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今年の株式市場はバブルだった、といえる理由 いまから株を買っても、本当に儲かるのか? (東洋経済) 
http://www.asyura2.com/13/hasan84/msg/345.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 12 月 09 日 08:20:00: igsppGRN/E9PQ
 

アベノミクス相場は第2幕へ。このあと、何が待っているのか(撮影:尾形 文繁)


今年の株式市場はバブルだった、といえる理由 いまから株を買っても、本当に儲かるのか?
http://toyokeizai.net/articles/-/25876
2013年12月09日 小幡 績 :慶應義塾大学准教授 :東洋経済


株価は、ここ数日は大きく下げた後、再び反発しようとしている。今回の下落は、バブル崩壊の予兆ということなのか、それとも単なる調整か。ここは買いチャンスなのか、売るべきときなのか。

今の株式市場、あるいは「これまでの株式市場がバブルかどうか」という点は意見が分かれるだろうが、今年、株式ブームが起きていることは事実だ。新たに株式市場に参加してきた個人投資家が多数いるが、彼らは儲けることができるのだろうか。そもそも、なぜ株は儲かるのか。なぜ投資をすると儲かるのか。

■リターンを得るには、リスクを嫌う人がいるのが前提

投資がリターンを得られる理由は2つである。

教科書的には、「リスクの対価としてのリターン」である。リスクのないところにリターンなし、フリーランチは食えない(ただ飯はない)、などいろいろな言い方がされるが、要は、リスクという、一般的には嫌がられるものを引き受けることによって、その報酬としてリターンが得られる。このリターンが儲けである。

保険を引き受けて、対価を得るということと同じだ。つまり、株式投資が儲かるのは、株式というリスクのある資産を引き受ける(保有する)ことによって、そのリスクを甘受した分、リターンを上げる、株価が上がって儲かるということである。

別の言い方をすると、リスクのある資産は、リスクを嫌う人によって避けられているから割安になっていて、割安だから買うと儲かるのである。これがリスクに対する報酬だ。しかし、この議論には隙がないように見えて、矛盾がある。

なぜなら、リターンが得られる理由はリスクがあるから、ということだが、このリターンが実現するためには、リスクを嫌う人々がいないといけない。つまり、リスクが嫌でみなが引き受けない。だからリスクのある資産は売れなくて割安になる。「そういう状態」が現実に成立している必要がある。そのときに割安になったものを買うから、リターンが得られるのだ。

しかし、世の中の人々全員が株を喜んで買ってしまえば、「そういう状態」は実現しない。株は人気で割安どころか、割高な可能性がある。そうなると当然リターンは得られない。したがって、株式ブームが起きるということは、株式では儲からなくなるようになるということだ。

■「バブル後半」と「バブル前半」の違い

これは、バブル後半から崩壊にかけては明らかだ。バブルとなった資産は人気が出すぎて、リスクがある資産が割安になるわけではない。むしろ割高だ。2008年のリーマンショック前のバブルを、私は「リスクテイクバブル」と呼んだが、リスクをとることが流行してしまい、リスクが過剰人気して、リスクをとる機会をみなで奪い合ったのだ。そして、そのリスクが実現して、悪いシナリオが顕在化すると、みながリスクから逃げ出し、大暴落となったのだ。

一方、バブル前半では何が起こるか。リスクに人が群がる。つまり、リスク資産の価格が上昇する。その結果、リスク資産を買うと儲かるという状態が実現するのだ。しかし、これは人々が嫌がるリスクを引き受けた報酬ではない。人々の熱狂に乗った報酬である。教科書に載っている、株式投資が儲かる理由とは、正反対の現象である。

本来であれば、あるいは教科書どおりであれば、経験豊富な株式投資家、機関投資家は、個人が株式市場に参入することを好まないはずである。なぜなら、個人がリスクを嫌がるからこそ、リスクの報酬が大きくなり、リターンが高くなるからである。個人もリスクをとるようになれば、リスクの奪い合いが起こって、リターンが得られなくなる。

