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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131229-00046701-diamond-bus_all
ダイヤモンド・オンライン 12月29日(日)16時35分配信
日本株や為替、世界経済に潜む闇を白日の下にさらけ出し、明快かつ独特な視点で切り込む刺激的な金融ブログの闇株新聞。その分析力の深さは、大新聞の経済記者がネタ元にしていたり、プロの金融マンたちも愛読していることで実証済み。その闇株新聞の著者が誰もが間違える表題のテーマについて語ってくれた。
● 金融緩和が進んでも景気は回復していない
最近よく「この株高はまだ続きますか? 」と聞かれる。それに対して「大丈夫ですよ。世界中で金融緩和がさらに進みそうですから」と答えると、安心したように「そうですよね! 金融緩和で景気が良くなるからですよね? 」とくる。
それに対して「いえ、違いますよ。金融緩和で景気が悪くなるから株高になるのですよ」と答えると、だいたいの場合「えっ? ? 」と絶句されてしまう。
また「現在の株高は、バブルではないのですか? 」とも聞かれたら「確かにバブルです」と答えると、顔色を変えて「やっぱりバブルか! じゃあ、もう株は危ないですよね? 」とくる。
それに対して「違いますよ。だって株価が上がるからバブルというのでしょう? 」と答えると、再び「えっ? 」と絶句されてしまう。
もちろん、筆者は両方とも大真面目で答えているのである。
まず、金融緩和と株高の因果関係から書くと、リーマンショック以降は世界中で大胆な量的金融緩和策によって大量の資金が継続的に中央銀行から供給されている。確かに世界中で株価が上昇しているものの、米国でもユーロ圏でも日本でも本格的に景気が回復しているとは言えない。
そこで、13年11月に欧州中央銀行(ECB)が追加金融緩和に踏み切り、14年2月に議長がイエレン氏に交代する米連邦準備制度理事会(FRB)は、確実と思われていた量的緩和(QE3)の縮小を「相当期間」見送りそうである。つまり、FRBは新たな金融緩和に踏み切った場合と同じ効果を世界の金融市場に与えていることになる。
日本でも日銀が13年4月に「異次元」量的緩和に踏み切っているが、黒田総裁は目標である22%の物価上昇が達成できなければ追加金融緩和に踏み切ると強く示唆している。
● 金融緩和は社会格差を拡大し景気悪化を招く
確かにこれらの金融緩和は株式市場を上昇させているものの、雇用や設備投資など実体経済へ効果が一向に波及していない。考えてみれば、金融緩和は資産価格を上昇させるものの、その恩恵は資産を保有する富裕層や大企業に及ぶだけで、一般庶民の生活は良くならず消費は盛り上がらない。
つまり、金融緩和には「社会の格差」を拡大させる効果しかなく、経済全体を底上げする効果はほとんどないことになり、結果的に「金融緩和は景気を悪化させる」ことになる。同様に、金融緩和は「物価上昇を止める」ことにもなる。実際、13年10月の日本の消費者物価上昇率は前年比0.9%(除く生鮮食料品)、米国は同じく1.0%、ユーロ圏は11月速報値で0.9%と、物価は落ち着いているのだ。
こうした結果、さらなる金融緩和が必要となり、それにより株式市場は上昇するものの景気は減速し物価上昇が止まるため、さらに金融緩和が必要となり、株価はさらに上昇、と以下繰り返しが続くのである。
● 景気が悪いからこそ株高が継続している
つまり、「金融緩和は景気を減速させ物価上昇を止めるので、さらなる金融緩和が必要となり株式市場は上昇を続ける」のである。
FRBもECBもこの状況を認識しているはずだが、金融緩和を止めた場合の混乱、特に株安は経済に壊滅的な悪影響を与えるので、インフレの弊害の心配がない限りは金融緩和を維持・強化していくのである。
仮に、米国で本当に景気が回復すれば、FRBが傘下の銀行から預かったままの2兆4700億ドル、247兆円もの「Reserve Balance(日銀当座預金に相当するお金)」が不動産融資などの形で市中に出回り、あっという間にインフレになって量的緩和の縮小どころか「大慌てで」引き締めに転じなければならず、株式市場も急減速してしまうことになる。
安倍首相と黒田日銀総裁は、今でも「金融緩和が景気を回復させる」と本気で信じているようなので、遠からず追加金融緩和に追い込まれるはずである。その結果、ますます景気が減速して物価上昇が止まるので、株価だけはますます上昇することになる。
● 日本株はバブル状態もまだ初期で心配は不要
では、この株式市場の状況はバブルなのか?
間違いなくバブルである。しかし、バブルとは株式市場(だけには限らないが)が、実体価値から離れて著しく上昇する状態をいう。現状は「まだまだバブルの初期段階」で心配する必要はない。言い換えれば「株価が上がるからバブルという」のであり、「バブルが弾けるのはバブルの最終段階」である。まだまだ株価上昇に懐疑的な意見が多いので今はまだ「バブルの初期段階」なのだ。
日本の場合、そのバブルの対象が国債市場にも及んでいるようで、長期国債の利回りが低下を続けている。これも株式市場にとっては追い風である。長期国債に比べて株式市場がますます割安に見えてくるからだ。
もちろん、日銀の追加金融緩和が予測されると、ますます円安になるので、これも株式市場にとっての追い風。つまり、今のところ懸念材料はほとんど見当たらないのである。
これからも評論家は「バブルだ、バブルだ! 」と騒ぐかもしれないが、「国債が暴落する! 」と10年以上も騒いでいるのと同じで、まったく当たらないので気にする必要はない。
こうした現状の日本株に対して過剰な不安は必要ないという闇株新聞のスタンスに同調する場合、具体的な銘柄選びに役立つのが、現在発売中のダイヤモンド・ザイ2月号の大特集「誰もが気になる500銘柄激辛診断」だ。
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ザイ編集部
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