http://www.asyura2.com/13/hasan84/msg/578.html
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神戸港に入港する大型クルーズ客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」(本社ヘリから)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131222/dms1312220716000-n1.htm
2013.12.22 大前研一のニュース時評
7日の日本経済新聞に「1泊1万円台の楽園/格安クルーズ船7泊8日体験記」と題するリポートが掲載された。「豪華で高額」というイメージを覆す外国籍の巨大クルーズ客船が次々と日本市場に参入しているが、日本人にも受け入れられるのだろうか。
かつて私も、クルーズ体験をしたことがある。マッキンゼー時代、「日本にクルーズがなじむのか」という調査のために豪華客船に乗った。結論からいうと、私には向いていなかった。
というのも、日本人は夕方になるとドレスダウンしたくなるからだ。浴衣を着て、草履でも履いて、ブラブラしたくなる。ところが、船ではドレスアップしなくてはならない。
タキシードを着せられて、毎晩、キャビアからスタートする洋食ばかり。さすがに「勘弁してほしい」と思った。日本に帰った直後、妻と寿司屋に飛び込んだ覚えがある。
私が乗ったのは、米国の「プリンセンダム」という豪華客船で、インドネシアの島めぐりをした。昼間はジャングルに行き、夜になるとタキシードでカクテル・ドレスという生活には、かなり違和感を抱いた。
ただ、今回の日経の体験記によると、クルーズ会社側もそのへんに気がついたのか、夕食がフォーマル指定になるのは3日に1回だけ。ドレスアップはそのときだけで、あとはカジュアルでもOKだという。そのフォーマル指定の1回も、「別にタキシードやカクテル・ドレスでなくてもいい」というふうに変わってきたようだ。
日経記者が乗船したのは、昨年から日本への寄港を始めた「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」という巨大客船で、中国・天津を出て日本を中心に5港を巡り、天津に戻るコース。日本人客の多くは東京で下船した。
7泊で、1人あたりのクルーズ代金は5万9000円、チップや諸税を含めて9万1000円だったという。たしかに格安だ。
国土交通省海事局によると、昨年のクルーズ旅行利用者数は、外航クルーズ12万人、国内クルーズ9万6000人となり、10年ぶりに20万人を上回った。また、日本の港湾へのクルーズ船の寄港回数は、外国船社476回、日本船社629回で初めて1000回を超えた。
さらに、今年は低価格の大型外国船が次々に参入している。高齢化社会に向け、この巨大クルーズ客船が日本人に定着するのかどうか、興味深いところだ。
ただ、私は「クルーズ・ドットコム」などで、クルーズ船のルートをチェックしているが、寄港地の8割はすでに行ったことがある。そういう意味では、やはり私には魅力的とは言えないが…。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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