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2014年の自動車業界はどうなる?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140101-00027458-toyo-soci
東洋経済オンライン 1月1日(水)6時0分配信
2013年は自動車業界の復調が鮮明になった年だった。2013年4〜9月期決算は7社のうち6社が大幅な増収増益を達成。為替が円安に推移したことによる増益効果に加え、北米市場が好調だった。ただ中国や新興国での販売が減速するなど、先行きには不安もある。
2014年の自動車業界はどう動くのか。豊田章男・日本自動車工業会会長に話を聞いた。
――2014年はどういう年にしたいか。
確実に一歩進める年にしたい。木はある年に急に成長した場合、非常に弱い。毎年同じ幅の成長をして同じ幅の年輪を刻んでいくことが大事だ。
トヨタ自動車の社長に就任して以降、2013年は自動車業界として初めて平穏無事な1年になった。平穏無事とは、毎日健康で生産と販売ができるということ。そうすると結果がついてくるが、好業績であっても調子に乗らない。多少落ち込んだとしても、卑屈にならない。ぶれない軸を持ち、確実な年輪を重ねて行く。
――業績が好調な自動車業界は、日本経済の牽引役としての期待がかかる。春闘への取り組みは?
国際競争力をつけることが大事だ。日本のメーカーは、日本に生産や開発の拠点を持ち、グローバルで戦っている。日本での競争力を維持しながら、グローバルでの競争力をどう高めていくか。そのことに尽きる。質問に答えていませんね(苦笑)
――2014年の国内販売とグローバルの販売見通しは?
軽自動車、2輪などすべての車が増税になる。ある程度の落ち込み、4月以降の反動減は避けられない。ただ、その大きさがどのくらいかはまだわからない。国内市場の見通しは1月末に発表する。
グローバル市場はまだまだ先行きは見通しが難しい。かつてのように急成長の絵は描きづらい。確実に一つひとつやっていく。
――中国および新興国市場をどう見ているか。
中国は、尖閣問題以降落ち込んだが、やっと戻ってきた段階。日中でそういう問題は時々起こるが、どのメーカーも現地で雇用を確保し、現地のパートナーと一緒に事業を展開している。政治問題にあまり影響を受けないように、影響は受けてもできるだけ軽微であるように関係各位で努力していきたい。
新興国については、これまで非常に台数が伸び、かつての先進国市場のようにモータリゼーションが起こっていた。しかし、モータリゼーションにはよい面と悪い面がある。先進国メーカーの役割として、交通事故や大気汚染などネガティブな側面は最小限にして、快適性などよい面を最大限にしたい。また燃費規制などで複雑になっている。これまでのように台数が伸びていくと楽観はしていない。
――米国市場の位置づけは?
日本メーカーにとって、最も重要で大きな影響があるのは米国市場だ。そこでよき企業市民になろう、雇用や輸出、車の生産・販売でしっかり貢献しようという気持ちでやっている。
グローバル企業として、どこの国の国益をどう考えればいいのかは難しい問題だが、ある意味では簡単だ。進出している国すべてで、よき企業市民として選ばれるように切磋琢磨し努力する。
■ 持続的な成長が重要
――現状の為替水準をどう評価しているか。
まず安定することを希望している。自動車産業の場合、円高だから円安だからと簡単に生産拠点を移転することはできない。
プラザ合意以降、長期的には円高基調で来ているが、ここ数年はあるレンジの中を乱高下してきた。そのレンジの下限を切ったのが近年の超円高だった。今は下限を少し上回った程度。ファンダメンタルズに近い為替レートで推移してほしい。
――競争力とよき企業市民、短期と長期、従業員や取引先と利益など相反する部分をどのように考え、どう優先順位をつけるのか。
(大事なのは)持続的な成長だ。私が何年社長をやるかわからないが、次の社長にバトンタッチしたころに今やっていることの成果が出る。トップに立つ人間は、そういうことを考える必要がある。企業というのも半永久的に生きていくのだから。
従業員にとっては人生を懸けているわけで、何十年かトヨタで過ごせてよかったな、と思える人生が送れることも必要だ。報酬もあるとは思うが、ここで成長できたとか、ここで学べたとか、生涯の友を得たというのも競争力の一つと思っている。
――特に株主市場は短期で評価をする傾向がある。
そういう投資家もいるが、中長期で見る株主もいる。どちらかというと、短期的に見る株主より、中長期的に支えていただく株主に対して、しっかりと説明したい。短期的な投資の銘柄としてトヨタは適さなくても、15年持ったらしっかりリターンがあるようにしていきたい。
(撮影:梅谷秀司)
山田 雄大
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