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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140106/plt1401061123000-n1.htm
2014.01.06
1年前の夕刊フジ新春特別号に書いた2013年の経済見通しに関する記事を読み返してみると、「安倍政権の誕生でデフレ脱却が加速」「夏場までに日経平均株価は1万2000〜1万5000円」「為替は1ドル=100円程度」と予測していた。当時、アベノミクスの金融緩和について、財政破綻になるとか、金利が急騰するなどと間違っていた学者や評論家は多かったが、13年7〜8月の株価は1万3600〜1万4800円、為替は1ドル=96〜101円だったので、筆者の予測はほぼ的中したといえるのではないか。
今年もそこまで期待されているとなかなか厳しいが、足元のトレンドと財政政策から定量的に判断するなら、14年度の経済成長率は13年度より鈍化するだろう。マイナス成長になる可能性も、かなり少ないものの排除できない。元凶はもちろん4月から消費税率が8%にアップすることだ。増税とセットで実施予定の経済対策やアベノミクスをもってしても、景気悪化は避けがたい。
実質経済成長率を見てみると、13年度は消費税増税前の駆け込み需要も加わり2・7%程度で着地しそうだが、増税が実施される14年度の成長率をどう見るか。政府は1・0%、日銀は1・5%、民間シンクタンク11社は0〜1・6%とばらついているが平均は0・7%だ。
筆者はマイナス0・1%〜プラス0・9%とみている。金融政策によって実質2%成長は確保されているが、増税前の駆け込み需要の反動減でマイナス0・7%、さらに増税の悪影響がフルに出るとマイナス1・3%程度とみる。
幅をもたせているのは、政府の出方がわからないからだ。今のままの5兆円程度の財政対策なら、0%程度で最悪はマイナスもありえるだろうが、追加財政対策や追加金融緩和があれば、景気の鈍化は和らげられる。
こうした経済状況では、株価は今年前半のような爆発的な上昇はあまり期待できない。夏場までは1万4000〜1万8000円程度だろう。20年の東京五輪開催は面白いテーマだが、14年中に実現する話は少ない。
為替は、米FRB(連邦準備制度理事会)の金融緩和がどこまで続くか次第であるが、14年夏までに1ドル=100〜110円程度ではないか。
消費税率10%への引き上げは15年10月に予定されているので、半年前の15年4月が決断のデッドラインだが、通常国会を考えると、14年末にも判断することがあり得る。14年の景気があまり芳しくないとみられることや、さらに15年9月に自民党総裁選があることを考えると10%への増税はスキップされる可能性もある。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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