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6月の米中首脳会談。アメリカは再び世界の盟主に(Photoshot/アフロ)
米ドルは、再び世界最強の通貨になる
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131211-00026089-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 12月11日(水)8時0分配信
シェール革命の真骨頂は、なんといっても、アメリカが再び世界経済の絶対的な盟主に復帰する大きなチャンスにつながるということです。
■ アメリカは不死鳥のごとく、よみがえる
今も世界最大のGDPを誇るアメリカ経済ですが、2008年のリーマンショック後は、さすがのアメリカ経済も長期低迷に入るとともに、1990年代から勃興してきた中国に、経済大国の座を奪われるのではないかという見方もありました。事実、世界の基軸通貨は米ドルから中国の人民元になるのではなどと、まことしやかにいわれたものです。
しかし、アメリカ経済がこの先没落していくなどということは、とんでもない与太話です。おそらく、これからのアメリカ経済は不死鳥のように蘇り、世界のどの国も、同等に立ち向かうことができないまでに復活を遂げていくでしょう。そうなれば、米ドルは今後、上昇傾向をたどっていくことが考えられます。
確かに、私たち日本人の目から見れば、2012年の秋口から昨今に至る円安局面というのは、一見すると「アベノミクスが成功したから」というように映るでしょう。
でも、実際はそうではありません。実はアベノミクスがなかったとしても、円安が進む可能性は多分にあったのです。円安に転換する理由の最たるものは、シェール革命です。アメリカはいわずと知れた世界最大のエネルギー消費国です。2011年時点で、自国のエネルギー需要の約20%を輸入に頼っています。
この状況が何をもたらしているのかというと、アメリカの貿易収支の巨額な赤字です。アメリカが抱えている貿易赤字の実に半分以上は、中東からの原油の輸入によって計上されているのです。
■ シェール革命で、エネルギー・軍事コストが劇的に削減
ところが、アメリカ国内でシェールガスやシェールオイルの採掘が可能になり、その採掘量が右肩上がりに増えてくると、中東産の原油を輸入する必要がなくなっていきます。これは、長期的に見て貿易収支の赤字額が減少傾向をたどっていくことを意味しています。貿易収支の赤字が減ることによって、米ドルは、上昇していくことになるでしょう。
もう1つ、シェール革命がアメリカにもたらすメリットは、軍事費の削減です。アメリカが国内の旺盛なエネルギー需要を満たすため、中東から大量の原油を買っているのは、すでに説明したとおりです。
ここで大きな問題があるのは、中東から原油を買いつけたあと、それをいかに安全にアメリカ国内まで運んでいくかということです。タンカーによって海上輸送を行うに際して、反米アラブ諸国からの攻撃を受けないとも限りません。そのため、アメリカは「北アフリカ・中東・南アジア」地域で軍を展開しているのです。
しかし、仮に将来、中東産原油に依存する比率が著しく低くなったら、中東方面にアメリカ軍を展開する必要性が薄れていきます。結果、アメリカの国家予算に占める軍事費が減少し、財政収支の赤字も減らす効果が期待されます。
■ 長期的には、ドル高が進む前提で企業経営をせよ
アメリカは近い将来、世界一のエネルギー大国になります。2015年には天然ガスの生産量でロシアをすでに追い抜き、原油の生産量でもサウジアラビアを抜くといわれています。結果、天然ガスと原油という2つの資源で、アメリカは世界一になるということです。これが為替のマーケットに何の影響も与えないはずがありません。
アメリカの生産力が高まる私達の身の回りには、石油から作られるモノがたくさんありますが、シェールガスが普及すると、多くのモノが安価なシェールガスで作られるようになるわけですから、モノの値段は全体的に以前より安くなっていくでしょう。
たとえば、プラスチックの原料になるエチレンは石油から作られていますが、これをシェールガスで作ろうとすると、従来の10分の1〜20分の1でできるようになるのです。
アメリカは豊富なシェールガスを使って、圧倒的に安いコストでモノを作れるようになるわけですから、アメリカの企業の生産性が高まって、国際競争力が増してくるのは間違いありません。その結果、当然、輸出も増えてくることになるでしょう。このような流れで考えると、日本の企業はこの先、今後は、円高リスクに備えるのではなく、むしろ長期的にドル高が進むのだという前提で、経営方針を考える必要があります。
中原 圭介
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