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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131206/dms1312060723003-n1.htm
2013.12.06 「日本」の解き方
韓国がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に参加すると表明した。これまで韓国は二国間FTA(自由貿易協定)路線だったが、大きな方針転換だ。
貿易交渉は、二国間(バイ)と多国間(マルチ)がある。少しでも貿易交渉を経験した人ならわかることだが、FTAなど二国間交渉は“何でもあり”だ。二国間の力関係等がストレートに反映される。
一方、WTO(世界貿易機関)やTPPのような多国間交渉では、一方的に一国が攻められることもなく、その合意は最大公約数の範囲内になる。ただし、ドーハ・ラウンド(多角的貿易交渉)が崩壊したように、多国間交渉でもあまりに参加国が多すぎるとまとまらないので、TPPのような限定された多国間交渉が好まれている。
韓国はこれまで相手国を選びながら二国間交渉をしてきた。しかし、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドとの二国間FTAはなかなか進んでいない。
そうしたなか、日本がTPPに交渉参加し、それらの国と一気に実質的なFTAが作られることになる見通しとなった。そこで、韓国が焦ってTPP交渉に参加してきたわけだ。
これは、韓国にとってもリスクがある。というのは、TPPに入ると実質的に日本ともFTAができる。これは韓国にとって悪夢といえる。というのは、韓国は日本と似たような経済構造だが、基本的な技術では対応できずに、日韓貿易は韓国の大幅な輸入超過になる。いうなれば日韓FTAでは韓国は日本の下請け状態になるわけだ。
また、韓国としては、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドを後回しにしても、中国とのFTAを優先していたわけだが、これも路線変更になる。
朴槿恵政権は中国重視の対外政策を実行してきたが、やはり中国は共産圏なのでうまくゆかず、自由主義経済圏に回帰せざるを得なかったのだろう。これは朴政権の対外政策の失敗であろう。
このような失敗は、日本でも民主党へ政権交代した際に見られた。米国への依存を低めて中国重視に転換するという意味で、日米中の「正三角形論」が主張された。そして、日中韓サミットで日中韓FTA交渉が進められることとなった。
しかし、政権交代前から、日中韓FTAなどアジアだけの自由貿易圏構想の動きを見ていた米国はいち早く行動してTPP交渉へ参加し、民主党時代の日本の中国重視を牽制(けんせい)するようになった。
自民党への再度の政権交代によって、今年7月にようやく日本がTPP交渉に参加したが、これで慌てたのが韓国だったのだ。
貿易交渉は、純粋に経済的な観点からのみ行うものでなく、その時々の国の安全保障と大きく関係している。安倍政権は米国重視で一貫しているが、韓国の朴政権はかなり迷走している。ここにきて貿易面で方向転換し、安全保障面でも、防空識別圏設定問題で中国としっくりこないので、米国重視へ回帰する可能性があるだろう。どうなろうと日本は今のままのペースでいい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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