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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9BN04E20131224
2013年 12月 24日 14:59 JST
[東京 24日 ロイター] - アベノミクスの恩恵を受けて盛り上がっているのは、新規のJ-REIT(不動産投資信託)やIPO(新規株式公開)だけではない。事業規模の拡大や戦略性強化をめざした公募増資が相次いだほか、調達コストが比較的低いCB(転換社債)の発行に踏み切る企業も急増した。
堅調な株価に支えられ、企業が多様な資金調達手段を駆使できる状況ができつつあると言えそうだ。
<CB:日本物ネームに一時は過熱感も>
今年はCBでの資金調達に踏み切る事業会社が急増、トムソン・ロイターDealWatchの調査によると、発行規模は37件、総額6734億円に達した。低コストで、かつ株式の希薄化を抑制しながら既存株主にも配慮できるメリットがあるためで、資金使途は設備投資が4割を占め、低コストで調達し借入金を返済するケースも3割弱見られた。
今年最大のCB発行を行ったのは凸版印刷。7年半ぶりにユーロ市場で3年債および6年債で総額822億円を調達し、重点成長分野であるバリアフィルム事業や海外拠点の拡充に投資する一方、借入金返済にも充当する。また、高島屋は5年債と7年債の2本立てで671億5000万円をユーロ市場で起債、新宿店の共有持分権の残額取得に当てた。
特に今年前半は、ユーロ市場で、日本物ネームの枯渇感があり、ユーロ市場の新規案件はいずれも過熱感があるほどの人気となった。その勢いにのって、後半は強気の条件設定をする事業会社も登場した。そうした「目をつぶっても買う状況は終わった」(日系ECM)ものの、「発行条件を投資家目線に合わせればニーズがある」(同)状況が続いている。
<公募増資:高まる戦略性、さらに拡大も>
今年の公募増資で目立ったのは、選択と集中、成長分野強化などを狙った戦略的な資金調達が目立った点だ。
最大の案件となったのは、大和ハウス工業による38年ぶりのエクイティ・ファイナンス。不動産開発資金として公募増資、自己株式売却、第三者割当増資によって約1442億円を調達、事業・商業施設や賃貸住宅の3分野に重点投資する。一方、電通はグローバル・オファリングによって約1200億円を調達し、英国イージス・グループ買収のための借入金返済の資金を確保した。
業績不振が続くなか、中期経営計画を発表し公募増資に踏み切ったのがシャープだ。「最悪期を脱したが、なお成長性が見いだせない」(機関投資家)との指摘があったものの、投資家からの需要を集め1256億円の設備投資資金を調達した。また、オリンパスは31年ぶりに医療事業の成長を見越し生産能力の増強に向けた設備投資のため、1183億円の大型増資に踏み切った。
株式市場の回復は企業に資金調達手段の多様化をもたらしている。その結果、「過去の経験を生かし、慎重ながらも戦略的な投資をめざす姿勢がみられる」(外資系投資銀行部門)という状況が広がってきた。来年は「さらに増資に踏み切る企業が増えるのでは」(日系ECM)と見られており、投資銀行部門では提案活動に忙しい。
来年、株式の譲渡益課税率が現行の10.147%(復興特別所得税を含む)から20.315%に引き上げられることもあり、今年は創業者や大株主による株式の売出案件が増加したが、市場の吸収力に問題はなく、ここにもアベノミクスによる浮揚効果が現れていたといえる。
CB
(2013年12月6日判明分まで。 払込日/受渡日ベース)
資金使途 件数 金額(億円) シェア(%)
設備投資 20 2,357 40.40
借入金返済 13 1,580 27.10
運転資金 5 894 15.30
子会投融資 4 605 10.40
M&A株式取得 4 217 3.70
社債償還 2 117 2.00
自己株取得 2 65 1.10
合計 31 5,834 100.00
エクイティ・ファイナンス(上場企業分)
(2013年12月6日判明分まで。 払込日/受渡日ベース)
資金使途 件数 金額(億円) シェア(%)
設備投資 103 4,331.40 28.28
投資 14 3,175.50 20.73
借入金返済 46 3,004.60 19.62
M&A株式取得 6 1,282.10 8.37
運転資金 41 1,248.70 8.15
研究開発 19 1,066.40 6.96
子会社投融資 35 919.70 6.00
自己株式取得 1 259.30 1.69
社債償還 3 29.20 0.19
その他 0 0.00 0.00
合計 152 15,317.50 100.00
(DealWatch米田浩子 編集:北松克朗)
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