■リターン、儲けの「もうひとつのメカニズム」

しかし、それでもアベノミクスによる個人の株式投資参加や公的年金などの株式投資増加を既存の投資家たちが望むのは、リターン、儲けのもうひとつのメカニズムに期待しているからである。それは最も単純なもので、「人気が出るものは値上がりする」ということである。買う人が増えるのであるから、需給で言えば価格は上昇するはずである。つまり、株の人気が出れば株価は上がる。すでに投資している人たちはそこで売れば儲かる。だから、新しい投資家の参入を歓迎するのである。

単純すぎる、当たり前のことだから教科書に載っていないのではない。このメカニズムは単純だが、これまでの理論体系には当てはまらないから、ファイナンスの教科書の体系から漏れているのだ。

この儲けはリスクの報酬ではない。中古品の売買と同じで、誰かが儲かるということは、、誰かが高いお金を払わされていることになる。その中古品を愛していれば、入手してうれしいのだが、株式が買えてうれしい人はいない。儲かって初めてうれしいのだ。それを求めて投資しているのだ。

しかし、リスクに対する報酬と異なり、人気の波に乗るという儲け方では、持続的に利益が得られることは保証されない。上手く乗れば儲かるし、降りるのが遅れれば、大きな損失となるのだ。だから、教科書に載せるわけにはいかない。理論的な儲けのメカニズムとは言えないからだ。

■現実におきていることは、教科書では説明できない

ところが、やっかいなのは、現実の株式投資の儲けは、リスクの報酬としてのリターンではなく、波に乗ったことによるものがほとんどであるからだ。これは、実証研究の結果とも整合的である。日本だけでなく、世界中で見られる現象だが、いわゆる大型株、時価総額の大きな株式(日経225を構成する銘柄など)は、「株価の変動は大きく、一方でリターンは低い」という現象が長年、特に2000年以降の近年に顕著に見られる。変動こそがリスクであるから、大型株は「ハイリスク、ローリターン」なのである。

これは教科書理論では説明できない。この解釈は、株式投資家はギャンブル好きで、株価の変動に賭けるギャンブルを楽しんでいる分、リターンが低くても満足しているというのがひとつの可能性。もうひとつの可能性は、大型株で儲けるには、変動の波に乗って上手く儲けるしかない、ということで、みなそれを狙って大型株に投資しているということだ。この二つの解釈はお互いに同時に成立しうるが、後者の解釈を推し進めると、ボラティリティ、変動とは儲けのチャンスを含むものであり、それを入手するためにみな対価を払っているということだ。

したがって、今年の上昇トレンドの中での5月から6月の乱高下、8月と足元の乱高下は、株式投資家が喜ぶ、またとないタイミングなのである。大きなトレンドに乗ることと、乱高下の激しい波に乗ることも、本質的には同じことで、ブームの流れを読むことによって儲ける手法なのだ。

これは、別名バブルである。したがって、株価水準に関係なく、今年の株式相場は一貫してバブルなのであり、今年儲けた人々は、うまくバブルの波に乗った人々なのである。
問題は、大きなバブルの波だとすると、それがいつまで続くか、いつ崩れ始めるか、ということであるが、それはまた次回議論することにしよう。


 

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コメント
 
01. おじゃま一郎 2013年12月09日 10:45:58 : Oo1MUxFRAsqXk : qfYtQSz6Kw
株式投資は、企業から見れば資金を市場から調達し、それを設備投資に回して
収益を上げ、投資家に利益を還元することである。従って投資家は
企業が収益を上げるまでじっと耐えるしかない。

もし、今から株価を上げたいなら、日銀に金融緩和第二弾を要求すること
であろう。市場民主主義だといって、日本橋の日銀前でデモをやるに限る。


02. 2013年12月09日 12:05:13 : nJF6kGWndY

>大きなトレンドに乗ることと、乱高下の激しい波に乗ることも、本質的には同じことで、ブームの流れを読むことによって儲ける手法なのだ。
これは、別名バブルである。したがって、株価水準に関係なく、今年の株式相場は一貫してバブル

