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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131206-00011305-president-bus_all
プレジデント 12月6日(金)15時15分配信
■運用益をそのまま享受できる
日本版401kともいわれる確定拠出年金は、従来の公的年金や企業年金などとは違い、加入者自身が、資産を運用する商品を選択する。将来支給される年金額は、その運用成果に左右されるわけだ。
ところが、「年金が目減りしては困る」といった考えから運用商品の配分は、預金など元本確保型商品がほぼ100%の割合となっている人も多い。
なんとももったいない話だ。アベノミクス相場で国内株が活況を呈し、NYダウが最高値を更新している状況を見るにつけ、「株式の運用比率を高めておけば、かなりのリターンが得られたのに」と地団駄を踏んでいる人もいるだろう。ただし、「もったいない」と言いたくなる本当の理由は、もっとほかにある。せっかくの税制メリットを生かし切れていない点だ。確定拠出年金には、大きく3つの税制メリットがある。
第1に、個人が支払う掛け金は所得控除の対象になること。これは主に個人事業主などが加入できる個人型や、企業型の中でも個人が上乗せ拠出できるマッチング拠出を利用する場合が対象となる。
たとえば、課税所得600万円の人が個人型の年間最大拠出額81万6000円を拠出すると、所得税と住民税を足した30%分、24万4800円の節税効果が得られる。
第2に、運用益は非課税である。そして第3に、年金受け取りの場合は公的年金等控除の対象となり、一時金受け取りの場合は退職所得控除の対象となるのだ。特に注目してほしいのが、この第2の税制メリットで、利益が大きくなればなるほど有利になる。つまり、確定拠出年金は積極的にリターンを狙いにいき、運用益をそのまま享受できる特性を最大限に活かしたい制度といえる。
では実際に、どのように運用すればいいのか。基本は、国内の株式と債券、海外の株式と債券で4分割する形だ。いくらアベノミクス相場で国内株が続伸しても、そこに集中するのはお勧めできない。次の参議院選挙で波乱が起きようものなら、市場は失望し敏感に反応するだろう。また、円安外貨高基調により海外投資の魅力も高まっている。あくまで分散投資が運用の基本なのである。
ただしその配分割合は、年代別に検討する必要がある。まず、20〜30代の資産形成期には、ある程度のリスクを取っても高いリターンを目指す。たとえ大幅に相場が崩れても、その後、取り戻せる期間が残っている点が強みとなる。100から自分の年齢を引いた割合を株式に投資するのが一案だ。30歳なら株式と債券の比率を7対3程度にする形が考えられる。また、掛け金が毎月同額の積立投資ならではのいい面もある。株価が下がれば安くたくさん買え、株価が上がれば割高での買いすぎを防げる。これは、ドル・コスト平均法と呼ばれ、相場動向に一喜一憂せず長期で資産を形成したい投資家向けの手法だ。
株式投資の内訳を考えると、国内株や欧米主要先進国株を主体としながらも、BRICsや東南アジアなどの新興国株にも注目したい。インドネシアの伸びしろはまだまだ大きく、フィリピンの株式市場も最高値を更新している。
一方、退職が近づく50代の場合、安全な運用に比重を移したほうがよい。株式より債券の比率を高くすることを検討したい。
忘れてならないことは、退職時までにどれだけの資金が必要なのかということ。手取り収入が多ければ、預金だけで十分に退職後の資金を蓄えられる人もいるだろう。そんな人が、無理をして海外の株式に投資するなど、リスクを冒す必要性は全くないのである。
モーニングスター調査分析部ファンド分析室マネージャー 坂本浩明 構成=小澤啓司
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