが、共和党を主力とする新しい議会は、金融緩和を支持する理事を承認しないと思われる。米経済は、政治の変動という新たな危機に直面することになる。
■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。