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2013.12.18 「日本」の解き方
「正念場のアベノミクス 日本財政の役割を問い直す!」というテーマのシンポジウムが9日、衆議院第1議員会館で開かれ、筆者は基調講演をした。
シンポジウムを主催する国家ビジョン研究会は、日銀法改正やデフレ脱却など経済・金融・財政に関する提言の他にも、メタンハイドレート開発に関する政策提言などユニークな活動をしてきた。
アベノミクスの金融政策は、国家ビジョン研究会でも出たデフレ脱却策にかなっていて、これまでのところ予想通りの成果を上げている。
ただし、来年の懸念材料は消費税増税である。しばしば、金融政策や財政政策の効果を分析したマンデル=フレミング効果を持ち出し、「日本は変動相場制なので、金融政策は有効だが財政政策は効かない。このため財政政策の一種である増税をしても、大きな景気の落ち込みはない」という人がいる。
こういう人は「文字」でしか理解できないのだろう。マクロ経済に限らず、経済学ではほとんど「数式」で記述することができる。いくつかの連立方程式体系でマクロ経済を記述すれば、変動相場制であっても財政政策が効くかどうかは、金利にどういう影響があるかどうか、つまり金融政策の状況に依存することがわかる。十分に金融緩和していれば、財政政策も十分に効くのである。
この意味で、今は「異次元の金融緩和」を実施しているので、積極的財政政策も緊縮的財政政策も両方ともに効くといえる。したがって、緊縮的財政政策である増税も景気をかなり落ち込ませると考えるわけだ。
これを中和化するためには、金融政策と財政政策というマクロ経済政策による景気対策しかない。マクロ経済対策の場合、有効需要の観点からみて、まず重要なのは量である。はっきりいえば、中身は二の次である。
まず金融緩和である。しかし、金融政策の本格的な効果が表れるまでには2年程度のラグ(ずれ)があるので、来年4月からの景気の落ち込みにはちょっと間に合いそうもない。ただし、来年後半には不十分ながら間に合うので、やらないよりはやったほうがいい。
もう一つは積極財政である。これは、執行すれば即効性がある。少なくとも1年以内には効く。今回5・5兆円の補正予算ということになったが、これは今年1月の10兆円補正の半分程度なので、決して十分とはいえない。1年前と比較すればマイナス要因だ。
今年1月の補正予算は、政権交代したので、民主党政権時代にため込んだ国債整理基金をはき出して財源にした「政権交代祝い」だった。今回も同じ手法が使えるのに、やらないのはおかしい。
来年4月に消費税増税という緊縮財政政策で有効需要を少なくするので、本来は同じ財政政策で中和するのが正しい。その中身も、減税か給付金を出すのがいい。
ここまで考えると、消費税増税はやらない方がいいとわかる。愚かな増税には愚かな対策が必要になるのだ。いかに消費増税がダメ政策なのかがわかるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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