01. 2013年12月20日 16:33:46
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来週は日経平均1万6000円にトライ、NISAからの資金流入に期待 2013年 12月 20日 15:35 JST [東京 20日 ロイター] -来週の東京株式市場は強含みとなりそうだ。海外勢のクリスマス休暇入りに伴い閑散商いが予想されるなか、個人投資家の買いが強まる見通し。26日からは小額投資非課税制度(NISA)を通じた資金流入が見込まれるという。年末に向けた「掉尾(とうび)の一振」で日経平均1万6000円回復を期待する声が多い。日経平均の予想レンジは1万5500円─1万6200円。 日米の金融政策決定会合を通過し、年内の主要イベントが終了。東京株式市場は残すところ5営業日となり、年末相場の色合いが強まる見通しだ。 外国人投資家を中心に市場参加者が少なくなるため、商いは一段と低下しそう。そのなかで存在感を発揮するのは個人投資家だ。株式取引の年内受け渡し最終売買日である25日までは証券優遇税制の廃止に伴う売りが警戒されるが、すでに峠を越しているとの見方が多く、個別銘柄によっては人気を集める可能性が高い。直近では新興株が軟化傾向にあり、値動きの良さを好む個人の短期資金は中小型株に向かいそうだ。 また26日からはNISAを通じた株式取引の受け付けが開始される。次の投資への待機資金とされるMRF(マネー・リザーブ・ファンド)の純資産残高は過去最高の10兆円に迫る水準となっており、「滞留しているキャッシュがNISA開始により株式市場に流入する可能性が高い」(SBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏)。NISAを通じた個人マネーは、基本的に中長期保有を前提としているため、値動きの荒い中小型株よりも主力株に流入し指数の押し上げに寄与するとみられている。 アノマリーから年末高を期待する声も多い。大和証券によれば、1993年以降の過去20年間で、大納会までの最終5営業日の日経平均の騰落は17回(85%)がプラスになったという。平均上昇率は約218円となっており、20日終値1万5870円に足せば節目1万6000円を回復する。年初からの上昇率が約5割と最高のパフォーマンスだった2013年の締めくくりとして、節目達成を望む声は強い。 主なスケジュールでは、国内で25日に黒田日銀総裁が経団連で講演を行うほか、26日には11月20─21日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨が発表される。27日には11月全国消費者物価指数や11月鉱工業生産が発表される。 海外では23日に11月米シカゴ連銀全米活動指数、24日に11月米耐久財受注が発表される。また24日はクリスマスイブで米・英・独・仏・香港などが半日取引、25日はクリスマスで米・英・独・仏・豪・香港・インド・シンガポール・韓国などが休場、26日はボクシングデーで英・独・仏・豪・香港などが休場となる。 (株式マーケットチーム) ドル104円半ば、株復調で上値慕い 2013年 12月 20日 16:04 JST [東京 20日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の104円半ば。日経平均株価.N225の下げ渋りで上値を試す展開となった。オプションに絡む防戦売りで上値が重くなったが、オプションのカットオフタイム(午後3時)を通過するとストップロスを巻き込んで急伸した。 ドル/円は1日を通じて上昇基調をたどった。午前には、五・十日ということもあって輸入企業の買いが観測されたほか、システム系など短期筋の買いも加わり、一時104.44円まで上昇した。 午後になると、日経平均の下げ渋りで上値トライとなった。104.50円付近ではオプションの防戦売りが強まり、東京カット(午後3時)までは上値が抑制されたが、午後3時を通過するとストップロスを巻き込んで104.60円まで急伸。2008年10月以来の高値をつけた。 