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日本の電機メーカーに再編の波 資金難が障害に
日本の電機メーカーが新たな再編の幕を開けつつある。東芝とパナソニック、日立はいずれも、工場の閉鎖や資産の売却、戦略投資家の導入などの方式を通じて企業内部における再計画を行い、運営効率やコスト競争力の向上のための重要な手段としている。だが資金難から専門経営者は長期的な計画を打ち出すことができず、再編手段も喫緊の課題に取り組むものにとどまっている。「北京商報」が伝えた。
▽次々と打ち出される再編プラン
「大連工場の閉鎖は東芝の再建計画の最終段階となります」。東芝はこのほど、ついに本決まりとなった大連工場の閉鎖をグローバルサイトで発表した。大連のテレビ工場は今月末に閉鎖となる。東芝によると、この計画は、東芝の全面的な改革と利潤改善の手段の一部となる。今後は、自主開発とODM委託とのバランスを調整し、固定コストを削減して運営効率を高めていく方針だ。
これまで大連工場で日本向けに生産販売されていたテレビは、ODM方式を通じてパートナーに委託されることになる。東芝は中国市場を諦めてはおらず、現地の委託工場との協力という方式を通じて市場に製品を提供していく計画だ。
東芝の全体構想は、資産のスリム化戦略を通じて利潤を改善するというものだ。東芝はすでに、ポーランドのテレビ工場を台湾地区のメーカー「仁宝」に委託している。このような手段を通じて、東芝は今年度下半期の利潤改善をはかっている。
東芝だけではなく、パナソニックも業務の分離を進めている。パナソニックは、上海のプラズマイオン工場を閉鎖しただけではなく、3つの半導体主力工場を売却した。また日立は、ファシリティ管理を手がける「ジョンソン・コントロールズ」に空調産業の経営支配権を引き渡した。両者の合弁会社は2014年に運営開始となる。
▽主要業務をやむなく手放す
今後のパナソニックの中国戦略について、パナソニックの広報担当者の尤楠氏は、パナソニックは徐々にB2Cの規模を縮小し、多くの資源をB2B業務に置き、B2Cの先端技術もB2B業務へと移転していく計画だと説明している。B2C分野では、核心技術と特許の面を重視し、大型で全面的な運営モデルを徐々に脱し、産業チェーンの上流における取り組みに力を集中させていくとしている。
パナソニックはその方向性をこのように打ち出しているものの、家電アナリストの梁振鵬氏は、運営モデルの転換と非主要業務の分離という日本企業による説明は成立しないと主張する。こうした企業が手放しているのは核心的な利益を生むはずの業務だからだ。電機メーカーにとって、生産は疑いなく利潤を生む部門である。サムスンやLGなども生産部門は自社でコントロールし続けている。
例えばソニーは2011年末、サムスンと合意を達成し、2004年にサムスンと設立した会社「S-LCD」の50%の株式を9億3500万ドルで売却した。この取引を通じて、サムスンはS-LCD社の全資本の保持者となった。S-LCD社は主に、テレビに使われる大型液晶パネルを生産するメーカーである。
梁振鵬氏によると、ソニーが液晶パネル部門を売却したのは賢い選択とは言えない。「知られているように、大型パネルの上流業務はカラーテレビの製造にとって核となるもので、コストの引き下げや製品競争力の向上にとって極めて重要な業務だ」。梁氏は、ソニーがこのような核心的業務を分離したのは資金難のためだと見ている。
▽資金難による短期的措置
業務の分離のほか、日系企業の戦略には反復の現象も現れている。
今年4月、パナソニックは中期業務計画を発表し、今後2年で2500億円(約27億ドル)を投じて新たな再編を行い、苦境を脱する計画を打ち出した。自動車と住宅開発の業務を重点開拓分野とし、消費電子業務を縮小させることも発表された。パナソニックの津賀一宏代表取締役社長はさらに、海外の健康医療業務への投資先を探していることも明らかにした。同じ頃に行われた第69回中国国際医療器械博覧会では、パナソニックヘルスケア株式会社の大友部長が、中国市場における医療業務への投資を強化していくとこれに唱和した。
だが今年8月には、パナソニックの医療業務の売却の話が持ち上がり、東芝と米プライベートエクイティ投資会社のKKR、米ベインキャピタルが交渉先として浮上した。
ソニーの復興計画も未熟なものにとどまっている。製造業の分離という戦略を掲げながら、依然として携帯電話や医療などの業務での買収を続けている。
家電オブザーバーの劉歩塵氏はこれについて、一連の行動は日本の電機メーカーが財務諸表の改善に努力していることを示しているものの、すべての調整の中心は支出を削減することにあり、収入源を拡大することにはないと分析する。このような方向性は日本メーカーの戦略の反復や盲目的な配置につながっており、中長期的な発展に期待のできない状態が続いている。
実際、日本企業が大きな資金圧力を抱えていることは明らかだ。今年2月、パナソニックは、約100億円(約6億6千万元)で東京都港区に位置する同社の東京ビル2棟を売却した。ソニーもこの1か月後、米国の本部ビルを売却し、11億ドルを取得した。劉歩塵氏によると、企業が社屋を売り始めるということは財務状況が逼迫していることを表しており、こうした状況では、核心業務の分離や資産の売却が次々と行われるのも不思議ではない。巨大な赤字圧力の下では、長期的な計画を立てることはできない。
▽専門経営者にかかる重任
1990年代、日本企業では創始者が次々と退任し、専門経営者が経営に携わるようになった。サムスンのような家族経営の企業と比べると、専門経営者は目前の業績に目を向けざるを得ない状況にある。専門経営者に対する実績評価の目標が苛酷で、周期も短いためだ。こうした状況で、職業経営者は会社の長期的な発展を考慮することができず、財務諸表をいかに取り繕うかに目を向けがちとなる。職業経営者にさらに長い評価周期を与え、会社の長期的発展に対して責任を負わせることも、日本企業が考慮すべき問題となっている。(編集MA)
「人民網日本語版」2013年12月6日
http://j.people.com.cn/94476/8476736.html
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