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株式日記と経済展望
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アベノミクス効果がなかなか現れないのは、日本の家計金融資産で、株式など
証券資産は14%に過ぎないからだ。金融緩和と株高と消費拡大が本筋。
2013年12月19日 木曜日
株価の上昇も個人消費の拡大に結びついていない。
◆お札じゃんじゃん刷っても賃金上がらず そんなに甘くない 12月18日 田村秀男
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131218-00000501-fsi-bus_all
昨年12月16日、「大胆な金融緩和」を掲げた自民党の安倍晋三総裁が衆院選で圧勝し、「アベノミクス」を打ち出した。その「第1の矢」である、継続的に大量におカネを増発する日銀の量的緩和政策にマーケットは大きく反応し、多少の波乱はあっても円安・株高基調が続いてきた。これで雇用が増え、賃金も上がるならめでたし、めでたし。なんのことはない、景気をよくするためにはお札をじゃんじゃん刷ればよい、ということになるが、そんなにうまくことは運ばない。
量的緩和は、2008年9月のリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)を筆頭に米欧が実施してきた。日銀は安倍政権になって背中を強く押されてやっと追随した。中央銀行は金融機関から国債などの金融資産を買い上げる。金融機関はそのカネで株式を買えば、株価が上がる。銀行から融資を受ける消費者は住宅や車を買う。企業は株式市場から資金調達しやすくなり、設備投資を増やす。需要がこうして増える。他方、発行量が多い通貨の値打ちは、量の少ない通貨よりも落ちるので、通貨安となる。すると輸出が有利になる。通貨レートが安くなれば、物価が上がる。デフレはこうして止まるし、景気もよくなるはずだ、というシナリオだ。その通りコトが運ぶか。
米国の場合、量的緩和効果で少なくても、1930年代のような「大恐慌」は避けられた。景気のほうは遅々としながらも、次第に上向いている。だが、日本は米国とは金融構造が大きく異なるうえに、「15年デフレ」にどっぷり漬かってきた消費者も企業も行動を変える気になるまでは時間がかかる。
今年6月末現在、日本の家計金融資産の54%は現預金で、株式など証券資産は14%に過ぎない。米国とは真逆で株高による資産増効果は小さい。グラフは、昨年10月または7〜9月期を100とした各種経済指標である。円安で株価はグンと押し上げられている。ところが、家計消費水準は消費税増税前の駆け込み需要のある住宅を除けば1年前より悪い。株高による高揚感は、東京・銀座の欧州製高級車店をブランド物で着飾ったセレブでにぎわしているだけのようだ。
製造業で円安の恩恵を受けているのはもっぱら大企業である。アベノミクス開始後、中小企業は逆に収益を減らしている。勤労者は3%以上賃上げがないと懐具合は悪くなる計算だが、企業雇用の3分の2を担う中小企業の多くは今でも円安に伴う仕入れ原材料コストの上昇を販売価格に転嫁できない。
円安でも貿易収支赤字が増え続けている。量で見ると、輸出は東日本大震災後、最近に至るまで下落基調が止まっていない。輸入量は2010年初めから増加の一途をたどり、アベノミクス開始後は伸びが止まったものの、高水準のまま推移している。リーマン後、さらに東日本大震災後の超円高局面で、日本企業は海外生産拠点を増強し、そこからの部品・完成品の輸入を増やしている。日本からの現地への輸出型から、現地から日本への輸出型へとビジネスモデルを切り替えたのだ。それを元にもどすのは、さらに円安を促進し、定着させるしかない。
問題は14年4月の消費税増税後だ。日銀の政策委員会の大勢は来年の消費者物価上昇率を消費増税の影響分を含め3%前後とみているが、1年物定期預金の利率は0.2%に過ぎない。インフレ分を勘案すると家計資産はかなり目減りする。住宅や自動車、家電など耐久消費財の需要は消費増税前の駆け込み需要から一転して大きく落ち込む恐れがある。16日に発表された日銀の短期経済観測では大企業が設備投資計画を減額修正している。財務省の法人企業統計でも大企業の設備投資は前年水準を下回る。
消費増税後の景気落ち込みをカバーする決め手は、もっぱら「金融の追加緩和」だと、マーケット関係者が催促する。黒田東彦日銀総裁も「景気が不安になっても金融で対処できる」と消費増税を後押しした。消費増税によるデフレ効果を懸念してきた安倍首相周辺でも「黒田さんはやってくれるでしょうね」(内閣参与の浜田宏一エール大学教授)と期待が大きい。
金融緩和は確かに、円安・株高をもたらしたが、アベノミクス1年をみると、それだけでは、実体経済を浮揚させるのに不十分なように見える。追加金融緩和にばかり頼らず、安倍政権はアベノミクス第2の矢の財政出動、第3の矢の成長戦略でかなり大胆な手を打つべきではないか。(SANKEI EXPRESS/産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男)
(私のコメント)
「株式日記」では株価の変動は、中央銀行の金融緩和と深い関係があると書いてきました。つまり株価を見れば中央銀行の金融が緩和しているか緊縮しているかが分かる。株価は景気とはあまり関係が無く、昔から「不況期の株高」と言う言葉があった。つまり昔は不景気になれば金融を緩和して銀行などは株を買って金融収益を稼いだ。
