01. 2013年12月24日 21:12:24
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突出する日経平均、6年ぶり1万6000円奪回にも警戒感 2013年 12月 24日 16:32 JST[東京 24日 ロイター] -日経平均.N225は一時、約6年ぶりとなる1万6000円台を回復したが、市場には警戒感も強い。TOPIX.TOPXと比較して日経平均の上昇ぶりが突出しているためだ。 先進国の景気は回復傾向にあり、金融緩和環境もしばらくは続く。金融相場にはこの上ない状況であり、日本株への資金流入継続も期待されているが、拡大する「ゆがみ」に短期調整を懸念する声も少なくない。 <需給面では日本株に追い風> 米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小(テーパリング)開始決定を機に、市場のリスクオン傾向は加速している。23日の市場で米国のダウ.DJIとS&P500.SPX、ドイツのクセトラDAX指数(フランクフルト).DAXが過去最高値を更新。新興国市場でからの資金流出も足元では5月ほどパニック的ではなく、市場に安心感をもたらしている。 失業率とインフレ率の2つの目標を置いた米FRBのフォワード・ガイダンス(将来の政策指針)は、数値次第というもろさをはらむとはいえ、当面の金融緩和環境を投資家に約束。 一方で7─9月期の米国内総生産(GDP)が4.1%増となるなど景気も順調だ。金融緩和と景気回復の組み合わせは、流動性相場(金融相場)を推し進めるには絶好の環境となる。 年末休暇に入る海外投資家が多いものの、市場のリスクオンムードは一段と高まっている。そのなかで日本株は、今年1年のパフォーマンスが断トツであり「海外の機関投資家は来年のポートフォリオで組み入れを増やさざるを得ない」(国内投信)とされ、来年にかけての資金流入期待が大きい。 ロイターが英国を除く欧州のファンドマネジャーを対象に実施した国際分散投資戦略12月調査では、日本株への投資比率は8.2%と4年半ぶりの高水準となった。米国調査でも日本株の比率が最も拡大し、前月から1.2%ポイント上昇の6%となっている。 国内では、株式取引の年内受け渡し最終売買日である25日までは証券優遇税制の廃止に伴う売りが警戒されるが、26日からはNISA(日本版少額投資非課税制度)を通じた資金流入が期待されている。次の投資への待機資金とされるMRF(マネー・リザーブ・ファンド)の純資産残高は1年前に比べ、約3兆円拡大し、過去最高の10兆円に迫る水準だ。 中期的には国内年金のリスク性資産へのシフトも期待されるなど、需給面では日本株への追い風が吹いており、市場の株高期待は強い。 <日経平均の「ゆがみ」は拡大> ただ、日本株全体では日経平均が突出して上昇するなど「ゆがみ」も一段と拡大しており、警戒感も出ている。日経平均とTOPIX.TOPXの比率であるNT倍率は12.64倍に上昇し、終値ベースでは約14年8カ月ぶりの高水準だ。 24日の市場で、日経平均は18円高(0.12%)とプラスで引けたが、東証1部の値上がり銘柄数は387と、値下がり銘柄数1275の約4分1。TOPIXは0.32%のマイナスだった。株価急落直前の5月22日も値上がり銘柄数(743)に対し、値下がり銘柄数(853)の方が多いのに日経平均が246円高と急伸していたことから警戒感も出ている。 日経平均の突出には、日経平均先物買いに伴う裁定買いが入っているほか、ファーストリテイリング(9983.T: 株価, ニュース, レポート)やファナック(6954.T: 株価, ニュース, レポート)など、日経平均への寄与度が大きい一部値がさ銘柄が上昇していることがその要因だ。本日は軟調だったがソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)の上昇ぶりも最近では群を抜いている。 市場では「日経平均が上昇すると利益が出るポートフォリオを組んでいる短期筋が仕掛けているのではないか。先物買いの前にこうした銘柄を買う動きが目立つ。日本株を取り巻く環境は悪くないが、警戒は必要だ」(大手証券トレーダー)との声が出ている。 ファーストリテ、ファナック、ソフトバンクの3銘柄の成長期待が小さいわけではないが、予想株価収益率(PER)はそれぞれ48倍、45倍、18倍と日経平均の16倍を大きく上回る。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は、世界的な景気回復を背景に株高・円安基調が続くとしながらもその道は平たんではないと指摘。「円安も対ドルで104円台前半まで進んでいるが、自動車など輸出株は意外とさえない。一部のヘッジファンドによる先物買いが日経平均の上昇を演出しているとみられ、ぜい弱な面がある」との見方を示している。 (伊賀大記 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE9BN05J20131224?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0 |