小幡は、かなりのバカだな


03. 2013年12月09日 12:52:24 : U6UXO5dcbU
小幡氏の考察は全く正しい。

現実の歴史は、市場の流れをつかんで儲ける賢者と、市場の流れに魅了されて損する愚者の二通りの人種から株式市場は構成されている。


04. 2013年12月09日 13:17:14 : q6uorymLWs
80年代バブルの時は、証券会社に支払う手数料が往復で2%以上だったので、信用取引でも5%以上の幅がなければ決済がし辛かった。

現在の売買手数料は定額になり、あくまでも机上ではあるが、10,000万株単位で売買すれば1円抜きでもパートの1日分の収入に匹敵する。

100万円の保証金を入れれば信用取引で1万株の取引ができるのでそれほど難しくはない。

NET取引、手数料、情報量を考えると過去のバブルと比較することはできない。

為替、金・原油・パラジウム相場、国債金利、日銀当座残高、SHIBOR、バルチック指数を参考に、金の流れを掴むほうが良いのでは。

確かに心理的にはとても怖い感じがしますがね。


05. 2013年12月09日 17:21:40 : 81BDLMPNXQ
>>03
極論を言えば、今の市場は、その損する奴と得する奴が固定化されてるだろ
ヘッジファンドが得する仕組みにしかなってない
もちろん、それ相応のテクニックを駆使しているんだから、それの「対価」と言えばそうかもしれないが、あまりにもアホらしい

で、その損する側が誰かだ
一般投資家、日本企業、介入しまくってる日本政府
どうしてもそうなるだろう


06. ほんの一言 2013年12月09日 20:43:52 : Ul.1Wje9FqLxA : 99QZClDXEY
学者の理屈にしては論理的じゃありませんね。
まずバブルとは学者の定義ではどう定義されるのでしょう。PERで何倍以上に上がればバブルで何倍以下ならばバブルじゃないのでしょう。
また氏はしきりに教科書では説明できないと言っていますが、教科書で説明できないのは教科書が間違っているとなぜ思わないのでしょう。
収益はリスクテイクの裏返しだというのは当たり前ですが、この理屈はどの程度のリスクをとればどの程度の収益が上がるかを、過去データに基ずいてしか示してくれないところに問題があるのです。
将来収益も将来リスクも不確実でしかありません。その不確実性をもとに投資家はリスクテイクをしていますから、将来収益を過大に、もしくは将来リスクを過少に見積もることによって買われ過ぎいわゆるバブル現象が発生するのです。また波に乗った投資はリスクテイクではないようにおっしゃっていますが、波に乗ろうと乗るまいと株式投資はリスクテイクですよ。

07. 2013年12月10日 05:21:54 : U6UXO5dcbU
ある株を購入した者がいれば、その株を反対売買したものが必ず存在する。株式の売買コストが低下するほどに、株式市場は金銭の循環市場と化す。結論はゼロサムゲームの極地だ。

大多数の投資家が買いを膨らませて株価上昇している状態は外部から幅広く新たな資金が株式市場に流れ込んだことを示している。この状態が長くづづけば、資産効果により消費は活性化されるが、バブルになるほどの力はない。企業業績の期待はすぐに裏切られ、一過性の熱狂で終わる。

本当のバブルは新しく創造したものが、製造原価より高く売れる状態が長く続くことが最大の特徴だ。ITバブルのときは新興IT関連会社であり、住宅バブルのときは住宅と必ず、実体資産の増加を伴い、資金がダイナミックに実体市場を行き来する。

株の値下がりを、バブルと定義するのは間違いだろう。バブルに苦しんでいる日本人がバブルを理解していない。


08. 2013年12月10日 09:07:03 : K1Ji1wmpNw
>>08
同じことの裏表を見ているだけだと思いますよ。

一方的な大幅値下がりが一定期間続く事により、初めてその相場が「バブル」であった
ことがハッキリするのです。まぁその時はもちろん「バブル崩壊」を観察している
訳ですけれどね。


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