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http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304824704579299220519057560.html
2014年 1月 04日 10:48 JST
韓国でウォン高への懸念が強まっている。3日の外国為替市場でウォンは円に対して5年ぶりの高値をつけ、韓国の輸出に影響する兆しも現れている。
アジアの経済大国、日本と韓国の為替相場が特に重要なのは、両国がスマートフォン(スマホ)から自動車まで輸出市場で競争にしのぎを削っているからだ。ウォンは米ドルに対しても、2年ぶりの高値水準にある。だが日本は景気の活性化を図ろうと円安誘導に努めており、ウォンの円に対する上げ幅はさらに大きい。
ウォン高の痛みは株式市場にまで広がり、3日の韓国総合株価指数(KOSPI)は4カ月ぶり安値で引けた。サムスン電子はウォン高が利益を押し下げるとの不安も手伝い、週間で5.5%安に沈んだ。
韓国銀行(中央銀行)の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は3日、金融機関向けの講演で、「われわれは外国資金の流出入に対する監視を強め、必要であれば金融・為替市場の安定化措置を実行する」と述べた。
玄オ錫(ヒョン・オソク)企画財政相も同日、銀行幹部との別の会議で、政府として「市場の流れを監視している」と明らかにしつつ、「市場の動きに一喜一憂すべきでない」と付け加えた。
韓国では企画財政省が為替政策を指示し、中銀が実際の措置を講じる。
両者の発言はウォン相場を押し下げ、一時は1ドル=1057ウォンと前日終値の1050.30ウォンから下落した。
韓国中銀は、相場の乱高下を抑えるため為替市場に定期的に介入している。昨年10月にはウォン高を抑えるため約20億ドルのドル買い介入も実施した。それでも、今回の発言は懸念の強まりを浮き彫りにしている。
乱高下に見舞われた2013年のアジア市場にあって、韓国はほぼ無傷で乗り切った。堅調な貿易収支で投資資金の流入が続き、ウォンは13年通年で世界でも有数の上昇率を記録した。
だが資金流入によって後押しされたウォン高が、ハイテク大手や自動車メーカーの今後の決算に響いてくるかもしれないとの不安は膨らみつつある。サムスン電子が7日発表する10-12月期(第4四半期)決算は、営業減益が見込まれている。製造拠点が国内に集中する部品やディスプレー部門を中心に、ウォン高がコストを押し上げるとみられるためだ。
アナリストの中には、主要競争国である中国の人民元も上昇していることを考えると、ドルと円に対するウォンの急騰はそれほど深刻な影響を出さないと考える向きもある。
HSBCのシニア為替ストラテジスト、ジュー・ワン氏(香港在勤)は、「韓国は輸出競争力という点で日本に負けたかもしれないが、対中貿易黒字にあまり影響は出ていない」と話した。尖閣諸島をめぐる日中の対立にも触れ、「日中関係の最近の悪化で、中国の韓国製品需要は落ちない可能性もある」と述べた。
ただ、ウォン高が近く落ち着く兆しはない。クレディ・アグリコルのアナリストらは、ウォン相場が今年末までに1ドル=1020ウォンと、現在の水準から4%上昇すると見ており、円に対しては円相場への「弱気」を理由にさらに上昇すると予想している。
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