ドル/円は新規材料に欠けるなかでも騰勢を維持し、105円を目指す展開になっている。ただ、105.00円にはさらに分厚いオプションのバリアが控えているとされている。外為アナリストは「急ピッチな上昇の反動で利食いに押される可能性があるなかでもドル/円は堅調推移を続けている。追加の材料が出ていないので、上昇に勢いがなくなれば反落するリスクがある」と話している。 日銀は19─20日開催の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めたが、大方の予想通りで相場の反応は鈍かった。 夕方には黒田東彦日銀総裁の会見が行われる。テーパリング(緩和縮小)開始を決めた米連邦公開市場委員会(FOMC)の直後の会見になるため、黒田総裁の発言次第では日米の金融政策の方向性の違いがより鮮明になり、ドル/円が上昇しやすいとみる向きもある。ただ、大手信託銀の関係者は、黒田総裁が追加緩和を示唆することはないとみている。 (和田崇彦) ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY= 午後3時現在 104.42/44 1.3634/38 142.38/42 正午現在 104.33/35 1.3642/46 142.34/38 午前9時現在 104.29/31 1.3654/58 142.41/45 NY午後5時 104.23/25 1.3660/63 142.39/43 コラム:円は実り多い「資金調達通貨」、1年後ドル115円も=田中泰輔氏 2013年 12月 20日 15:37 JST 田中泰輔 ドイツ証券 チーフ為替ストラテジスト(2013年12月20日) 2014年、為替市場の基本テーマは「強いドル」、そしてその対極のテーマとして「円キャリー」が広く定着するだろう。 米国の国内総生産(GDP)成長率は14年プラス3.2%、15年プラス3.8%と、市場の中心予想より強気に見ている。08年以来のバランスシート調整を乗り越え、自律回復メカニズムが作動し始めると、経済成長はペースを速め、持続性を発揮するものだ。 米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和(QE)縮小開始も決まった。これもドル高・円安見通しの実現にとって重要なステップである。QE縮小の前進が米国経済の回復持続の証である以上、ドル/円の一層の上昇を伴いやすい。また、FRBはQE縮小の過程で、市場の不安を鎮めるべく、ハト派的配慮を手厚く続けよう。株式・新興国市場が底固いことを確認すれば、市場は何かとリスクオンへ傾斜しやすくなる。それもドル/円の強気派を元気づける。 <円キャリーが広がる事情> FRBはハト派的配慮の一環で、インフレ率が2%を下回る場合、失業率が6.5%を大きく下回っても、フェデラルファンド(FF)金利を現行0.0―0.25%に維持するとした。日米短期金利差は15年でもあまり広がりそうもない。ならば05―07年のように円キャリー取引は活発化せず、円安も進まないとの指摘がある。しかし、来年の円キャリーには異なる背景事情を考えている。 米国経済の回復にけん引され、世界がリスクオンに傾くとはいえ、「強いドル」をベースとする国際投資家にとって、精彩を欠く新興国通貨のどれをロング(買い持ち)にすべきか選別が難しいだろう。新興国の多くは、近年の高成長過程で広がった不均衡、高インフレ、経常赤字、社会不安がめぐり合わせ悪く、景気回復の足かせになっている。 しかし、米国経済の堅調が新興国を下支え、多少でも明るくなる時は、円安に弾みがつきやすい。リスクオンで何らかの通貨ロングを作る時、円ショート(売り持ち)を組み合わせれば、投資の期待収益を安定的・効果的に改善できる。絶対リターンを追求する国際投資家の間で、円は実り多いファンディング(調達=売り)通貨として広く活用されるだろう。 <ユーロはなぜ高い> 一方、来年のユーロは本来の下落基調に戻ると見る。今年のユーロは売られそうで売られなかった。背景には「アンダーウェイト」と「リパトリ」という2つのキーワードがある。 