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我田引水/(C)日刊ゲンダイ
竹中平蔵がはじいた「五輪経済効果20兆円」の怪しさ
http://gendai.net/articles/view/news/147065
2014年1月7日 日刊ゲンダイ
2020年の東京五輪の経済波及効果について、またも新しい数字が出た。竹中平蔵慶大教授が所長を務める民間シンクタンク「都市戦略研究所」が6日に発表したもので、その額はナント、19兆4000億円。
東京都は会場の建設費や運営費など、直接的な経済効果を3兆円と見積もっていたが、都市戦略研究所はこれに外国人観光客の増加や鉄道・道路の整備の前倒し、人々の気分が高揚して財布の紐(ひも)が緩むドリーム効果なるものまで加算、約20兆円の経済効果だけでなく、121万人の新たな雇用を生むとはじいた。
五輪の経済効果といえば、日本総研が7兆〜12兆円、第一生命経済研究所は21兆円と計算し、大和証券に至っては、国土強靭(きょうじん)化と合わせると総額150兆円という数字をぶち上げた。
数がデカけりゃいいってもんじゃないだろうに、経済効果に詳しい関西大学大学院教授の宮本勝浩氏(理論経済学)はこう言った。
「北京五輪の経済効果は2兆9500億円、ロンドンは2兆680億円でした。五輪の経済効果は2〜3兆円と考えればいいでしょう。私も150兆円に疑問を感じて調べたところ、細かい計算をした数字ではないことが分かりました。竹中さんのチームは前倒し分としてリニア新幹線や首都高の整備なども入れているのではないか。少しでも五輪に関係するものを含めた結果、数字が膨らんだのでしょう。現時点で一番正確なのは東京都の3兆円だと思います」
もともと必要だったインフラ整備を五輪の経済効果に算入すれば、数字は膨らむ。誇大広告みたいなものだが、この研究所はそうやって、数字を水増しする一方で、リポートの最後にはこんな文言を付け加えている。
〈五輪開催直後には経済の落ち込みが生じることが多い。そうした落ち込みを防止し、日本経済の持続的な成長に向けた新たな需要創出に繋(つな)がるイノベーションを生み出すための規制改革が必要である〉
ここがリポートの主眼、肝なんじゃないか。何しろ、この研究所、都市部の規制緩和で最もトクをする森ビルが金を出しているのだ。怪しい裏側が透けて見えてくるというものだ。
「森ビルを育てた故・森稔氏は小渕政権のときに経済戦略会議の委員となって、露骨に規制緩和を推し進めようとして、周囲が顔をしかめたことがあります。その森ビルの関連団体が森記念財団で、その中に、竹中さんが所長を務める都市戦略研究所がある。今度のリポートは経済効果をあおる一方で規制改革、労働市場政策の必要性を訴えている。その結果、森ビルはトクをするし、竹中さんが会長を務めているパソナもビジネスが拡大する。以前から、学者の顔を利用して、利益誘導をするような竹中氏の言動は問題だと思っていましたが、今度の試算もその延長にあるような気がします」(ジャーナリスト・佐々木実氏)
怪しい思惑がある打ち上げ花火を信じちゃいけない。
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