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2013年バカ売れした商品 2014年間違いなくヒットする商品
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37772
2013年12月12日(木)週刊現代 :現代ビジネス
株価の上昇や五輪招致決定で、市場にも活況の兆しが見えつつある2013年。今年ヒットした商品はいかにして消費者の心をとらえたのか。また、一足早く来年ヒットする商品を徹底予測する―。
■コンビニが面白い
「年間販売総量7億杯超」―。'13年、爆発的に売れた飲料がある。何かお分かりだろうか。
1杯100円台の価格が受けて、いま愛好者が激増しているこの商品は、コンビニコーヒーだ。特に1月からセブン-イレブン・ジャパンが本格展開した「セブンカフェ」では、今年度の販売見込みは実に約4億5000万杯、売上高は一杯100円で計算してざっと450億円。冒頭の7億杯というのは、同社を含めたコンビニ大手5社(ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップ)の今年の販売見込み総量だ。
「コンビニコーヒーの効果でこのまま行けばコーヒーの国内消費量は過去最高となる可能性が高い。業界に地殻変動をもたらした商品です」(コンビニ業界関係者)
アベノミクスや東京五輪開催決定で活況を取り戻しつつある'13年、今年も数多くの大ヒット商品が生まれた。その一覧が次ページの表。これは各業界の専門家への取材を元に本誌が選んだものだ。この表を見ながらいくつかのキーワードをもとに、今年のヒット商品の傾向を探っていこう。
まず一つ目に挙げられるのが、今年特に活況を呈したコンビニの〈プライベートブランド〉(PB)。冒頭のコーヒーもその一つだ。コンビニジャーナリストの吉岡秀子氏が解説する。
「各社が質にこだわり、そして朝≠狙ったことで、コンビニの淹れたてコーヒーが爆発的な支持を得ました。いままで朝にコーヒーを買う顧客はスターバックスなどコーヒー専門店に寄っていましたが、どこにでもあるコンビニで良質のものが手に入るということが、利用者にとっては大きな魅力になりました」
同様のPBでは、「金の食パン」もバカ売れした。こちらは1斤250円と、一般的な食パンのほぼ倍の価格ながら4月の発売開始から4ヵ月で1500万個を突破する売れ行き。業界内で食パンの既成概念を打ち破った≠ニ言われる。
「若者がメインに利用していた頃と比べると、いまのコンビニは大人の店≠ノもなりました。金の食パンがヒットしたのはその象徴です。利便性だけでは訪れなかった、主婦やシニア世代など品質を求める消費者に満足してもらえる商品を展開し始めたのが大きいです」(前出・吉岡氏)
家電業界でも〈既成概念を打ち破った〉商品がヒットした。油を使わずに揚げ物を調理できるノンフライヤーが代表だ。商品ジャーナリストの北村森氏が語る。
「キッチン家電は、住宅のわずかな空きスペースをめぐっての戦いになる。ノンフライヤーは、揚げ物に特化した家電です。業界の中には、単機能の商品が競争に入り込む余地はないと見ている人も多かった。特に都心の狭い住宅に住む消費者はそういうものには手を出さないと思われていた。でも、消費者はいいと感じたら置く場所を確保するということが分かったんです」
生産元のフィリップスは当初国内で5万台売れればいいと見込んでいたが、予想以上の売れ行きを見せる。
「発売直後から品薄状態が続き、当初の4倍の20万台まで引き上げたのですが、それでも足りなくなった。年内に30万台までいく可能性もあります」(北村氏)
ノンフライヤーは一台2万9800円(実勢価格)なので、30万台に到達すれば売り上げは約90億円にのぼる計算だ。
ちなみに想定以上に売れたという意味ではアレルギー専用鼻炎薬アレグラFXもそうだった。
「昨年までは医療用の処方薬だったのですが、昨年末に一般用薬品としてドラッグストアでも買えるようになりました。即効性がある一方、眠くなりにくい特徴があり、発売されてから、今年の8月までに約22億円売り上げています。大衆薬市場が伸び悩むなかで、ヒットの目安と言われる年間10億円の売り上げを半年で超えました」(『ドラッグマガジン』誌の菅原幸子氏)
今夏は真夏日が続いたため来年の春まで花粉の飛散量が増える見通しで、花粉症対策の現時点での決定版として引き続き売れそうだ。
また、軽自動車で大人気だったホンダN BOX。「低価格ながら質の高さが受けており、軽自動車だけではなく、普通自動車部門を合わせても1位と、稀にみる好調ぶり」(自動車評論家の国沢光宏氏)と、こちらも来年まで好調を維持しそうな商品だ。
'13年は〈ご当地〉商品にもヒットが目立った年だった。遷宮を迎えた伊勢・出雲旅行や、ここ最近テレビに出ずっぱりの「くまモン」「ふなっしー」などのゆるキャラ、高品質な地ビールとして人気を博したクラフトビールといった地方発のものだけではなく、二大都市に大型の商業施設が誕生した。4月に大阪・梅田に開業したグランフロント大阪は、開業1ヵ月で760万人以上が訪れ、その後も昨年オープンした東京スカイツリーと同等のペースで集客。また東京では東京ステーションホテル(東京SH)がヒットした。