世界の投資家は、11―12年に繰り返された南欧債務危機を経て、ユーロ資産を本来持つべき基準量より過少(アンダーウェイト)にした。また、一連の金融危機の結果、欧州の金融機関は経営健全化を迫られ、海外資産を整理してユーロ圏へ資金還収(リパトリ)した。 12年7月、スペイン危機の際、ユーロは大量に売られ、1.20ドル台へ下落した。しかし、8月に欧州中央銀行(ECB)が南欧国債の無制限買い入れ方針を示すと、ユーロは買い戻され、13年明けに1.37ドルまで反発した。ユーロ資産を過少にしか持たない国際投資家は、ユーロ相場の回復に乗れず、投資成績も劣後してしまった。 そうなると、彼らは過少保有のユーロ資産をそれ以上売るに売れず、ユーロ相場は悪材料への感度が鈍る。さらに欧州の金融機関のリパトリによってユーロの堅調が続くと、投資家の成績は一段と劣後していった。100持つべきユーロ資産を80まで減らして割りを食った投資家が90まで買い戻そうか逡巡している、ユーロ堅調の背景にはこうした事情がある。 ユーロ高の理由をユーロ圏の貿易黒字化やデフレ化に求めるのはピントがずれている。貿易黒字化は欧州の内需悪化による輸入減、デフレは割高なユーロ下で緊縮を迫られる南欧諸国の苦境を反映する部分が大きい。「アンダーウェイト」や「リパトリ」という特殊なポジション事情がなければ、欧州からの資金流出でユーロ安になるべきところだ。 <日経平均1万9000円の前提条件> ユーロのアンダーウェイト投資家は相場に締め上げられたままで、ユーロは高止まっている。しかし、リパトリはすでにピークを過ぎたと見る。米欧景気格差は一層鮮明となってきた。米国が金融緩和を縮小し始めた一方、ECBは緩和拡充を模索し続けよう。こうしたファンダメンタルズを反映し、ユーロ/ドルは14年末1.25ドルへの下落基調に戻ると予想する。 ドル/円は米国経済が堅調である限り上値を志向しよう。いったん自律回復過程に入った米経済の拡大は15―16年まで持続しよう。日本の消費者物価(CPI)前年比は日銀目標のプラス2.0%に届かず、異次元緩和を続ける公算だ。14年中にドル/円の上昇サイクルの終わりを示唆する兆候は現れそうもない。円安が進むほど市場の円安観が強化されうる局面であり、14年末115円と想定する。 「強いドル」に対して、円もユーロも安くなるため、ユーロ/円は140円台で一見安定するかの軌道が計算上導かれる。しかし、現実には神経質で広めのレンジで上下動が生じると見る。なお、大幅なユーロ安は世界をリスクオフに突き落としかねない一方、円安は世界がリスクオンの時に進行しやすい。円こそがファンディング通貨としてポジティブに活用しやすい。 円安は対ドル110―115円程度まで日本株高を促そう。日本株価はある程度円安と米国株高に連動する。14年にドル/円がさらに10%上昇し、米国株価が10%上昇する時、日経平均株価は1万9000円を見込む。曇天の世界経済に薄明りがじわり広がる程度でも、円安と日本株のアウトパフォーマンスによって、日本は際立って明るく見えるだろう。 *田中泰輔氏は、ドイツ証券のグローバルマクロリサーチオフィサーでチーフ為替ストラテジスト。日本長期信用銀行、クレディ・スイス、野村証券などを経て、2011年11月より現職。
金下落が示すインフレ懸念後退、米利上げ観測は依然水面下 2013年 12月 20日 15:56 JST [東京 20日 ロイター] -金価格の下落が止まらない。売りが売りを呼ぶ展開になっているが、米量的緩和の縮小決定がさらに拍車を掛けた。インフレ懸念が後退し、ヘッジ手段としての金需要が減少しているという。 インフレ率2%をめどとした現在の米金融緩和政策は物価上昇にもろい側面を持つが、マーケットの懸念は低いようだ。ただ、原油上昇によるインフレリスクへの警戒感もある。 <物価上昇にもろい米緩和フレーム> 金価格は19日の米市場では、2010年8月以来3年4カ月ぶりに1200ドルの大台を割り込んで取引を終了した。2011年9月に1920ドルを付けて以降、下落傾向が続いているが、ここにきて心理的節目を割り込んできた。 