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来年度予算案と政府の経済政策
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52535534.html
2013年12月21日 在野のアナリスト
来年度予算が95.9兆円と、当初予算としては過去最大に膨らむ見込みです。公共事業や防衛費などの増額が決まるなど、安倍カラーが鮮明で、前年度とくらべて赤字額が5.2兆円減少、といってみたところで、消費税増税分が埋める形であり、それ以上に歳出増が重くのしかかっています。しかも消費税増税で見込まれる分は過大とみられるため、この額を優に超える赤字となりそうです。
しかも閣議決定された来年度のGDP見通しが実質で1.4%の拡大と、こちらの見積もりも過大とみられます。こうした前提で、来年度が運営されるのですから、予算にしろ年末にかけて予定していない赤字国債が増えそうな気配です。まず、最近の経済でおかしなことは、政府や日銀は盛んに景気回復、景気は上向き、と喧伝するのですが、市場からは日銀の追加緩和が、あたかも実施されなければおかしい、といった論調で語られることです。一部はインフレ率が、日銀の目標である2%に達していないから、ともされますが、ここ最近の黒田日銀総裁の発言からみても、年限をきらない発言が目立つ。つまり物価が上昇傾向にある限り、追加緩和をうつ必要性は、現在の政府、日銀の発言からはまったくないといえるのです。市場が間違いか、政府、日銀がウソをついているかは、来年には判明するのでしょう。
昨日、安倍首相がメディアを梯子したようです。残念ながら、すべてチェックはできていませんが、安倍氏に論戦を挑むような人間もおらず、腫れ物にさわるような扱いだったようです。それは政府と反対意見を述べるようなメディアを、Facebook上で批判するような相手ですし、スクープをとりたい記者は表向きの言葉より、裏でそっと教えてくれる情報を期待し、おべんちゃら記事を書き続ける、ということなので、北朝鮮ではありませんが、忠誠心合戦になってしまうようです。
しかしこの一年、安倍政権は国民を欺き続けました。年初から賃金はすぐ上がる、景気回復を実感できる、と喧伝し続けましたが、未だに世論調査の景気実感は、80%近くが感じていない、です。安倍氏は某番組でボーナスが上がる、と述べていましたが、問題はほとんどボーナスも出ず、働いている期間工やアルバイト、パートなどの生活が苦しい人たちです。政府は消費税を除き、1.2%の物価上昇を見込むので、仮にそうなると4%以上の物価高が襲います。低所得者層への景気対策で配られる額を、優に超える負担となってしまう。これでは到底、堪えられません。それでいて0.4%の個人消費増を見込むのですから、随分と楽観的です。もし本当なら、来年は貸金業が活況となる、となるのでしょう。
そもそも、その前提となる雇用、賃金の改善という話が曲者です。まず設備投資が伸びていません。今年は急に不動産、観光業が活発になったため、一見すると雇用が改善したかにみえますが、そうしたものは臨時雇用である場合がほとんどです。輸出も数量ベースではまったく伸びておらず、企業が人手を増やす、正社員比率を高める要素は皆無です。政府見解を言い換えるなら、来年は正規、非正規の格差がさらに開く、ということになるのかもしれません。
さらに、来年は欧米が活況、という話もありますが、これは欧米から新興国へ逃げていた資金が、逆回転を起こしていることで現状、そうなっているだけです。その映し鏡のように、新興国は苦しんでいる。来年が世界全体で伸び代がある、とはとても思えないのです。安倍政権が描く未来像と、市場が考える未来像とは違っているものの、似ているのがともにバブルを起こそう、という意欲なのかもしれません。安倍政権の予算案からは、そんな都合いい、日本の将来をふたたび暗くするような、危険な匂いしかしない、という点が来年を不安にさせるところですね。
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