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若者たちの足元はとても不安定だ。その不安定さはこれからも続く。
多くの若年層を不安定化させる3大要素は、これからも続く
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2013年12月27日 Darkness - ダークネス
内閣府が出した2013年版の「子ども・若者白書」を見ると、社会的自立の概況として、真っ先に書かれているのはこのような言葉だ。
「若者の失業率はこのところ改善が続くも,全体と比較して常に高い」
失業率が高いというのは、要するに仕事がなくて生活できていないということであり、それを裏付けるように、2000年以降はネットカフェ難民やホームレスに落ちる若者の姿も日本で報告されるようになってきている。
その若者の多くは低学歴層なのだが、統計で見ると中学卒業者の就職率は0.4%しかなく、99.6%は就職できていないということが分かる。高校卒業で見ると16.7%しか就職できていない。つまり、83.3%は仕事が見つからなかった。
大学卒業者になって、やっと63.9%に上がるが、彼らはまともな職を見付けられたのだろうか。
統計を見ると、25歳から34歳までの若年層の40.9%は非正規雇用者だった。つまり、正社員ではなかった。女性は54.5%だから、2人に1人は非正規雇用者だ。
■243万人の若者はそのまま一直線に貧困に落ちる
これを分かりやすく言えば、こういうことになる。
「中卒・高卒のほとんどは仕事がない」
「若者のほぼ半分は正社員になれない」
この傾向は女性になればなるほど顕著になる。女性の方が悪い方向で突出している。今の若年層の女性は、漠とした将来の不安を抱えて生きているということが分かる。
ニートと呼ばれる「若年無業者」は63万人もいる。そして、最近増えているのが30代のニートだ。63万人のうち、30代はほぼ40%近くを占めている。
ちょっとしたアルバイトやパートの仕事しかしていない若年層は180万人いる。フリーターと言われるこの層は、自力で生活を支えていくのは非常に難しい状態である。
ニートとフリーターを合わせると、243万人になる。
これだけの若者が日本の底辺にいて、恐らく生活を向上させることができないまま40代に突入して、這い上がることができない貧困層に転がり落ちていくことになる。
働いている若年層も半分は正社員になれないのだから、いったん不景気がやって来ると、非正規雇用者からリストラされるので、時代に翻弄されやすい層であると言える。
当然、若年層は何とか生活を安定させられる仕事を探そうと必死になるのだが、そこに待ち受けているのがブラック企業である。
ブラック企業は、若年層の苦境をよく知っている。若者が簡単に就職先が見つからないことを知っている。だから、簡単に辞められないのを見越して、死ぬほどこき使う。
若年層が奴隷化できることを、企業は気づいたのだ。だから、その状況を悪用して奴隷のように働かせ、壊れたら使い捨てするのである。
■バブルは1989年12月に弾け飛んでいった
今の時代の若者は信じられないかも知れないが、1980年代の若者は「独身貴族」という言葉もあるくらい羽振りが良く、ちやほやされていた。
彼らの特徴は、親元から独立しないで家賃を浮かし、バブルに踊っている企業に勤めて高い給料をもらって遊興費に金がかけられることだった。
ブランド品を買い、海外旅行に行き、ディスコで踊り狂い、それが永遠に続くと彼らは思っていたのである。しかし、そのバブルは1989年12月に弾け飛んでいった。
1990年代の前半は、しばらく惰性でバブルの余韻に浸っている人たちもいた。しかし、1990年代の後半にもなると、不景気が徐々に回り出して自殺者も3万人を超えるようになり、リストラが静かに増え始めていた。
若者に多くの給料を払う企業が激減し、それと同時に若者が寄生している親の世代が疲弊するようになっていった。若者は親の甘い汁を吸うのが難しくなったのだ。
さらにこの時代からグローバル化が中小企業にまで浸透するようになって、単純労働は海外の工場で製造する時代になっていき、若者の就職口が減ると同時に給料も減っていった。
さらに悪いことに、このあたりから企業のコンピュータ化が急激に進んで、高い教育・訓練を受けた人間が必要不可欠になり、低学歴層は切り捨てられてしまうことになった。
2000年代に入ると正社員で若者を雇う企業も減ってしまい、非正規労働者がどんどん増えた。
不景気になると、彼らは真っ先に切り捨てられるし、給料はずっと低いままに抑えられる。そうやって、若者に未来がなくなっていった。
■仕事も不安定で、家庭も不安定になった
若者の現状を不安定化させているのは、性の自由化による伝統的な家族の崩壊も理由として挙げられる。
性が自由化されるということは、家族という枠が壊れやすいということでもある。同棲、事実婚、離婚、シングル・ペアレント(片親)の大量出現は、すでに伝統的な家族の形が成り立っていないことを示している。
これは自由の拡大でもあったのだが、同時に若者の生活基盤を不安定化させるものでもあった。
要するに若者の男女関係はとても簡単に壊れるようになっており、パートナーはいつでも裏切る信用できない人間と化してしまっているのである。
いつでも裏切られるし、自分も裏切るかもしれない。だから、結婚というスタイルは、究極のリスクになっている。仕事も不安定で、家庭も不安定になったのだ。これで将来の展望が描けるはずがない。
若者を追い詰めるこれらの環境は、多くの先進国で次の3つに集約されるという。
(1)グローバル化による働き口の減少。
(2)情報化による職業の高度化や専門化。
(3)性の自由化による家族の不安定化。
多くの若年層を不安定化させる上記の3大要素は、これからも消えることはない。消えるどころか、逆に加速をつけて深化していくことになる。
だから、この時代に生き残れるのは、ひたすら高学歴を目指し、専門知識を手に入れてそれを生かす職業に就き、保守的なパートナーを選んでいる若者だということになる。
客観的に言うと、それができない若者が安定した未来をつかむのは、とても難しい時代になっている。
将来に対する不安と絶望で、押しつぶされそうになっている若者の姿が目に浮かぶ。
会社も家庭も不安定で、彼らの心の拠り所はどこにもない。それが今の若者の置かれている現状だ。
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