足元の下落要因の1つは「インフレ懸念の後退」(ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏)だ。これまでは米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融緩和策によって物価上昇が進むのではないかとの不安があり、安全資産としての需要もあったが、量的緩和の縮小(テーパリング)が決定されたことで、インフレ対策としての魅力が薄れているという。 この反応はFRBにとっても朗報だろう。18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決めた100億ドルという少額の買い入れ縮小と、将来の政策指針を示すフォワード・ガイダンスの組み合わせは、市場に安心感を与えたが、「バブルを生みかねないほど市場にやさしい内容」(国内シンクタンク)であり、インフレ圧力につながりかねないとの懸念もあった。 FRBは、失業率が6.5%以下に低下しても、インフレ率が目標となる2%を恒常的に下回るようであれば、ゼロ金利を続けると表明。市場も緩和環境が長期化するとの安心感からリスクオンに動いているが、裏を返せば「失業率改善や物価上昇にもろいフレーム」(国内証券)ともいえる。 いざとなれば失業率目標は下げることができるが、物価目標を緩めてしまえば、インフレ高進というツケがまわってくる。インフレの芽が見えたときには、すぐに金融引き締め方向に動かないと危険だ。 <ワークしない米フィリップス曲線> ただ、金価格の動向を見る限り、市場のインフレ懸念は現時点では大きくないようだ。米国の消費者物価指数(CPI)は10月が総合で前年比1.0%上昇とディスインフレが懸念されるほど落ち着いている。食品・エネルギーを除くコア指数も前月比0.1%上昇。前年比では1.7%上昇と低い。 「物価が低位に押さえれらていることがテーパリングを決定させた大きな要因だろう。雇用と物価の相関関係も最近は崩れているので、雇用が改善しても物価は上がらない状況が続くのではないか」と第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏は指摘する。 米国の失業率は7.5%付近から7.0&付近まで低下してきたが、物価は1%付近で止まったまま。労働参加率の低下がその原因ともみられているが、いわゆるフィリップス曲線はワークしていない。 ただ、現時点では急激な物価上昇を懸念する声はそう多くないが、リスクは原油上昇とみられている。原油価格は、いまは落ち着いているが、地政学的リスクの「火種」は現在でも多数くすぶっている。 米国ではシェールガス革命が進んでおり、原油輸入の中東依存度が低下する可能性がある。市場では「米国の中東への関心が薄れれば、同地区の不安定化につながりかねない」(国内投信)と懸念する声も多い。
コラム:霧晴れぬ米経済、QE縮小後の前途多難=山下えつ子氏 2013年 12月 20日 12:25 JST 山下えつ子 三井住友銀行 チーフ・エコノミスト(2013年12月20日)
9月に見送られたのち今月18日に決定した量的緩和(QE)縮小は、米連邦準備理事会(FRB)にとって今年の積み残し案件だったが、バーナンキ議長にとっても任期終了前に決着できたことで心残りがなくなっただろう。 QEは、いうまでもなく、米国では2008年以降の金融危機への対応として始められた政策である。今ではFRBのバランスシートは約4兆ドルとなり、月額850億ドルの資産購入を継続すれば、あっという間に5兆ドル、6兆ドルと膨らんでいく。今回は資産購入額を750億ドルに減額しただけだが、おそらく1年ほどの期間で終了することになり、いずれはバランスシート縮小のプロセスに入るだろう。 06年に就任したバーナンキ議長の主要任務は08年9月に起きたリーマンショック以降の金融危機への対応だったが、イエレン次期議長は当面、QE終了とその先の利上げ、そしてバランスシート縮小といった主要任務にあたることになる。こうした金融政策の正常化をマーケットや国内外の経済に悪影響を及ぼさずに進められるのか。