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株式日記と経済展望
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300年持つはずのマンションがなぜ30年で使えなくなるのか? 躯体は300年
持っても上下水道の配管が傷んで30年で交換しなければならないからだ。
2013年12月16日 月曜日
◆老朽マンションの「建て替え」はほぼ不可能という現実 12月15日 ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131215/ecn1312150731000-n1.htm
私は日常業務として、マンション購入に関するさまざまな相談にのっている。都心の古い中古マンションの購入を検討されている方から「建て替えも視野に入れています」という言葉をよく聞く。
昨今、老朽マンションを建て替えるという話題が多くなったため、それを期待するのだろう。しかし、古くなったからといって「建て替えられる」と考えるのは大きな間違いだ。今の法制度ではほぼ不可能と言っていい。
国土交通省の統計では、今年4月1日現在、全国で建て替えられたマンションは、準備中の事例を含めても218件しかない。これに対して、建て替えを視野に入れなければならない1981年以前の旧耐震基準の物件は、全国に3万8000棟以上ある。つまり、今まで0・5%程度しか建て替えが実現していない。そして、今後もこの数字がハネ上がるとは思えない。
建て替えが実現するマンションには共通点がある。それは、誰もが住みたくなるような場所にあって、なおかつ容積率が大幅に余っているということ。
建て替えて住戸数を増やし、それを分譲することで建築費とデベロッパーの利益が出る場合に可能となる。各区分所有者の負担額がゼロでないと、建て替えは不可能と考えていい。そういう条件を備えた老朽マンションは、おそらく全体の2%未満だろう。
法制面で言えば、全区分所有者の5分の4が賛成すれば、建て替えができることになっている。しかし、容積率が余っていないマンションだと、建築費は100%自己負担になる。
建築費は、デベロッパーの発注ベースで1戸当たり2000万円前後。全区分所有者の8割がそれを負担できる物件は、どれだけあるだろうか。
結局、全体の98%以上のマンションは、事実上建て替えが不可能なのだ。多くの人は、この条件を知らずに都心の老朽物件の購入を考えている。何とも危うい。
しかし、建て替え計画のある老朽マンションを購入すると、何年か後に自己負担ゼロで同じくらいの広さの新築住戸を手に入れることができるかもしれない。もしそうなれば、とてつもなくラッキーだ。
実は、そういう“お宝”を見分ける方法もある。やり方は簡単。中古マンションを検討する際、仲介業者に「管理組合の総会議事録を過去3年分送ってください」と依頼すればいい。
建て替えというのは、通常なら10年くらいの準備期間がある。その間、管理組合の主要な議題となるので、必ず総会議事録にそれが出ている。総会議事録をくまなく読めば、建て替えが実現するか否かも、おおよそ予測できる。
もっとも、そういう物件はあまり売りには出ない。また、実現できないマンションよりも価格が高いケースが多い。根気よく探すしかない。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
(私のコメント)
今日のZAKZAKの記事でマンションの建て替えがほとんど出来ない事が記事になっていましたが、本来は鉄筋コンクリートの建物は300年くらいは持つようにできている。それが初期に建てられたマンションの多くが建て替えなければならない状況が来ている。
設計そのものがまずくて時代に合わないのは論外として、躯体はまだ十分使えるのにマンション全体を建て替えるというのは設備面で使えなくなってしまうからだ。あるいはメンテナンスが十分でなくて水漏れがするマンションなどが続出して躯体のコンクリートが劣化してしまう事もある。
多くが上下水道の錆や詰りなどで配管の交換が必要になりますが、配管を交換するには躯体の中に配管がされていて交換が不可能だからだ。もし外配管システムで建てられたものなら生活しながら配管だけを交換する事が出来る。また生活形態の変化で間取りを変える事も出来る。
実は私のアパートも、水道やガスの配管が建物の中に配管してあったのですが、ガス漏れや水道管の腐食で建物の外に配管してガスや水道を供給するように切り替えた。木造の小さなアパートだからこのような事も出来ましたが、大規模なコンクリートマンションだと配管の交換は不可能であり建て替えが必要になる。
最近の配管はライニング鋼管が多くなり寿命が延びましたが、継ぎ手などの錆で詰まってしまう。私の周囲のマンションも40年近くになる老朽マンションが多くなりましたが、大規模修繕を繰り返していますが、外壁などはリフォームできても配管がいかれると交換しなければならず建物ごと壊す必要が出て来るだろう。
しかし大規模修繕が出来ればマンションの寿命も延びますが、数百万から数千万円もかかるから普段から積立が必要だ。しかし分譲マンションだと持ち主と入居者が違う事が多いから建て替えもままならなくなります。管理組合の運営も間借りの入居者が多ければ成り立たないだろう。
最近問題になっているのは5階建ての公営住宅であり、ボックス階段でエレベーターも無く老人などが住めない公営住宅が問題でしょう。戦後多く建てられたコンクリートの公営住宅ですが、場所が良ければ高層マンションに建て替える事が出来ますが、場所が悪いと誰も住まない幽霊屋敷になる。
エレベーターをつけて間取りも自由に変えられるならリフォームすれば住めるのでしょうが、エレベーターも無く間取りも変更できなければ建て替えるしかない。エアコンなどの設備も必要不可欠になっており電気容量なども増加に耐えられるものでないと全部交換するしかありませんが不可能だろう。
来年の消費税増税の前のマンションや住宅の販売が好調なようですが、住宅やマンションが長寿命化に適応しているかどうかを見定めなければなりません。木造住宅でも建材の進歩で100年から200年は楽に持つのですが、設備の更新は避けられない。家族構成の変化で間取りの変更にも適応できなければ需要が見込めなくなる。
分譲マンションが建て替えが必要になっても、実際にはほとんど不可能に近いことが多く、スラム化して幽霊屋敷になって行くだろう。一戸建てでも幽霊屋敷のままの家が多くなって来ていますが、解体して空地にすると固定資産税が一気に上がるからだ。マンションも同じであり幽霊屋敷同前でも放置されることが多い。日本全体がスラム化した住宅だらけになる日が近い。
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