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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140107/dms1401070720000-n1.htm
2014.01.07 「日本」の解き方
2014年度一般会計予算案は、過去最大の95兆8823億円となった。これに対し、「家計の負担が大きく企業優遇」とか「抜本的な財政再建には遠い」というのがマスコミの論調になっていた。
予算案発表を受けてマスコミが書く記事は、予定原稿であることが多い。あらかじめ記事にできそうなところを役人が解禁日時付きで資料として記者に渡しておく。それに基づいて記者が記事を書いているのだ。
「家計に負担」「企業優遇」というが、消費税を増税して、その分を財政支出すると、結果として、一般家計と企業の双方に支出するわけで、当然のことだ。また財政再建から遠ざかったのも、消費税を増税してそれを使うのだから、当然である。マスコミはこうした当たり前の話ばかりを書いて、少し批判したつもりになっているが、筆者からみれば財務省にとって痛い批判ではない。というのは、「やはり財政再建が必要」という結論だからだ。
もちろん筆者としても財政再建は必要だと考えている。しかし、マスコミの場合、財政再建が必要となると、すぐにそのためには増税と言い出す。これが大間違いなのだ。
これまでのデータでは、1年前の名目成長率がほぼ基礎的財政収支を決める。そうであれば、財政再建のためには経済成長が必要なのだ。しかし、そうしたデータをわからないまま、マスコミは財政再建のために増税すると思い込んでいる。
財政再建のために必要なのは経済成長であって増税ではないと思っている記者は、「財研」(財務省の記者クラブ)にはいられないだろう。というのも、そんなことを主張したら、予算時期には冒頭述べたような解禁日時付きの資料を役人からもらえなくなって記事が書けなくなるのだ。
財政再建のために必要なのは経済成長であって増税でないというのは、小泉政権の時に増税なしでほぼ財政再建したことからもわかるように、財務省にとっては「不都合な真実」だ。
では、なぜ増税を財務省は主張するかといえば、役人の歳出権拡大のためだ。こういう視点でとらえれば、増税して対策をすることは、歳出権拡大の実践であり、財政再建が遠のくのも当たり前だ。
昨年8月の概算要求段階で、事実上シーリングがなく青天井になっていた。これは概算要求としては異例のことだった。青天井になったので、一般会計概算要求額総額は99・3兆円。その後、財務省と各省での予算折衝で政府当初予算案が決まるが、その両者には安定的な経験則がある。2001年度から13年度まで、リーマン・ショックに対応せざるを得なかった09年度を除き、当初予算は概算要求を4%程度カットした水準で決まっている。そして14年度当初予算の95・9兆円も、これまでの経験則通りの数字だ。
要するに、消費税増税が見えているので、青天井で要求させておいて、お決まりの4%カットを行っただけだ。14年度予算案からみても、増税は財政再建ではなく、歳出権拡大の証拠であることがわかる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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