http://www.asyura2.com/13/hasan84/msg/616.html
Tweet |
FRBのバーナンキ議長。米国の金融機関は日本国債を売却するのか(AP)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131225/ecn1312250727002-n1.htm
2013.12.25 森岡英樹の金融スクープ
米連邦準備制度理事会(FRB)など米国の5つの金融監督当局は10日、銀行の自己勘定取引を規制する「ボルカー・ルール」の最終案を公表した。900ページに及ぶ最終案は、銀行の自己勘定取引や利益追求を目的とする投機的取引を原則として禁止するもの。しかし、全面実施期限は2015年7月21日へ、当初案から1年先送りされたほか、規制の中身にも例外措置が多く、骨抜きにされた印象が強い。
例えば、ボルカー・ルールの根幹をなす自己勘定取引では、銀行が証券、デリバティブ、商品先物、オプションの短期的な自己勘定取引を行うことは禁止された。しかし、例外措置として「引受業務」「マーケットメーキング」「ヘッジ」の3取引は認められた。自己の勘定を用いた投機的な取引は禁止されるが、顧客の需要に基づく取引であればリスクが伴う業務であっても認めるという建て付けだ。
また、銀行がヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドへの出資などについても、ファンドの総資産の3%以上の出資を行うことは禁止されたものの、当初、懸念されたファンドへの出資そのものの禁止は回避された。しかもファンドの定義そのものも緩和されている。年間数百億円をたたき出す投資銀行業務はいわば銀行の儲け頭。その手足をきつく縛り、収益を大きく落ち込ませる可能性があったボルカー・ルールの懸念はひとまず遠のいたように見える。
しかし、規制の詳細についてはまだ曖昧な部分が多い。メガバンク幹部は「法律の行間を読むような作業が残る。金融機関を顧客に多く持つ法律事務所はボルカー特需で沸き返っているようだ」と語る。
実は、そうした法律の解釈いかんで日本の金融市場に大きな影響が及びかねない懸念事項がある。米銀による日本国債の売買への影響だ。
ボルカー・ルールでは当初、「米国以外の政府債への適用」と、米銀の外国での活動を縛る「過度な域外適用」の2点が問題視された。米国以外の政府債、つまり日本国債や欧州の国債など米国債以外の取引についてはボルカー・ルールにより売買が制限される可能性があった。日欧などの金融当局、金融団体の反対運動もあり最終案ではこの2つは除外されたが、「一定の条件下」という文面は残されている。条件をクリアしなければ規制の対象となることに変わりはない。
特に日本に進出している米銀の日本国債の売買への影響は深刻だ。米銀の海外拠点はボルカー・ルールの適用除外となったが、海外拠点の定義は曖昧なままで、海外拠点は支店を指すのか、現地法人でなければならないのか、はっきりしない。仮に現地法人を意味することになれば、日本に進出している米銀の大半は支店形態であることから規制が及ぶことになる。その場合、米銀は日本国債の売却に動く可能性がある。
米銀の日本国債の保有残高は6月末時点で約80兆円に及ぶ。米銀が日本国債暴落の引き金を引きかねない事態となろう。
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。