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安倍政権が直面する試練
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52536482.html
2013年12月29日 在野のアナリスト
安倍首相の靖国参拝について、Facebookへの「いいね!」が7万件超、コメント9千件超を『人気が高い』と評するメディアもあります。しかしフォロワー数40万のうち、4分の1以下です。確かにメディア関係者が過半数、アンチが多いことはあっても、首相支持者でさえその行動を評価していない、ということになります。コメントには記載していますが、日本の保守系はマイノリティです。なので先鋭化し、特定の組織を構築したり、ネットなどの特定の場ではその行動が突出し、目立つことになりますが、全体としては少数であることがこの数字からも窺えます。
さらに、安倍氏は「首相が参拝できない状況を改善したい」としていますが、全世界が批判コメントをだす中、参拝できない環境を自らつくりだした、ともいえます。今回の件の報復とみられる、米大使館Facebookに批判コメントを載せる人間もいるようですが、そうすることが逆に、国粋主義者が跋扈している、として海外が日本を危険視する、ということに気づけていない。つまりやっていることが、すべて逆です。自らが望むような結果とは、逆の効果を与えるようなことしかできないなら、早晩、安倍氏は米国からの圧力で辞職に追い込まれるでしょう。
来年、安倍政権は2つの試練を迎えます。それは消費税増税後の景気の落ち込みと、TPP交渉の行方です。特に、後者は甘利氏の回復具合が思わしくなく、交渉担当としては相応しくない、との見方があります。そもそも、担当大臣クラスである甘利氏では、閣僚級とはいえ、一格下がる印象がありました。西村副大臣では尚更、交渉担当としての格の違いは明白ともいえます。
さらに、TPPに対する米国のポジションが、少し変わってきた印象があります。TPPは安全保障も含む、というのが一般的な見方ですが、靖国問題への対応をみると、安倍政権とは距離をおきたいムードも漂います。さらに国粋主義に陥る、ということは、経済開放にも支障をきたす、ということ。また日本の保守系が、同性婚をふくむ家族、人間関係の変化に対して閉鎖的であり、それはマイノリティへの権利拡大をめざす、今の世界の潮流とも逆行する流れになっています。
つまり安倍氏が保守層の上にのり、その主張を最大限尊重し、その意向に添う限りにおいてオバマ政権とは相容れない。辺野古埋立て申請の件も、米国防省からは歓迎の意向が伝わりますが、オバマ氏の意見が伝わってこない。TPPにおける日米の比重が重いなら、尚更『価値観の共有』という、大事な部分が抜け落ちたまま、連携していくという歪な構図にならざるを得ません。
米国にとって、経済的メリットだけがあるなら、TPPにも前向きなのでしょう。しかし安全保障を提供する、ということは負担にもなります。オバマ政権が軍産複合体の上にのる、共和党系候補ならまだしも、オバマ政権では財政再建路線との兼ね合いもあって難しいでしょう。日米で大きくすれ違う思惑、2つの試練と書きましたが、実は日本のマイノリティである保守層の上にたつ、ということが安倍氏にとっては針の筵であり、このマイノリティの権利拡大をめざすと必然的に米国とぶつかる。そうした事態がもっとも大きな試練、ということにもなってくるのでしょうね。
明日からお休みして、新年は1月5日から再開したいと思います。今年、読んでいただいた皆さまはありがとうございました。良い年をお迎えくださいね。
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