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来年の市場予想
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52535671.html
2013年12月22日 在野のアナリスト
来年の市場について、少し考えてみます。その前に、今年後半はFRBが9月に金融緩和の縮小(テーパリング)が発表される、との見立てから日経平均の上値14000円を目処、としていました。しかしテーパリングは12月に後ズレし、その間に市場環境は激変、今ではテーパリングの受け止めも変わり、米ダウは史上最高値を更新しています。しかしこの背景は、その間に欧米から新興国に逃げていた資金が還流、俄かに欧米経済の復活が叫ばれるようになったことがあります。
しかしいくら欧米が成長するとしても、3%が限界です。逆に今、不安に陥っているのが新興国であり、ここも数%成長、もしくはマイナスに転落するところも出てきそうです。先進国の屋台骨がしっかりしていれば大丈夫、は20世紀の神話であり、21世紀は新興国の高成長に支えられてきた。つまり今後、世界全体が低成長時代に突入する、というこれは先触れのようなものになります。
よくバブルの定義ははじけてみないと分からない、という人がいます。私は若干見方が異なり、潜在成長力以上のピッチで成長する、それは市場ごとであっても構いませんが、それをバブルとしています。不動産価格の上昇要因は、需要が供給を上回る場合、と一義的には定義できますが、家や事務所が欲しい、という以外に投機資金の流入が激しくなり、価格を押し上げる場合はバブルです。投機資金が逃げ始めると、価格下落圧力にさらされて、実態以上に押し下げられてしまう。家が欲しいと思っている人がいても、価格が下がるので買いたくない、と思わせるためです。
今はその逆です。様々な市場で、資金が流入する、だから買う(もしくは円のように売る)という投機マネーが流入しています。これは株式市場であっても同様、先進国への還流マネーが当面、投機資金として市場の押し上げ要因となります。しかし先進国の労働の質の低下、新興国の変調により今後、低消費型社会が訪れるなら、業績圧迫要因として上記が襲ってきます。市場が期待するような上昇は、すでにバブル化している可能性が高い。米国でも、市場関係者は来年も10%程度の株価上昇を予想しますが、国民は横ばいか下落とみている。それは資金の流入状況が異なるために起こります。
日本も、安倍ノミクスはいわゆる成長の先どり政策です。異次元の金融緩和と公共工事のバラマキは、金融引き締め時の経済の圧迫と、いずれ財政健全化へと舵を切らざるを得ない。本当は将来、成長する分を今つかい、押し上げているに過ぎません。そこに資金が流入しています。
来年は、この資金の流入により16000円を何度かは超えてくるでしょう。そうしたい、と思う層が動くためです。しかしそれほど大きくは超えない、とみています。それは先にも指摘した、市場関係者の見方と一般的な国民の見立てが異なる、資金の行き渡り具合が違うというのがすべてです。株価が上昇し、潤った個人がふたたび株を買う、という話も聞きますが、株価が本格的にこの水準を上抜くには、全員参加型にならざるを得ない。しかしそうなったとき、株価は天井を打ちます。
今は単に、市場に増えてきた資金が各市場を押し上げる、という構図だけなのです。しかしFRBが曲りなりにもテーパリングに舵をきり、市場への資金流入は絞られる。市場関係者は日銀の追加緩和を期待しますが、逆に経済環境が悪化しない限り、緩和はできない。環境の悪化が察知できるほどなら、市場は下押ししているはずです。下値目処は、ここ数年掲げているように5000円、ただしこれは中国経済のバブル崩壊要素を含むので、そうした記事が出てこない限り、当面は14000円とみておいて良いのでしょう。ただ4月以降の消費税増税の悪影響を勘案すると、来年の日本経済は試練を迎えることだけは間違いなく、その影響が今ひとつ読みにくくさせる原因にもなってくるのでしょうね。
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