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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9B902920131210
2013年 12月 10日 12:29 JST
[ニューヨーク 9日 ロイター] -2013年が年末に近づくなか、多くの米資産運用会社は好ましからざる状況に置かれていることを自覚しつつある。彼らの顧客が長年主な投資先としてきた債券ファンドのいくつかが売りを浴びているのだ。
S&P総合500種.SPXが年初来で約25%上昇しているのに伴い、金融アドバイザーは年内に、運用成績が最も悪い債券ファンドの売りに動くことを検討している。目的は、損失確定を通じた株式資産にかかるキャピタルゲイン課税の相殺にある。
今年の場合、年末に絡む課税対策売りの対象がよりリスクの高い株式ファンドではなく、パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)やT・ロウ・プライス(TROW.O: 株価, 企業情報, レポート)、バンガードといった巨大資産運用会社が提供する人気の債券ファンドに向けられている点がいつもとは異なる。
エクセンシャル・ウエルス・アドバイザーズ(顧客資産12億ドル)のティモシー・コートニー最高投資責任者(CIO)は「債券のほかに大幅な損失は存在しない」と指摘した。
米国の債券市場全般は年初来の下落率が4%を超えている。打撃となったのは、米連邦準備理事会(FRB)が近く量的緩和(債券買い入れ)を縮小するとの観測だった。
こうした中で、一部のアドバイザーは来年、損失確定後30日間の再投資禁止期間が明けても債券に資金を戻さないかもしれないと話している。
S&PキャピタルIQの投資信託調査ディレクター、トッド・ローゼンブルース氏は「毎年、投資家が新たな資産配分を決める際に成績不良(のファンド)からは手を引くのを目にする。投資家は資金の有効活用を望んでおり、債券ファンドがかつてのようなリターンを提供していないのは明らかだ」と述べた。
債券ファンドは本来、他の資産に比べて低いリスクで着実な配当収入をもたらす安定的な投資手段と考えられているが、今年後半はFRBの政策運営をめぐる不透明感が市場を悩まし、債券価格が下落して利回りが上がった。
リッパーの見積もりでは、債券市場は今年前半、1310億ドルの資金が流入した後、6─11月に850億ドル前後が流出してしまった。
リッパーの調査サービス責任者、トム・ローゼン氏は、ポートフォリオマネジャーが顧客向けの年末時点の運用成績報告の見栄えを良くするために行う「ウィンドー・ドレッシング」により、年末にかけて資金流出が加速するかもしれないとの見方を示した。
<成績不振>
米国の債券市場全体の代理変数となる、146億ドル規模のiシェアーズ・コアUSアグリゲート債券指数(AGG.P: 株価, 企業情報, レポート)は、年初来で4.1%下落している。
大手の投資信託や上場投資信託(ETF)の中で年間パフォーマンスが最悪になるのは、通常はよりリスクが大きかったり、レバレッジを使用して損失が増幅される傾向がある株式ファンドやコモディティファンドであるケースが多く、債券ファンドであることはめずらしい。
しかしリッパーのデータによると、今年は資産10億ドル超の規模で年間リターンのマイナスが3%より大きくなった投資信託168本のうち73本は債券ファンドだった。
投資家にとって主流の運用先だったいくつかのファンドも、アンダーパフォームしている。例えば168億ドル規模でインフレ連動債に投資しているPIMCOリアル・リターン・ファンドPRRIX.Oの年初来の下落率は8.5%を超えた。39億ドルのT・ロウ・プライスのインターナショナル新興市場債券ファンドPREMX.Oと、15億ドルのバンガード・ロングターム・トレジャリー・ファンドVUSTX.Oの下落率もそれぞれ8.3%と12%に達した。
モーニングスターによると、PIMCOリアル・リターン・ファンドは年初から11月末までに69億ドルの資金流出に見舞われた。昨年は18億ドル、2011年は13億ドルの純流入だった。
エクセンシャル・ウエルス・アドバイザーズのコートニー氏は、既に今年売却する分は手続きを終えたとした上で、来年は債券の運用比率を引き上げないとの意向を表明。「しばらくは債券をアンダーウエートにすることを想定している」と語った。
(David Randall記者)
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