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12月日銀短観について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52535032.html
2013年12月16日 在野のアナリスト
某新聞の世論調査で、日米関係がよいと答えた人が55%で最高になった、と報じられます。しかし私のみるところ、今は鳩山政権時と同等の険悪さです。悪い言葉をつかえば、日本のポチ化が強まった、だけです。社主が米知日派と近い新聞だけに、この結果はしてやったりなのでしょう。
そんな米国で、インフレ率の低下を緩和継続の根拠、とする論調があります。しかしこの説でいくと、現在の金融緩和でもインフレ率が低下しており、新たな策が必要です。もし緩和継続だけなら、退任するバーナンキ議長は次期イエレン議長に、宿題を残して引き継ぐことになります。あくまでインフレ率に着目すると、といった話ですが、その説に頼りたいといった心境なのでしょう。
日本では日銀短観が出てきました。大企業製造業DIが+16と9月調査より4pt改善と、リーマン前の高い水準にもどりました。非製造業DIが+20と6pt改善、中小企業製造業DIが+1と10pt改善、非製造業DIが+4と5pt改善。一見すると好調な結果ですが、先行きはいずれも2〜3pt悪化となり、見通しの悪さが影響し、市場は下落しています。内容的にも、建設、不動産、物品賃貸などの消費税増税前のかけこみがかなり利いており、先行きの悪化もこれらの剥落が影響しています。
短観の中で気になるのが、大企業の輸出売上高が、4%しか伸びていない点です。為替見通しも対ドルで96.78円と、前回調査より円安にふっていますが、今は2012年度後半より10%は円安であり、4%では円安効果を下回り、数量効果がのっていないのです。さらに今年下期の経常利益は、総じて下方修正されている。上期の実績が計画より好調だったので、トータルでは下がらないとみられますが、年後半の業績の上方修正期待は、短観からは剥落したとみるべきなのでしょう。
さらに設備投資計画が前年比4.6%増と、前回より0.5pt悪化しており、先行きに暗い影を落としました。実は、土地投資額も大幅なマイナスになっており、建設需要の一巡を感じさせます。また生産、営業用設備の過剰感は残っており、雇用人員判断には不足感がでてきた。これは建設業が顕著で、公共工事の乱発により、技能をもった労働者が圧倒的に不足していることを映します。雇用が改善、という言い方をする場合もありますが、ミスマッチ対策が過大になるのでしょう。
総じて、日銀短観は現状のよさと、消費税増税にむけて身構える、といった色が鮮明です。次回から企業の物価見通し、も項目を付け加えるようですが、内閣府発表の需給ギャップが7-9月期-1.6%と、相変わらず需要が供給を下回る状態です。逆に、ここでインフレになるならそれはコストプッシュ型である、との証明にもなります。外需、内需ともに需要が伴っていない景気回復、という形が鮮明な中で、今後の見通しが悪いという点が、最大の不安にもなってくるのでしょうね。
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