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中国企業の畜産買収攻勢で波紋 大手商社が警戒、優良物件で争奪戦
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131229-00000000-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2013/12/30 08:15
食肉大手などの中国企業が豚肉・牛肉牧場や加工会社の大型買収に乗り出し、波紋を広げている。経済成長や食生活の変化で国内生産が需要に追いつかないため、先手を打ち出した格好だ。日本の大手商社は「輸入牛肉の買い付けや牧場買収で『買い負ける』例も増えた」と警戒感を強める一方、中国市場の商機を取り込むことで、日本向けの安定供給確保につなげたいとしている。
「異変だ…」。丸紅の関係者が漏らした。同社が1988年に参画した豪州ニューサウスウェールズ州の牛牧場レンジャーズバレー。日本式の高級穀物肥育牛が人気を呼び、今年に入り、中国向け輸出が前年比で3〜4割伸び出したからだ。丸紅は中国向けを増やす一方、拠点増強や米国を中心に新たな畜産生産拠点の検討に入った。
伊藤忠商事は今年1月、カナダの養豚・豚肉の一貫生産会社ハイライフの株式33.4%を約50億円で取得した。狙いは中国市場。共同で安心・安全な豚肉販売を強化しようと意気込む。三菱商事も中国食糧最大手のコフコや伊藤ハム、米久と中国で豚肉の生産事業に参画。2017年までに約1250億円を投じ、食肉や加工食品事業を拡大し、巨大市場を取り込む構えだ。これまで中国は、畜産自給を国策として、飼料向け穀物確保は輸入と海外の農地取得で動いてきた。
だが、穀物輸入が急増する中、飼育に必要な水不足もあり、「海外の牛肉や豚肉農場の買収で安定供給を図る戦略に転換した」(大手商社)。海外に供給先を求めるのは、上海市の川で大量の豚の死骸が発見されるなど中国の消費者が国内業者に不信感を持っている事情もある。今後、ブラジルやニュージーランドなどで牛肉や豚肉の生産拠点確保を加速するとの見方が強い。
中国食肉大手、双匯国際は今年9月、米豚肉生産大手のスミスフィールド・フーズを47億ドル(約4926億円)で買収、米当局の正式承認を得た。スミスフィールドの最大顧客が日本だっただけに、日本企業に衝撃が走った。
買収劇は続く。12月23日、双匯国際はメキシコ冷凍食品大手と共同でスペインの食肉加工大手カンポフリオ・フードの共同買収提案を発表。それぞれ株式を保有するライバル同士だったが、手を組み、傘下に収めた。中国勢の大型買収を引き金に世界規模で優良物件の争奪戦が加速する公算も大きい。
実際、豪州の牧場買収を検討していた日本企業は、中国勢が価格をつり上げた結果、手がでなかったという。ある商社の幹部は今春、中国の食肉加工企業にデンマークの養豚農家を仲介した。「中国企業に日本向けの供給元を奪われかねない」と不安もよぎったが、「中国市場も同時に取り込まないと日本向けの供給すら危うくなる」のが現実だ。
とりわけ、勢いを増すのが牛肉だ。農畜産業振興機構によると12年の中国の冷凍牛肉の輸入量は前年の約3倍の6万525トン。今年1〜10月期の輸入量は前年同期の7.3倍と過去最高を更新する勢いを見せる。「韓国レストランやハンバーガーチェーンの台頭で牛肉の消費が急増している」(農畜産業振興機構)
外交で冷え込む日中関係だが、中国の食生活の変化を踏まえた、日本企業の次の一手が求められる。(上原すみ子)
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