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制度変更でムチャクチャになる「負担バランス」 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/news/146638
2013年12月13日 日刊ゲンダイ
飲み屋はウハウハ
個人に厳しく、大企業と飲み屋に優しく――それが安倍政権が考える税負担のバランスらしい。自公両党が決定した税制改正大綱に、すでに決まっていたり導入が見込まれる制度も含めると、ムチャクチャな姿が浮き彫りになってくるのだ。
まず、年収1000万円超のサラリーマンは給与所得控除が減らされる。16年は1200万円超、17年は1000万円超と実施は段階的だが、大都市圏のホワイトカラーはかなりの打撃を受けるだろう。
40〜50代ぐらいのサラリーマンは、別の負担ものしかかる。世帯年収で910万円以上の家計は、来年度から高校授業料無償化の対象から外されてしまう。私立高校に通わせている世帯も、就学支援金が打ち切られる。年間11万8800円だから、バカにならない。
そもそも教育は平等であるべきだ。親の所得という概念を持ち込む影響は計り知れない。もちろん貧困家庭で教育費が捻出できないという場合は補助が必要だろう。しかし、共働きなら到達しそうな、さほど高くない基準で線を引けば、払っている払っていないで、肩身の狭い思いをしたり、いじめられたりする生徒が出てこないとも限らない。
大企業には交際費の半分を経費として認め、非課税とするそうだ。これまで資本金1億円以下の中小企業を対象としてきたが、1兆円超にまで拡大し、上限は設けないとある。いったい、これは何なのか。余裕のある企業は、「税金で持っていかれるぐらいなら」と交際費を増やすだろう。ただ、それで儲かるのは飲み屋ぐらいのものだ。サラリーマンの負担が増える一方で、水商売をウハウハにさせてやろうという発想は、はたして、どこからくるものなのか。
企業はカネ余りなのに、投資減税を検討していることもピントがずれている。
消費税の軽減税率も、どこまで本気なのか。10%時に導入するそうだが、現行制度のままで課税と非課税を区別するのはムリだ。インボイスという請求書を回す付加価値税と違い、消費税は、どの段階でだれが税金を負担したのかハッキリしない。支払った税額を分かるようにした上で、還付を受けるようにでもしなければ、正常に機能しないだろう。現行の制度は抜本的な見直しが必要なのだ。
必要なことをやらず、個人の負担だけを増やしていく。メチャクチャな進め方というほかない。
【高橋乗宣】
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