その経験は世界中のどこにもなく、また良い方策が用意されているわけでもない。これがイエレン次期議長の直面する大きな課題だ。 しかし、筆者は金融政策の正常化の方法論よりも、そもそも政策の正常化を粛々と進められるほど米国経済自体が正常化しているのかという点に疑問を抱いている。そして、そのことが金融政策の正常化を進めるうえでの足かせになることを恐れている。 <米国経済の構造的脆弱性> 米国の雇用情勢は改善してきたが、依然として金融危機前の水準には戻っていない。製造業の生産水準はようやく戻ったばかりだ。設備稼働率で見ると、これも危機前の水準には戻っていない。つまり、金融危機の発生から5年以上が経過したにもかかわらず、米国経済の状況は正常化していないのである。 そして、この5年の間に、米国の企業と消費者の行動パターンや金融機関の動向にも変化が生じたと考えられる。企業のキャッシュフローは積み上がっているが、雇用や設備投資には消極的だ。消費者は借金体質から回復した後、堅実な暮らしを続けている。結果として個人消費の伸びは抑制されている。また先般のボルカールールの承認にも象徴されるように、金融規制は強化される方向にあり、金融機関の行動もクレジット拡大には向かいにくくなっている。不動産バブル崩壊以降の日本が経験したような姿がここにある。 今回のQE縮小の決定では、足元の米国景気に改善が見られることが大きな支援材料になった。雇用統計では非農業部門雇用者数は月間20万人以上増加し、失業率は想定よりもかなり早く7.0%まで低下した。住宅市場にもリバウンドが見え、生産活動にも上向きの方向が出ている。財政協議が進展したことも追い風だった。ところが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文や経済見通し、またバーナンキ議長の記者会見といった情報からは、QE縮小の開始については良しとしたものの、米国経済の中期的な先行きや物価動向については、むしろ心配している様子がうかがえた。これはQE縮小を決定した会合時の情報発信としては意外な内容だが、筆者にはうなずける。 FRBの経済見通しの中では、インフレ率は15年にかけて目標の2%へ上昇していく絵が描かれている。だが、声明文では「低インフレがリスクであり、物価動向を監視する」とある。またバーナンキ議長の記者会見でも、その点が重要であることが強調された。失業率、言い換えれば短期の景気については、FRBは大きな心配をしていないのだろう。だが今回、利上げのフォワードガイダンスに追加された「失業率が6.5%以下でも利上げしない」という一見、理解に苦しむ説明のカギはこのインフレにある。 要するに、前述のような金融危機後の経済の構造的な変化によって、米国経済は低成長が続き、その過程で日本のようにデフレになってしまうのではないか。FRBは決してそこまでは認めない。だが、今回の声明文や記者会見、そして慎重な利上げ見通し、これらはすべてFRBのデフレ懸念を示唆している。そうでなければ、失業率が6.5%に達した後、1年間も利上げしないという理由を説明することはできない。 筆者はかねてより、「米国の日本化」リスクを心配してきた。今回のFOMCの内容を見て、FRBも相当程度の懸念を持っていると感じる。バランスシートの拡大を考えれば、QE縮小は少しずつ進められ、いずれ終了するだろう。だが、利上げについては厳しい道のりとなろう。 今年の終わりから来年の始めは、景気の回復期待とそれを背景とする株式相場の上昇というアップビートな展開になるだろう。しかし、経済の構造的脆弱性ゆえに、大きなリスクがなくても、成長スピードが右肩上がりになれずに年央には失速という経路になりそうだ。イエレン次期議長は金融政策の正常化と米国経済の構造的脆弱性の間で難しい舵取りを迫られることになるだろう。 *山下えつ子氏は、三井住友銀行のチーフ・エコノミスト。東京大学経済学部卒。1990―2000年ロンドン駐在エコノミスト、2003年より現職。現在は米ニューヨーク駐在。
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