「『大丸有』(大手町、丸の内、有楽町)と呼ばれるこの地域はいま再開発が進んでいて、これから特にホテルの激戦区になっていきます。東京SHは、大丸有のシンボル的な存在です。日本の建築はこれまでスクラップ&ビルドでしたが、最近は明治・大正時代の旧い建物が見直されてきている。そんななか、東京SHは開業当初の東京駅ホテルを復原していて、そのレトロなイメージが受けました」(観光ジャーナリスト・千葉千枝子氏)
■五輪でいかに儲けるか
さて、ここからは今年の流れを踏まえて、来年どんな商品がヒットするのかを見てみよう。'13年と同じように、いくつかのキーワードが浮かび上がった。
まず注目は〈五輪〉だ。東京五輪の開催は7年後とまだ先だが、関連市場は既に動き始めている。外国人おもてなしホテルが代表的なものだ。
「アベノミクスで円安になったこともあり、訪日外国人数がこれまで超えたことのない1000万人を突破するのは確実な勢いです。加えて五輪が開催されるということで、現状のままではホテルの客室数が不足する。それに備えて、外国人を受け入れる施設の在り方も再考されています。例えば、ゲストハウスと呼ばれる、ウィークリーマンションのような短期賃貸物件。また、ビザが緩和されてイスラム圏の人たちが多く日本へ来るようになったため、イスラム教徒対応のホテルも増えるでしょう」
2014年 ヒットする商品
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五輪は五輪でも来年2月のソチ大会に向け小型4Kテレビがブレイクの予感だ。
「大きな画面で楽しむものと考えられている4Kテレビですが、40型以下の比較的小型サイズでも十分楽しめるうえ、低価格化も期待できる。ソチ五輪だけではなく、6月からのブラジルW杯ともあいまって、4K市場の第一幕が始まりそうです」(マーケティング調査会社BCNのエグゼクティブアナリスト・道越一郎氏)
〈税対策〉に向けて期待を集める新制度も見逃せない。来年1月からスタートするNISA(少額投資非課税制度)である。株の売却益、配当、投資信託などに対する税率が、来年は現行の10%から20%に上がるが、NISAは年100万円までの投資で得た利益が非課税になる。経済ジャーナリストの荻原博子氏は「この秋から受け付けが始まり、すでに400万件あまりと申し込みが殺到している。人気が出るのは確実でしょう」としながらも、次のような注意点をつけ加える。
「例えば100万円投資したものが50万円になった場合、普通の口座のように塩漬けにしてずっと持ち続けるということができないんです。最長でも5年しか持てなくて、その時点で売却するか、普通の口座に移すかといったシビアな選択肢しかない。しかしNISAを売り出している証券会社や銀行、生保は、プラス面しか言いません。投資商品というのは、増える可能性もあれば減る可能性もあるわけです。そのことももっと考えなければ痛い目に遭う可能性もあります」
税対策とも関連して、前出の商品ジャーナリスト・北村氏は、「〈惨めにならないリーズナブルさ〉がキーワードになる」と語る。
「来年4月には消費増税が行われます。そんななかで、単に値が安いというだけではなく、使って楽しい物、安物を買ってしまったという惨めさとは無縁の付加価値のあるものが、これまで以上に売れると思います。
たとえば、スポーツカー的な要素が加わったスタイリッシュな軽自動車に注目です。代表的なのが、来年発売されるダイハツの『コペン』。これは自動車ばなれが進んでいる若者向けのアピールにもなります。一方で子育てが終わったり、定年を迎えたシニア世代が乗る趣味のクルマとしてもアピール力を持つと思います」
この他にも、前ページの表に記したように、スマホに代わるデジタル機器として注目を浴びる、ウェアラブル機器(メガネ型PCのグーグル・グラスなど)や、震災以降、部屋不足が続いていた被災地に相次いで建てられる予定のビジネスホテル「ルートイン」、冬場に消費の落ち込む炭酸飲料の救世主として期待されるホット炭酸など、'14年のヒット商品候補はまだまだある。
ヒット商品を読み、より楽しい生活を送るチャンスをぜひ見逃さないでほしい。
【コメンテーター一覧】おおたとしまさ(教育ジャーナリスト)、荻原博子(経済ジャーナリスト)、北村森(商品ジャーナリスト)、国沢光宏(自動車評論家)、菅原幸子(『ドラッグマガジン』誌編集)、千葉千枝子(観光ジャーナリスト)、マッキー牧元(「味の手帖」編集顧問)、道越一郎(マーケティング調査会社BCNエグゼクティブアナリスト)、吉岡秀子(コンビニジャーナリスト)
「週刊現代」2013年12月14日号より
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