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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu303.html
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アベノミクスによる円安でキヤノンやダイキンなどの国内回帰が加速している。
神戸製鋼所社長も鉄鋼連盟の賀詞交歓会で「100―105円が心地よいレベル。
2014年1月8日 水曜日
◆【今日の言葉】トップ企業の国内回帰 1月8日 財経新聞
http://www.zaikei.co.jp/article/20140108/171515.html
『トップ企業の国内回帰』=キヤノンが国内の生産比率を現行の42%から50%へ引上げ、『国内回帰』と報道された。ここ数年は、日本企業の海外での生産強化の流れとなっていただけに、日本を代表する企業のキヤノンが国内回帰ということは、日本全体にとっても大きい転換点として注目される。
今朝のキヤノン株価は35円高と買われている。日本回帰を決めた背景には、『今後も円安傾向が続く』ということのようだ。アベノミクスの超金融緩和政策で海外との金利差から円安が続くということだろう。しかし、デフレが終息すれば、再び、円高となって生産の海外移転ということも予想されるのではなかろうか。円高でも国内生産がやれるように労使一体となって、今のうちに頑張るところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
◆ダイキン、国内に生産回帰−家庭用エアコン年25万台分を中国から滋賀に移管 2013年10月24日 朝日新聞
http://www.asahi.com/tech_science/nikkanko/NKK201310240016.html
ダイキン工業は中国・珠海格力電器(広東省珠海市)に委託している日本国内向け家庭用エアコンの一部生産を滋賀県の自社工場に戻す。現在はボリュームゾーン(普及価格帯)機種について年間80万台規模で委託している。このうち同25万台分を2014年1月から滋賀製作所(滋賀県草津市)に移管する。12年末から為替が円安傾向にあることや、中国からの輸送日数などの現状を踏まえ、生産の国内回帰を決めた。サプライヤーを含めて生産体制を見直し、商品の価格競争力などを維持する方針だ。
ダイキン工業の日本向け家庭用エアコンの13年度生産計画は滋賀製作所が88万台、格力電器への委託分が80万台。中・高価格帯機種は滋賀製作所で、普及価格帯機種は格力電器でそれぞれ生産することですみ分けている。円安傾向を受けて輸入部品が割高になったことから国内部品の調達を拡大するなど対策を進めてきたが、コスト競争力を考慮して普及価格帯機種の国内生産回帰にまで踏み込むことにした。
滋賀製作所は家庭用エアコンのマザー工場だが、中・高価格帯機種だけの生産ではコスト削減に限界があるといった事情もある。さらに、12年4月には中国江蘇省蘇州市で住宅用・店舗用エアコンの新工場が稼働。コスト競争力の高い家庭用エアコンの生産も始めているため、格力への委託の必要性も薄れている。
ダイキンと格力電器は08年に提携し、ダイキンがインバーター技術を供与する一方、格力の大規模な生産力を生かして低価格な日本市場向けの家庭用エアコンの生産委託を始めた。基幹部品や金型を生産する合弁会社の設立でコスト競争力を高めたほか、ダイキンが得意とするインバーター技術を中国で普及させるなどの成果をあげている。
日本電機工業会(JEMA)によると、13年度上期(4―9月)の家庭用エアコンの国内出荷台数は578万8000台(前年同期比3・8%増)と数量ベースで過去最高を更新した。
パナソニックも家庭用エアコンを含めた白物家電で国内生産回帰に向けた検討に着手済みで、各製品の上位機種で生産ラインを設けるスペースを確保した。対ドルでの国内回帰の目安は1ドル=105―107円を想定。三菱電機は一部をタイで担っていた日本向け家庭用エアコンの生産を08年に国内での全量生産に切り替えている。
◆企業トップ、110円超の円安に悪影響懸念の声 輸入コスト増加 1月7日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPL3N0KH2C620140107
