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通貨取引と低成長時代
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52534767.html
2013年12月14日 在野のアナリスト
昨日、株式市場ではメジャーSQの算出日でしたが、15303円とやや下の展開になり、乱高下するといった展開でした。その際、円安、株買いのトレードが発動し、一時円は対ドルで104円に手が届くところまで下落し、海外市場ですぐに103円前半にもどりました。最近、株式市場が下落すると、すぐに年金基金(GPIF)の話題がでてきて、相場を支えようとする、という話もありますが、円に関しても来年は対ドルで110円だ、といった威勢の良い話が聞こえてきます。確かに日本は2ヶ月連続で経常収支がマイナスとなり、円が売られ易い地合いであることに違いありませんが、そんなことを言い出したら米国なんて貿易赤字は常態化していますし、経常収支も何度もマイナスになっています。実需ベースの通貨取引が、相場の方向性を決めるわけではありません。
スイスフランと日本の円は、二大キャリー取引通貨とされており、今も増えているとみられます。しかし一時期より活発でないのは、ボラティリティの大きさを嫌気している、とされます。現在、貿易取引は世界全体でみても、リーマン前より増えているわけではないので、実需ベースの通貨取引が増えているわけではありません。このボラティリティは、すべて金融緩和により金融機関につみ上がった資金、及び市場に流れこむ個人マネーとみられています。
円の投機的ポジションは、13万枚超とリーマンショック以来、最大の売りを示します。こうしたポジションの上下動が、今の変動を生み出しているため、単純に金利差だけで取引するにはリスクが高すぎる。そのためキャリー取引が抑制される、むしろ今の円安は先安期待に支えられた、投機によって為されている。しかし実際、円安になったときはその反対売買がおきる、という矛盾を抱えたまま、多くが円売りにポジションを傾ける、という異常な状況でもあるのです。
よくFRBのテーパリングに関して、労働市場が以前の状況にもどっていない、という言い方で否定する人がいます。しかし以前の状況にもどるのか? 以前、というのがリーマンショック前のことなら、まず無理です。それに匹敵するバブルがおきれば別ですが、そのときはもっと大きな問題がその先に襲います。英中銀のカーニー総裁が、いみじくも「世界は低成長時代にはいったのかもしれない」と発言していますが、まさに私も同意します。少し景気が回復すると、テーパリング、財政健全化などの動きによって、成長率が抑制的になる、それが今後の世界経済です。
これは為替も、株も同様、肥大化した金融が将来への期待として、売りでも、買いでもポジションを積み上げてしまうと、後にそうした動きになれば反対の動きが出て抑制される。今も、株式市場には年末年始にむけて上昇する、というアノマリーに賭けたポジションがつみ上がっています。ただの需給要因だけで、ここから上値をとっていくと、後に大きな反動も出るでしょう。低成長時代、そこにマネーだけが豊富、という歪な中で来年を迎えますが、株式も為替も、ボラティリティに注意が必要な時代になるのかもしれませんね。
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