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11月米雇用統計
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52521889.html
2013年12月07日 在野のアナリスト
昨晩、あっさりと特定秘密保護法が参院で可決されました。賛成側のメディアからは、盛んに国民の懸念、不安の払拭に努める、旨の報じ方もされますが、欠陥法案を通しておいて運用で何とかします、が一番不安なのです。一番不安なことをしておいて、払拭できるはずもありません。しかも、そんな欠陥法案を通してしまった与党が目指すのが、憲法改正だというのですから、その不安は恐怖に近くなります。欠陥憲法をつくって、運用で勝手にやります、と言い出しかねません。
米国では昨晩、11月雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数が前月比20.3万人増、失業率は7.0%。いずれも市場予想を上回りました。労働参加率が改善する中、失業率が低下したなら、これは良い結果といえます。ただし、11月は政府機能の停止の影響でブレがある、ともされており、素直にこの数字をうけとることはできません。また賃金の上昇も時間当たり0.04$の上昇と、これまでとくらべると高い数字になりましたが、まだ低いままに留まっている点が気がかりです。
米株式市場は2つの見方で割れました。年内のテーパリング開始と、3月まで判断先送り、という2つです。しかし素直にこの数字を好感する流れとなり、市場は大幅高、ドル高、ユーロ安を招いています。日欧の緩和がつづく、との観測もありますが、全体としては米国の景気回復をよろこんでいます。ただ、賃金の上昇も平均週間労働時間が0.1のびたのも、不動産業の活況を映しているとするなら、米経済の回復も依然、脆弱といえます。米国の不動産業は投機資金によって押し上げられている側面があり、流動的であって、テーパリングによる影響はよく分かりません。
米国でテーパリングが行われると、資金の流れは確実に変わります。5月にテーパリング観測が広がったときから、新興国からマネーの引き上げがおきました。日欧の緩和マネーは、それほどリスクをとった運用は少ない。新興国に長めの資金をおくのは、ほとんどが米系です。グローバル展開の差、ということもありますが、リーマンショック後の規模縮小や資産査定などで、海外での展開を縮小させてきたため、日欧は新興国などの運用に遅れをとってきた。米系が新興国から引けば、その分だけ新興国には下押し圧力がかかることになります。
問題は、新興国の変調がどれだけ世界経済に影響するか。そして、日欧とも債券が高止まりし、また低金利、マイナス金利になれば、運用先に窮する金融機関がでてくる。その資金の受け手として、米国では自国の株式、不動産市場に期待し、今は高値をとっているといえます。しかしそう上手くいくのか? 米国とて低賃金労働が増え、ディスインフレの懸念が強まる中で、資産だけが高値をとっていくことをバブルと呼びます。その状況でテーパリングがはじまる。来年のマネーの流れは、相当に変動が大きくなるのでしょう。米雇用統計が、必ずしも米経済を映していない中で、その指数にしたがって行う金融政策の行方が、来年の経済の不透明さにつながってくるのでしょうね。
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