[東京 7日 ロイター] - 米国の景気回復期待を背景に、2013年末に一時105円台を付けたドル/円 相場。2014年もドル高/円安基調が続くとの見方が強い。ただ、企業トップからは、エネルギーなど輸入コスト高といった負の面を意識し、110円を超えるドル高/円安には懸念を示す声も出始めた。円安依存の景気回復に持続性は期待できないこともあり、2014年は円安の水準やスピードも注目されることになりそうだ。
神戸製鋼所 の川崎博也社長も鉄鋼連盟の賀詞交歓会で「100―105円が心地よいレベル。110円だと我々はきつい」と述べ、110円超の円安に警戒感を示した。
LIXILグループ の藤森義明社長兼CEOは「為替水準は100―110円で安定することが一番好ましい。120円になると、80―90円の時代に海外に進出したことで得たコスト(減の)メリットが薄れてしまう」と述べ、安定を求めた。
(私のコメント)
アベノミクスによる円安で製造業の国内回帰の動きが出てきました。家電製品などを中国やアジアで生産していたものが、円安により国内で生産したほうがコストや安くなってきたからです。パソコンなどの国内回帰は以前から始まっていましたが、多様な国内需要に対応するには国内生産でないと対応が難しいからです。
円安は輸出産業にとってはボーナスのようなものであり、自動車産業でも1年前なら1台2万ドルで売っていた車は160万円の手取りになりますが、今では210万円の手取りになります。つまり自動車メーカーは1台売るたびごとに50万円の増加した利益が入る訳で笑いが止まらないでしょう。
家電メーカーは中国やアジアに生産拠点を移していましたが、海外工場で生産したものを輸入するよりも国内工場で生産したほうが採算に合うようになってきた。大手の製造メーカーでは国内にも海外にも工場があるから、円高なら海外で生産して円安なら国内で生産するような体制が取れている。
問題は中小企業であり、国内工場を閉鎖して中国などに工場を移してしまった所は円安でコスト上昇で割に合わなくなってきている。しかし国内に回帰するにしても費用が掛かるし中国では工場閉鎖も規制があって簡単にはできない。日本が円高から円安に転換する兆しは3・11福島原発災害の頃から予想された事であり、天然ガスの輸入増大で経常赤字が定着するだろうと予想が出来た。
さらにはアベノミクスによる大規模な金融緩和で円安が一気に加速しましたが、20年余りも日本政府はそのような政策を取る事が出来なかった。日銀が金融緩和に反対してきたからであり、株式相場や為替相場を見れば日銀が金融を引き締めている事は想像できた。アメリカはドル札をどんどん刷って世界にばら撒いてきたのだから、その逃避先に日本の円が買われてきた。
今は状況は反転してアメリカは金融引き締めに転換して、日本は大規模な金融緩和を当分続けるから円安はしばらく続くだろう。日本の経常赤字が続く事と金融緩和が続くことで再び円高に戻る事はしばらくは無いだろう。キヤノンやダイキンなどは中国で生産したものを日本に輸入していましたが、国内工場を再開して国内回帰の動きが出てきた。
統計数字上は円安でも海外移転の動きが続くのでしょうが、長期化すれば生産の国内回帰は必ず進むはずだ。アメリカですら金融立国主義を捨てて製造業の国内回帰を進めている。日本の経営者はなかなか発想の転換が出来ないから、円高から円安への転換が定着してもなかなか海外移転の方針転換が出来ないでいる。
たとえ中小企業でも、工場全部移転するのではなく何割かは国内に残しておけば方向転換はできますが、全部閉鎖してしまうと人材も散らばってしまって再開が難しい。中国や韓国との外交的な摩擦も長期化して中国移転リスクも大きくなってきた。家電メーカーは製造技術者の整理解雇も進めてきたから、忙しくなったからと言って人材の育成はすぐにはできない。
円安でも海外移転が進む原因は、新興国の経済発展による需要の拡大がありますが、アメリカは金融引き締めに転換したことで新興国からの資金の引き揚げが始まり、新興国ブームも終わるだろう。そうなると新興国の需要を見込んだ海外移転も当てが外れる事になる。結局は国内市場をしっかりと守ってきたメーカーが円安利益を得る事になる。
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