ところがバブル崩壊で、株価が5分の1まで値下がりしても日銀は金融を緩和をしなかった事が明瞭だ。一時的に政府からの要請で緩和する事があってもすぐに回収して引き締めてしまう。アメリカのFRBのように常識はずれの金融緩和をしていれば株価も土地価格も底を打って消費にも好影響を与えたのでしょうが、アベノミクスでようやく日銀は大規模な金融緩和に踏み切った。
それ以外にも97年に大蔵省は銀行への護送船団方式を止めてダメな銀行は潰す政策に切り替えたことで、銀行は自己防衛に走り貸し渋りや貸し剥がしに走って多くの企業がバタバタと潰れて行った。当時は構造改革の言葉が流行って企業倒産すると小泉首相は構造改革が進んだと喜んだ。
このような結果、建設業はバタバタと潰れて、東日本大震災や好景気が来ても建設会社は人手が無く事業はあっても小さな工事は引き受ける建設会社が無いという状況が生じている。明らかに建設会社潰しはやりすぎであり、大災害が起きても復旧工事をする建設会社が無い。大雪が降っても除雪するブルトーザーが無いのだ。
20年も続いたデフレ不況は日銀が仕掛けたものであり、インフレを恐れるあまり緊縮政策が続けられた。金融が引き締められれば円高になり円は1ドル=75円まで進んだ。インフレが無いという事で世界中から円を買う動きが円高に結びついた。しかし緊縮政策が続いてデフレにまでしたのは行き過ぎであり、日銀の責任が問われる。
「株式日記」では一貫して金融緩和政策を訴えてきましたが、エコノミストや経済記者などは日銀の手先が多くてテレビや新聞には日銀の政策が支持されてきた。最近になってようやく金融緩和すれば円安になり株価が上がる仕組みが政治家にも理解されるようになり、安倍内閣でようやく大規模な金融緩和が実施されて円安株高で景気回復の兆しが見えてきた。
しかし問題はこれからであり、どうやって消費拡大に結び付けるかが課題ですが、日本では田村秀男氏が書いているように、アメリカのように株価の上昇が消費拡大に結び付かない。日本では14%しか個人は株を持っていない。住宅などの不動産の資産割合が大きいから土地価格の底打ちが景気上昇に結びついているが、住宅地などはまだ値下がりが続いている。
土地価格の暴落は、商業地などでは10分の1まで下がりましたが、10億円の価値のある商業地が1億円になってしまったら、そこに建てられたビルは経営が成り立たなくなり返済不能になり銀行に差し押さえられてしまう。個人の住宅でも8000万円で買った住宅が300万円で売らなければならないようになり5000万円の借金だけが残った。
今では個人で株式に投資している人は数パーセントにすぎないだろう。20年も続いた株価の下落は個人投資家を根絶やしにしてしまった。株価は企業業績よりも日銀の金融政策を見て売り買いしたほうが投資効率は高い。黒田日銀総裁が常識はずれの金融緩和に踏み切ったのだから、株価も常識はずれの上昇する展開も考えられる。しかし個人投資家が戻るにはまだ時間がかかる。
円の為替レートも日銀の金融政策次第で決まるのだから、FXも日銀の金融政策を見て投資すべきなのだろう。アメリカが昨日金融緩和の縮小を発表しましたが、これからしばらくは円安ドル高が続くのだろう。国債の買い入れを毎月8兆円から7兆円にする程度ですが、日本でも毎月7兆円程度国債を買い入れている。
それだけ円が市場に放出されているわけですが、国債を売った銀行は何で運用するのだろうか? 米国債を買ったり株を買って金融収益を稼がなければならない。つまり銀行は株を買って金融収益を稼いで利払いに充てなければならない。本来ならば個人投資家も株に戻ってこなければならないのですが、個人投資家で株式に経験のある人が消えてしまった。
誰もが怖がって株を買わないときに買って、だれもが強気になって家庭の主婦までもが株を買うようになったら売るべきだろう。株価の値上がりはまだ第一段階であり一番底を付けに来たら買い出動すれば成功する確率は高い。去年の暮れの大底を買えた人は僅かですが、プロの投資家は一番底で買い出動する。注目株は今まで売り叩かれてきた輸出株でしょうが、銘柄やタイミングは分からない。10年前の株式日記を紹介します。
◆日銀はインフレターゲットより株価ターゲット政策 日経ダウ20000円目標で無制限で買いまくれ! 2003年1月16日 株式日記
http://www.asyura2.com/2003/hasan19/msg/379.html
今回は、株を買うのが政府ではなく日銀ですから話は違います。なぜなら、政府は株を買う資金に限りがありますが、日銀が意地でも株価を上げようというのであれば、紙幣をどんどん刷って、それを株の購入代金として支払えば良いのでいくらでも買うことが出来ます。ですから、必ず、株価を上昇させることができます。
しかも、いったん株価が上昇すれば、株価の下落で胃の痛い思いをしていた人も、株価上昇で儲かるようになり、消費も活発になるでしょう。消費が活発になれば、企業の注文も増加し、高い株価に見合った企業の業績に改善されていくものと思われます。また、株価が上昇すれば、大量の株を保有している銀行や生命保険会社も持っている株の価値が上昇し、経営体力も大幅に改善され、金融危機も緩和されるはずです。そうなれば、さらに、人々の見通しは明るくなり、ますます、景気は良い方向に進んでいくと思われます。(石川秀樹)
毎日のように、日本の経済の崩壊をあらわす大ニュースが起きているのに、テレビなどのニュースは朝鮮半島情勢や、アメリカのイラク攻撃ニュースに時間を割かれ、日本経済が危機的状況であるニュースは脇に追いやられている。今や上場企業の倒産のニュースも毎週のように起きている。だから誰も驚かなくなり、経済に対する感覚が麻痺してしまったようだ。
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