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インドネシアのバリ島で開かれていたWTO(世界貿易機関)の公式閣僚会議が12月7日に閉幕した。WTOは1995年にGATT(関税貿易に関する一般協定)を引き継ぐ形で創設された組織で、経済や金融で圧倒的な力を持つ巨大企業に対する規制を緩和、あるいは消滅させる方向へ世界を導こうとしている。
有り体に言うならば、私企業が国を支配する体制を世界の支配層は築こうとしている。WTOを主導している人びとが言うところの「自由」は巨大資本に与えられるもので、個人は自由を奪われ、主権者としての地位から引きずり下ろされることになる。
WTOが創設された年にOECD(経済協力開発機構)の閣僚理事会はMAI(多数国間投資協定)の交渉を始めることに決めている。投資の自由化を進め、投資保護の義務や紛争解決の手続きを規定、労働や環境基準についても定めることになっていた。
巨大資本が自由に投資、問題が生じても投資は保護され、巨大資本に有利な形で紛争を処理、労働条件の悪化や環境の破壊を招くことが予想されたために批判を浴び、交渉は失敗したが、そのMAIを強化した形で復活させたのが現在進行中のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。TPPの交渉が秘密裏に進められているのもMAIの失敗から学んでのことなのだろう。当然、TPPもMAIと同じ問題をはらんでいる。
1938年にフランクリン・ルーズベルト大統領は次のように言っている。
「民主主義国家そのものより、私的な力が強くなることを人びとが許すなら、民主主義の自由は危うくなる。それは本質においてファシズム、つまり個人、グループ、あるいは何らかの私的な権力による政府の所有だ。」
国より私企業が力を持ち、政府を支配するような体制、つまり新自由主義が目指している目標はファシズムだということ。2001年以降、アメリカではファシズム化が急速に進み、日本がその後を必死に追いかけているのは必然だということ。そうした流れを「西側」、特に日本のマスコミは後押ししてきた。
そうした動きを批判する勢力も弱くはなく、ローマ教皇庁もそうした批判勢力に加わっている。使徒的勧告「福音の喜び」でローマ教皇フランシスコは新自由主義を厳しく批判したのに続き、バチカンはWTOの交渉やTPPについても警鐘を鳴らしている。
「秘密のうちに、しばしば事実上という形で新しい専制支配は生まれ、それは一方的に、容赦なく法律や規則を押しつけてくる。さらに悪いことに、そうした政策はWTOやFTAでの交渉に基づく通商ルールを通じ、固定化されてしまう。」
強者総取りの強欲な政治経済システムを放置しておくと、カトリックの存在意義がなくなるという危機感があるのかもしれない。そうした段階まで新自由主義は到達、この体制を維持するためには監視を強化し、情報を統制し、暴力で押さえ込むしかないということだ。言い換えると、民主主義的な仕組みを破壊するということ。日本もそうした方向へ突き進んでいる。
しかし、進めば進むほど抵抗は強くなる。アメリカの議会やメディアにはウォール街の代弁者も多いが、そうした勢力を議論で粉砕している人物がいる。ハーバード大学の教授だったエリザベス・ウォーレン上院議員だ。アメリカの場合、議論の封印は日本ほど容易ではない。
巨大企業が支配する専制体制を目指すWTOの会合が終わったが、バチカンはWTOやTPPを批判 櫻井ジャーナル
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201312080000/
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