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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA0603P20140107
2014年 01月 7日 14:28 JST
[北京 7日 ロイター] -中国人民銀行(中央銀行)が経済成長を維持しながら債務の膨張が金融危機を誘発する事態を避けるための微妙な政策のかじ取りを続ける中、昨年12月に続いて今月末にも再び流動性のひっ迫が起こりそうな雲行きだ。
昨年6月と12月に銀行間市場で起きた短期金利の高騰では、警戒水準に達した国内の債務を減らそうという人民銀の決意のほどがうかがえた。だが人民銀としては、貸し出しを締め付け過ぎて経済成長を阻害しないようにする必要もある。
頻発する流動性のひっ迫は、人民銀が今年直面する政策運営のジレンマの大きさを浮き彫りにしている。
中国国家情報センター(SIC)のシニアエコノミスト、LiangYoucai氏は「人民銀にとっては金融政策の実行が難しい。今年はやや引き締め気味の政策になるかもしれないが、人民銀としては実体経済への影響にも配慮しなければならない」と指摘した。
中国では四半期末が近づくたびに資金需要が最も強くなる。銀行が預貸率や準備率などの規制基準を達成しようとしたり、満期を迎える金融商品の支払いに応じるためだ。
ただアナリストによると、1月末の場合は春節(旧正月)を控えて企業や預金者の現金需要が高まることから、短期市場では季節的に流動性が引き締まる。銀行が新年になって貸し出しを増やす傾向があることや、今年は1年ぶりに新規株式公開(IPO)が解禁されることも、資金需要を押し上げる可能性がある。
<人民銀の基本姿勢は不変>
人民銀は昨年、短期金利の動きが不安定化した事態をおおむね傍観し、6月には引き締め姿勢を続けて市場の混乱を助長したと非難された。
それ以降はミニブログサイト「微博(ウェイボ)」を通じて短期流動性オペを通知するなど、市場との対話の改善を模索している。
だがアナリストは、人民銀の姿勢が根本的に変わるとはみていない。流動性ひっ迫局面では全面的な危機に陥らないように十分な資金を供給しながらも、短期の資金調達にはコスト面で魅力を低下させるような市場構造の改革に取り組み続けるだろう。
<金利通じた調節への転換>
人民銀は、例えば上海銀行間取引金利(SHIBOR)などの短期金利の目標を設けて銀行の流動性や貸し出しを管理し、預貸率などを通じた従来のコントロール方法への依存を減らそうとしている。
とはいえ、短期市場の混乱はそうした政策の転換はリスクをはらむとともに、時間が必要なことを物語っている。
光大証券のチーフエコノミスト、徐高氏は「貸し出しに対する伝統的なコントロールは効果が薄れつつあるが、金利の波及メカニズムはまだ確立されていない。(貸し出しの)価格(=金利)をコントロールすれば貸出量が思いのままにならず、量を制御すると価格を如何ともしがたくなる」と述べた。
<影の銀行>
中国国務院(内閣に相当)はこのほど、近年債務水準が爆発的に膨れ上がっている「影の銀行(シャドーバンキング)」に対する規制強化の新たな指針を示した。
人民銀は、短期金利が上がれば最終的に銀行がリスクの高い貸し出しを減らすと期待するが、足元では国有企業や地方自治体からの借り入れやその他の資金調達需要は強いままだ。
多くの銀行関係者は、この影の銀行の急成長が昨年6月と12月の短期金利高騰の一因だったとみている。
また中国の銀行は、短期で高利回りの金融商品を販売することで厳しい貸し出し規制の網をくぐり抜けてきたものの、集めた資金は依然として長期の投資プロジェクトに投入しており、これらの金融商品が満期になれば、短期市場での調達を余儀なくされる。
<金利自由化は慎重に>
人民銀は、経済が投資依存から脱却する一助として、市場主導で金利が形成される仕組みを推進している。しかしそうした金利形成の構造的な制約や潜在的なリスクにも目配りが必要になる、というのがアナリストの見方だ。
関係筋によると、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)はこれまで、金利自由化のもたらすリスクへの懸念から、人民銀に比べて自由化のペースに慎重な態度を維持してきた。
人民銀も昨年7月に貸出金利の規制を撤廃したものの、ずっと低く抑えられてきた預金金利の自由化には、より用心深くならざるを得ないとみられている。
預金金利は自由化すればすぐに上昇して借り入れコストを押し上げ、現に通貨高や賃金上昇のために薄い利幅で事業を行う国内製造業が打撃を受けかねない。
興業銀行(上海)のチーフエコノミスト、魯政委氏は「人民銀は適切なタイミングを選ぶ必要がある。預金金利が上昇圧力を受けている局面で自由化するとは思わない」と語った。
アナリストは人民銀が預金金利自由化の布石として、今年の早い時点に懸案の預金保険制度を打ち出す可能性が大きいと予想。預金金利の上限については、一挙にではなく、徐々に撤廃していくとみている。
安信証券のエコノミスト、YouHongye氏は「改革策の姿ははっきりしているが、迅速には行われないだろう。改革の全行程は3年で完了しないかもしれない」と述べた。
(Kevin Yao記者)
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