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昨日の記事に予想以上のコメントをいただきましたので、反映させながらもう少し続けます。
FRBの量的緩和縮小はどうした?といわれそうですが、全く関係のない記事ではありません。量的緩和縮小については年内に必ず書きますので今しばらくお待ちください。
まずビットコインとペイパルはどう違うのか?とのコメントをいただきました。ペイパルにしても他のウェブマネーにしてもネット上の資金決済に利便性を付加するものであり、「通貨に代わるもの」が新たに発行されているわけではありません。
つまり現在の通貨制度を侵害するのではなく、そのなかに「存在」しています。同じように現在の経済活動は(投資活動も含めて)、すべて現在の通貨制度のなかで「付加価値」を積み上げるためのものです。
それに対してビットコインとは、現在の通貨制度とは全く別に「新しい通貨制度」を創造してしまうものです。日本でいえば「経済活動で円を稼ぐ」と「円に代わる(円と同じように通用する)通貨を作り出して稼ぐ」の違いです。
まあその中間くらいに「精巧な円の偽札を印刷して稼ぐ」があるのでしょうね。
次にビットコインの理論はコメントにもいただいているように、京都大学数理解析研究所の望月新一教授が書かれたABC予想を証明する論文に類似しているため、望月教授がビットコインの発明者であるナカモト・サトシではないかともいわれています。
これはわかりません。ただ1つだけはっきりといえることは、ビットコインの「発明者」と「事業としての創業者」は違うはずです。つまり「事業として創業者」は深い金融に対する知識と洞察力を備えていると思われるからです。
全くの余談ですが、オプション理論のブラック・ショールズ・モデルは、やはり京都大学の伊藤清教授が1942年に発表された確率微分方程式(「伊藤の定 理」)が基礎になっています。また1990年代の金融工学の発展は、NASAの予算縮小であぶれた数学者と、この「伊藤の定理」のお蔭といわれています が、伊藤教授ご自身は金融に全くご興味がなかったそうです。残念ながら2008年にお亡くなりになっています。
つまりいくら優れた理論でも、それが事業として成功するかは、全く別問題なのです。
そして依然として、その「創業者」の正体がはっきりしません。心当たりはあるのですが、推測で書くことはやめておきます。
それからビットコインについて、日々の時系列データがわかるサイトはどこか?とのコメントもいただいているのですが、実は本誌も探しています。どなたかご存知の方は教えてください。
またビットコインは発行に上限を決めているが、需要の拡大を期待しているのであれば不自然で、最初から値上がり益を享受しようとしていたのではないか?ともコメントもいただいていますが、これはその通りです。
そもそもビットコインのような「新たな通貨を発行できる」なら、「じゃんじゃん発行してどんどん使う」のと「できるだけ我慢して価値を上げる」では、どちらの利益が大きいのでしょう?
もちろん後者です。
これはビットコインに限らず、現在の国際通貨制度でも同じような議論となります。
戦後の国際通貨体制であるブレトン・ウッズ体制とは「金・ドル本位制」だったのですが、1971年8月に当時のニクソン大統領が金とドルの交換を停止したため、そこからドルが世界で唯一の基軸通貨となりました。
ところがドルを発行するFRBは(米国政府の意向だと思いますが)、つい5年前までは発行するドルの量を絞り気味にして、ドルの基軸通貨としての信用力を維持してきました。
それが変化したのは、リーマンショック後の「わずか5年間」だけです。その間にFRBの総資産は4倍以上になりました。ドルの歴史からすれば「この5年間が異常」だったともいえます。
そろそろ「元に戻そう」と考えてもおかしくないはずです。それが先日の量的緩和を縮小した理由だったとはいいませんが、ビットコイン狂騒曲と同時に「国際通貨制度の良識」が復活しているのかもしれません。
ビットコイン狂騒曲に潜む「本当の恐ろしさ」 その2 闇株新聞
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-984.html
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